Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「森達也×糸井重里トークショー「『マジョガリ』ガリ」を考える」

 渋谷駅の新幹線チケ売り場は並んでいた。午後の六時を過ぎていた。並ばなくても買えるだろうと思っていたから半には青山ブックセンター本店で「森達也×糸井重里トークショー「『マジョガリガリ」を考える」のイベントの開場時間だったのでほとんど並んでいない自動券売機で新幹線のチケを買った。


 ゴールデンウイークの始まる直前の日に帰る予定なので早めに買わないと去年の祖父が亡くなったと言われてその日の朝一のゴールデンウイーク初日の新幹線で品川から福山ずっと立ちっぱだったみたいなことになるのはどうしても嫌だったから指定の往復を買った。

 
 特に雨も降っていない、空は怪しい感じで雲の色が雨が溜まり今にも降りそうではあった。とりあえず歩いて宮益坂を上り道路の反対側に青山学院大学があってここ最近まったく行ってなかったABC(青山ブックセンター)に。数年前にシナリオセンターに一年ぐらい通っていてその時時間が空いていたらよく立ち読みしていた。


 イベント会場は店内の奥の方で、前より少し配置が変わっていた。漫画とか場所が微妙に違った。カルチャーサロンの入り口で買ってなかった『マジョガリガリ』を購入した。ここには入った事なかったけどわりと広い。待ち時間でしまほまほさんと曽我部恵一さんの回を読む。糸井さんとの回は以前に立ち読みしていた。しまほさんは小二まで家にテレビなくて隣の家のテレビを双眼鏡で覗いていたりとか、曽我部さんとは下北沢の再開発について。


 糸井さんは「C級コピーライター」(byガキ使)と言われるがもちろん超S級であって、だって糸井さんが実際に何してるかわかんなくてもこの人がコピーライターと知られているということは実はものすごいことだ。僕は何にも知らない小学生の時にどうしても買いたいと思って買ってもらったファミコンカセットが「MOTHER」だったので、その頃にファミリーコンピュータMagazineとか読んでてそこに糸井さん出てて知ったような気がする。


 専門の授業で「RPG研究」だっけな、そんなやつがあってその授業はゲームのエンディングを見て先生がそれについてゲームがどう変化してきたか語るというやつだったが、その先生が「MOTHER」のプロデューサーで糸井さんの次にエンドロールで名前が流れる人だった。


 実際に糸井さんに初めて会ったのはロフトでの「ほぼ日」のイベントで愛犬のブイヨンと共に来られてて、握手してもらった時。その時は「MOTHER」大好きです、最初にやったの小四でしたって言うと大きくなったなあみたいな会話で、とてもほがらかな感じのよいおっさんだった。
 僕は糸井さんというと「ほぼ日」よりも「MOTHER」の生みの親って方が強い。一応シリーズの3まで買ってクリアしたし、シリーズ通して買ったことのあるゲームって「MOTHER」のみ。


 だから「ほぼ日」を読み始めたのは「MOTHER 3 豚王の最期」が開発中止になってその経緯を載せていたのを読むためだった「MOTHER」は敵を倒してもおじさんは我に返ったとか正気に戻ったみたいになって、基本的に殺すってことがないのも特徴で「ドラクエ」や「FF」シリーズにハマらなかった僕にはとても新鮮だった。


 「MOTHER1」の最後のボス・ギーグがいるホーリーローリーマウンテンに行く前の小屋で主人公とヒロインのアナがファミコンなので斜めとかにしか動かないんだけどそこで主人公とダンスするシーンが印象的だった。「MOTHER」の主人公の喘息持ちという設定は「グーニーズ」へのオマージュらしい、僕が一番好きなアメリカ映画は「グーニーズ」で知らない間に繋がっていたことをこの年になって知る。


 で森さんと糸井さんのトーク。本のタイトル「マジョガリガリ」って言葉は糸井さんがゲストの回に言われた言葉を使ったらしくて、森さんは糸井さんに声かけたけど本当に来てくれるとは思わなかったって。糸井重里事務所って確か青山とかあるから散歩がてら来れるってのも糸井さんの中にはあったのかなって思った。


 森さんの「A」「A2」や何冊も書籍読んでいるけどご本人を観たことなくて声も聞いたことなかったから、ゆっくりと自分の思いを言う人なんだと感じた。
 話の途中でテレビは加算するメディアだって話になって、本来は映像のメディアなのに、ラジオは音のメディアで、テレビを映像見ないで音だけ聞いて、ラジオの音だけ聞いて比べるとテレビの方がうるさいと。
 テレビは音に関しても加算しているから、ラジオは加算しないメディアだって話されていて、人が声から得る情報ってことがいかに大きいかってなった。オバマの就任演説の時に同時通訳で言葉がかぶるのは仕方ないと、でも森さんがNHKで後日見たら全部吹き替えでオバマの声が聞こえなくて残念だったって。


 意味とかわからなくてもその人が発生する声自体が持つ情報、たとえば言いよどんだり、その人独自の間などの情報が実に大きいのになんで吹き替えにしたんだろうって。森さんの知り合いの音楽ライターの人に人の声を聞いただけでその人の体型やどこが悪いかってわかる人がいるみたいで、声はその人の現状を現すそうだ。
 だから映画でも吹き替えに違和感を感じるのはそこで外人の人で日本人とは違う体型や皮膚の色とか住居(石でできている住居で住んでいた人と木造などの住居に住んでいた人は反響音が違うので声の質も違う)が違うので日本人の声とその演者の声の実際の声はほど遠い。字幕の方が役者の演技(声もそうだし、間とか)を感じられてよいと思う。


 糸井さんが「アメトーーク」と「Qさま」は面白いって。「Qさま」がゴールデンタイムに言ってクイズとかやり初めて残念だって言ってたけど「アメトーーク」に関してはかなり見ているみたい。「ホテルアイビス芸人」とか「熟女芸人」でウド鈴木は熟女好きなんだよって言ってて森さんは「アメトーーク」知らなかったから糸井さんが説明すると「聞いてるだけでおもしろいのがわかる」って。糸井さん説明がうまいし、番組が好きなのが伝わってきた。でもお二人ともよく見るのはNHKらしい。叩かれる回数が多い方が堅実に作ってるって。で糸井さんも最近はNHKにしか出てないみたい。


 トーク自体は一時間半ぐらいでTOKYO FMで二週にわたって放送するみたいです。糸井さんって聞き上手なイメージだけど昨日はかなり話してた。森さんが聞き役になってた感じ。いちおう入場料払って来ているのですぐに放送するのはいかがなものかと思うのだが。
 僕が聞いている唯一のラジオは「文化系トークラジオ Life」なんのだが、深夜帯に働いていると面白い番組は基本的に聞けないのでポッドキャストがある番組はありがたい。


 で以前にと言っても今年の初頭に紀伊国屋書店紀伊国屋ホールで行われた「「ツナガリ」の現在 "出会い過剰"の時代の希望」は未だにポッドキャストで配信されていない理由ってのは三百何人とか平日に関わらずたくさんの人が来たんだけどそういう人は入場料を払っていてすぐに配信しちゃうと実際に行った人間から多少なりと不満とか出ると思うから時期を置いてたりするんだと思う。来れなかった人からすると早く配信しろよってことになるんだろうけど、そこのとこは差異があって仕方ない。


 今は2006年11月18日放送「糸井重里さんを迎えて」の「Life」を聞いている。前にデータで落としていたけど前のパソコンの外付けがぶっ壊れて聞いてなかったのだけどこの際だから聞いている。この頃は土曜日だったんだなあ、そしてcharlie若っ!


2006年11月18日放送「糸井重里さんを迎えて」↓
http://www.tbsradio.jp/life/2006/11/1118part.html
http://www.tbsradio.jp/life/2006/11/1118part2_2.html
http://www.tbsradio.jp/life/2006/11/1118part3_1.html
http://www.tbsradio.jp/life/2006/11/1118part1_1.html
http://www.tbsradio.jp/life/2006/11/1118part2.html


 「フラガール」がさんざん評価された後に観てすごくよかったって思って「ほぼ日」で特集して監督に会いに言ったら「今更ですか?」みたいな感じだったって。でも糸井さんは自分が今興味あることが最先端だって! その考えはいいとすごくいいなと思った。
 世間とか回りに合わせ過ぎて大事な事が見えなくなって小泉政権誕生みたいなことになるよりは。だって声が大きくて同じ事を繰り返している人に人は着いていってしまう。


 小泉さんは論点のすり替えがうまかったと思うし、郵政民営化ってあの時じゃなくても全然いいし、今じゃなくてもいいようなことであの時にやるべきことがあったけどそういうのを隠して民営化が大事だみたいにしたんだよね。
 みんが向かっている時には立ち止まって自分はそれがいいと思ってるのか考えれないと最終的には自分たちの首を絞める、ということが最近わかったし、みんな気づいてはいるんだろう。でも孤独になったりみんなと違う事をするのは怖いからできないから引っ張ってくれるリーダーを求めてしまう。


 森さんはKYでいいって、自分は回りからズレているからみんなが群がっている時に違うものを見てそっちに行っているというのは非常に大事な感覚だし、今はそういうことを許さなくなっている。
 善か悪かとか二極化してて真ん中とかをなくそうとしてるのは危ないって。糸井さんがエコブームがあった時にいろいろ言う人がいたけど、今高速道路千円になったら「ぜひ九州ぐらいまで行きたいですね」って一昔だったらエコロジストにいろいろ文句言われたと、今はそうでもないってことは時代と共に常識とか認識は変わっているんだって。
 エコバッグ持ってレジ袋いりませんとか言ってるやつが高速千円になったからって遠出したらものすごく一気に環境にダメージ与える事になる。そういう矛盾とか考えれないんだったらエコバッグとか持たない方がいいと思う、所詮ブームで持っただけじゃんって思うし。


 「A」「A2」を友人只石に紹介されて観ていろいろと考えるきっかけになったけど、人に紹介すると「オウムの映画でしょ」みたいに言う人が少なからずいるんだけどその二作品観て何にも思わない人はかんなりやばいと思う。
 オウムにしたって赤軍にしたって僕らとなんら変わらない人が起こしたっていう事実、凶暴な悪意よりも純粋な善意の方が摩擦なく多くの人を絞め殺すことができるって若松監督の回の所で森さんが書かれているがそうだと思う。


 あと「ほぼ日」で糸井さんが前に書いてたけどイチローWBCiPod聞いてて付属のイヤフォンをしてて「あれは音が悪いからいいの買った方がいい!」って。で糸井さんはイヤフォンけっこう買ってて全然違うって。でメールで夫があのイヤフォン作ってるのであんまり悪口言わないでって来たって。でもあのイヤフォンは音が悪いのは間違いないって言ったのは笑った。僕はアップルのインナーイヤフォンなんだけどインナーの方がまだマシなんだけど、さすがに一万ぐらいのいいの買おうと思った。

マジョガリガリ

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バリューセレクション MOTHER 1+2

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MOTHER3

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ほぼ日刊イトイ新聞の本 (講談社文庫)

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A [DVD]

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A2 [DVD]

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