Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『ALMA』

RadioHead - Killer Cars


 始まりはいつも伊坂幸太郎説。


 ほぼプー太郎生活が終わり、新しいバイトを始めました。
 あと1年半で三十路なので諸々未来を考えたりします。自分のしたい事と出来る事、そしてどうしようもない絶望の事。
 夢や希望を語るのは案に想像できる最悪の未来から逃げるため、意識を逸らすため、過去は変えられないが未来は今の動き方でなんとかなるかもしれないというわずかな光を集める事。闇が見れるのならば光も見れてもいいだろうがっ的な。


 そんなわけで夕方ぐらいに終わって帰って書く時間を作って応募していくという形でやっていくしかないなと、普通の会社員の作家希望の人とかそうだしね。
 嫌いというか苦手な仕事で生活費を稼いで夜は好きな、やりたい事をしていくというバランスのよさで、プラスマイナスゼロなのかどうなのか謎。


 あんまり好きではない、どちらかというと苦手な方な仕事でストレスや怒りやなんて感情を貯め込んで創作物で一気に放出するってのはきっとありなんだと思うんだけどあんまりそっちに流されたもいけないので、全ての事はメッセージじゃなくてバランスですね、きっと。


 ここから抜け出したいって気持ちは大事やん、此処ではない何処かに行きたいやん、でも此処ではない何処かに行ってもあんまり状況が変わらないって事もありますけどね、本人が変わらなきゃ何処でも同じだっていうね。


 そんなわけで足掻きに足掻いて、空気とかが逆風でも抗ってもがいて、何か爪痕が残せれば、つうか残したい。
 自分が思い描いた世界や物語の破片を結びつけてきちんと僕ではない誰かに届くような何かを、だってそれはコミュニケーションだから。気にいられようが嫌われようがそこにはコミュニケーションがあるから。


 そんな僕が孕んだものをなんとか産み落としたい、好きな事で苦しみたい、それでいいし、それがいい。時間はかかるのだろうし、運とかいろんな要素が関係するだろうけど。


 僕は運だけはいいからね、足りないのは自分の力だと思うから。きっとラインを越えてしまえばうまく流れていくはずだと、なんて楽天的な事を言うんだろうと思う人もいるはずだし、否定はしない。僕が他人ならそう思うだろうし。


 でも、自分がやるべきことをしたいことのハードルを勝手にあげたら出来る事も出来ない、失敗してしまいそうな気がする。鳥が空を飛ぶ様に当たり前の事の様に飛んでしまえば難しさは幾分か減るだろう。
 だけどもみんなは飛べないし下を見れば多くの飛べなかった者たちの残骸や遺骨があるのだから怖くて仕方がない、だからこそ飛ぶしかないし、越えていかないと僕も道づれだ。


ACIDMAN - ALMA (PV) in HD


 最初に書いた始まりはいつも伊坂幸太郎説ってのは、僕何かが始まる時は伊坂幸太郎作品を読み終わった後(たぶん)だなって。まあ、二回しかないけどどちらの作品も書き下ろしだった。


 寝ないで出たばかりだった『ゴールデンスランバー』読み終わってテンション上がって小説スゲエじゃん、って思ってその日あったとある飲み会を寝過ごしてしまってからシナリオから小説書きたいモードも移行して一ヶ月もしない次の年の08年1月にcharlie(社会学者の鈴木謙介氏)に新年会呼ばれてから『文化系トーク系ラジオ Life』関係の方々に会ってだいぶ環境や知り合いの範囲が変わった。


 その頃から古川日出男作品読み始めていて結局飲み会でお会いした仲俣さんの影響とかあって08年の『聖家族』が刊行される8月までに古川日出男さんの作品を出てるので全部読んでイベントでお会いしてとかあって完全に傾倒していって憧れて小説モードに完全に以降したんだよね。


 で、今回は新作で書き下ろしの『マリアビートル』を読んでた。『グラスホッパー』という殺し屋たちが出てくる小説があるんだけど、その作品の延長線というか同じ登場人物が出てきたり、その話に出てきた登場人物の名前が出てきたりするので『グラスホッパー』を先に読んでいる方が面白さは増す。


 今回はそういうデカイ何かではないけど。『マリアビートル』読み終わったのが月曜の早朝の四時過ぎで『文化系トーク系ラジオ Life』の生放送というかUstで聴きながらだった。
 その月曜日から新しい仕事の研修の初日だったのにもかかわらず寝ないで小説を読んでいた。前例から行くとそのまま寝て行かないっていう流れだったのが2時間仮眠してきちんと行きました。


 『マリアビートル』は面白かった、新幹線の中で起きる殺し屋たちのやりとりと戦い。伊坂さんらしい作品でもあると思う。書き下ろしの方がやりたいことややってなかったことをやってるのでより濃度が濃い作家性がある。


 読み終わったら後に読み切ったぞという達成感もありつつも寝ないとさすがにやばいだろと思ってなんとか寝た。考えていたのはきちんと書いて作品を応募しようと言う事だった。


 で、前出の仲俣さんが『グラスホッパー』読んで『マリアビートル』読んで来週は仙台ですっていうから。
 仲俣さんは『ゴールデンスランバー』は合わないって言ってたし伊坂作品あんまり好きじゃないのに『グラスホッパー』読み終わって面白いって、で『マリアビートル』読むために『グラスホッパー』読んでて伊坂さんに取材するために仙台にって話で、『えっ?マジっすか!』状態になりました。


 今は古川日出男さんの『ノン・フィクション』って新刊読んでる。伊坂さんや古川さんとか好きな作家さんに憧れているだけだとつまらないし同じ土俵に立って戦いたいよなあって思う。


TWO DOOR CINEMA CLUB | UNDERCOVER MARTYN


 今日は指定の口座作りにいってから仕事に行ったから中目黒から研修先の自由が丘の店舗まで行って働いて帰る時は自由が丘からまた中目黒までで、その間は友人がこないだ来た時に貸してくれて取り込んでたTWO DOOR CINEMA CLUBのアルバムをずっと聴いてた。最近こういうのが気分的には合うなあ、ライブ行っちゃおうかなって思ったりする。


 口座作るときの担当してくれた銀行の店員の人が安藤美姫に似てた。で研修先の教えてもらってる女性の人が微妙にsalyuに顔が似てて声もわりかし似てる。


 顔が似ていると声は似ている、あるいは声が似ていれば顔は似ている。おそらくは骨格の問題だと思うんだけどね。きっと、知り合いの人に似ている人がいたら声も似ていると思います。たぶんね。


 朝起きて本屋行ったら村上春樹インタビュー本『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』が置かれていた。以前出た『モッmキービジネス』で古川日出男さんが村上さんにインタビューしたのも掲載されていた。


 その『モンキービジネス』は持っているのでそれ買わなくていいかなって思ったりした。以前書いた『健全な肉体に宿る不完全な魂』というエントリーにその対談の事を書いていた↓。


 「モンキービジネス」の今回の対話号の売りはなんと言っても古川日出男さんが聞き手として村上春樹氏にインタビューしている、しかもけっこうなページ数で読むのも時間がかかるほど。今ちょうど村上春樹世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」読んでる、去年は古川日出男作品をひたすらにとこしえに読みまくったので、ある意味先祖帰り。


 古川さんは村上春樹作品にかなり影響されて作家になった人、僕は古川日出男作品に一気に去年影響されたけど、村上春樹作品の長編は未読だった。
 古川さんは村上作品に影響されながら違う切り口で書いているし、文体も違うけど、この対話を読んでいるとやっぱり作家としての背骨の部分での影響がものすごくデカイんだなあって感じた。


 村上春樹さんと言えば健康的なイメージだけど、実際に30過ぎぐらいでデビューしてから体を鍛えていて毎年フルマラソンを一、二回走っているらしい、もう六十歳なんだけどね。古川さんもティラピスかヨガみたいなことをしてたような、実際に舞台でダンスしてたし体力的にはかなりだろう。
 インタビューの中で「贅肉つくと小説家はダメだな、と思いましたね。実感として」ということを言われていて長期スパンで作家としてやっていくためにそこは大事だと、古川さんももちろん同意。


 そこから繋がることでそこを重要視する意味としてお二人の見解としては「健全な肉体に宿る不完全な魂」が作家として必要だから。体がクリーンになったからと言って魂がクリーンになるわけはない、しかし肉体が健全ならば、自分の中に潜む暗い部分、狂気を孕んでいる部分を見つめることができる、それがないと小説は書けないという。なんかちょっとわかる気がする、絶対にどんな人間にもその部分があって、物語にそれがないとやっぱり嘘というか影のない人間っていうあり得ないものになってしまう感覚。


 ってのを書いている。


学びの基本は『守・破・離』の法則。守って破って離れる。最初は先生の教えを忠実に『守』ります。そこで物事の基礎を身につける。それができたら次は、基礎を『破』りつつ、そこから自分の色をつけていく。いわばアレンジ。アレンジができたら先生から『離れて』完全にオリジナル化する、それが『守・破・離』の法則。


 ↑これが学びの全ての基本だよね。影響を与える人与えられた人との間にあるそういうもの。早く『破』って『離』れて影響を受けた僕らはそこから自分なりの形や表現に辿りつけたらいい。


Smashing Pumpkins / Mayonaise / live bio part 8


ほとんど本物の愚か者
それに気づけないほどのクール
不運だね
悲しみでいっぱいのポケットをかっぱらって
明日 僕と逃避行しよう
ジューン
なんとかして痛みを和らげようとするけど
なぜか痛みは変わらない
僕らの秘密の行先は誰も知らないから


大切な人には一人残らず心を送り届けてる
愛がすごくやるせなくなった時は
夢を見ればいい
冒険してた頃の売春婦たちが
金切り声をあげるのをよそに
僕は品行方正な方向へと導かれる


そして失敗する
でも できる時はやるつもりさ
時が許せばきっとそうするんだって
分かってくれよ


母さんは僕が失った年月を悲しむけど
全ての月日を取り戻すことはできない
口をつぐんで悪魔祓いだ
君と君の理性を罵らないように
手を離れ 時機を逸して
愛と想いから
すごくワルになれる時もある
言葉と計画とは裏腹なもの
でも やれる時にはやるさ


ほとんど本物の愚か者
それに気づけないほどのクール
そしていつもこう感じるほど年をとった
ずっと年老いて こう感じるんだろうな
約束も悲しみも もういらない
もう 従いもしない
誰か僕の声が聞こえるかい
僕はただ僕でいたいだけ
できるなら きっとそうするよ
時が許せばきっとそうするんだって
分かってくれよ

ALMA

ALMA

ゴールデンスランバー

ゴールデンスランバー

グラスホッパー (角川文庫)

グラスホッパー (角川文庫)

マリアビートル

マリアビートル

聖家族

聖家族

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです

Tourist History

Tourist History

Siamese Dream

Siamese Dream