道尾秀介「シャドウ」の文庫を買ったまま読んでいなかったので昨日朝読んだ。この作品は第7回本格ミステリ大賞受賞作品。この人の作品は「向日葵の咲かない夏」「片眼の猿」「ラットマン」「鬼の跫音」「花と流れ星」と読んでいて短編集の「鬼の跫音」「花と流れ星」はそんなに面白いというか長編のインパクトが強くてあんまりこなかった。
「シャドウ」は最後でミステリーなのでどんでん返しというか種明かしがあって、「向日葵の咲かない夏」「片眼の猿」のようなギミック的なものではなくわりと正攻法なミステリーぽかった。後味のあまり悪くないように感じる。
「向日葵の咲かない夏」「片眼の猿」のトリックというか文章ギミックでの最後のどんでん返しもとい映像化不可なオチは感嘆するがイラッとも来る感じのものだった。そして後味がどうも悪い、それが道尾秀介作品の印象だった。「シャドウ」は精神科医の世界を描きながらも小学生の子供二人から見た世界が書かれ、親と子供の世界が混ざる。これ読んだら精神科医はみんな病んでるのかと思ってしまうけど。
道尾作品の最も凄いと思うのはミステリーという体裁を取っているけど先を読みたいと思ってどんどんページが進むっていうこと。あとはオチで納得できるかどうか。「シャドウ」に関しては思わせぶりな感じで展開し、最終的にはなんとかうまくまとまる。
病んでる世界というか救いが最後にはあるように思えるけど、両家族の今後を考えるとこの先大丈夫なのかと思ってみたり。
僕は上記の作品しか読んでないけど「向日葵の咲かない夏」「片眼の猿」のギミックのインパクトが強い。中にはギミックのオチでこの作家を嫌いになる人もかなりの数いそうだ。人だと思ったものが人ではなかったり、あると思ってたものがなかったり、というのは小説のギミックとしては最後にうまくいけば読者に驚きを与える。それで凄いと思うかふざけんなって思うかは人それぞれ。
この人このままどんどん認知度が上がって売れていくんだろうなあ、書店員が押してる感じもするし、十年後ぐらいには東野圭吾的なポジションにいるのかもしれないと前から思ってる、顔もイケメンだし、そういうのも重要だろう。
作家も顔がいいほうが売り上げにも比例すると思う、残念ながら世界は見た目が重要という当たり前の事。
本屋で「野性時代」の古川日出男連載「黒いアジアたち」を立ち読みで読み切る。「バベルバベルバベルバベルバベル」みたいなタイトルだった、なんこバベルが続いてたか忘れた。
樽(バベル)ということで黒い宝石が湧き出る場所に人が集まって集落ができて村になってというものと豚男としてのテーと出会う酢女(名前が酢女って古川さん!)で新しい生命の始まりが。いやあ一気に単行本で読みたい。
今日13日は「文化系トークラジオ Life」は「午後のLife」ということでウェブ中継。後日Podcast配信されるけど。
http://www.tbsradio.jp/life/2009/09/913.html
Windows Liveに未登録の方はまず↑から登録してたら聴けます。
本放送ではないのでネットで聴くことになるけど内容は、16時頃〜次回「居場所(NHK「青春リアル」コラボ企画)」予告編、17時頃〜「『ニッポンの思想』をめぐって」と濃いめな感じ。しかしコラボどうなるんだろうなあ、予想し辛い。
昨日というか今日は暇な時間に「Life」の昔の糸井重里さんがゲストだった回の2006年11月18日放送「糸井重里さんを迎えて」を聴いていた。
http://www.tbsradio.jp/life/2006/11/1118part.html
http://www.tbsradio.jp/life/2006/11/1118part2_2.html
http://www.tbsradio.jp/life/2006/11/1118part3_1.html
http://www.tbsradio.jp/life/2006/11/1118part1_1.html
http://www.tbsradio.jp/life/2006/11/1118part2.html
この時点でcharlieはブログ止めてたんだなあ。糸井さんをまたゲストに呼ぶとどうなるんだろうか、面白そうだけど今は深夜だから無理かな。
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