Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

チェ 28歳の革命/the kooks@O-East

 起きて渋谷まで行って今年一発目の映画館での映画「チェ 28歳の革命」を観る。前に観たことがある「モーターサイクル・ダイアリーズ」の後の話。革命家としてのチェ・ゲバラを描いた映画の前編、後編も月末に「チェ 39歳 別れの手紙」として公開。16時の映画館にけっこう埋まるぐらいの客がいた、その事にびっくりした。


 あれっ?今、ゲバラ人気なの?と。あるいはソダーバーグ監督のファンが多いのか?とか今の日本のダメダメな政治に苛ついて実際に「革命」を起こした人物を観たいのかもしれない。


 映画はキューバ革命までの戦いを描いている。わりと普通にカストロと共にキューバにいってゲリラ戦をしていくので彼の思想やそうなった背景は語られない。彼の人間性はいろんなところで垣間みられる。


 兵士になりたいと来た農民に武器がないなら帰れとか(武器があまりない時だったから自分を守れないやつはいらない)入隊しても勉強しろとか(勉強しない人間はすぐに騙される)、敵兵だろうが捕虜を殺さない、敵だろうと彼らの物を奪わない、農民に迷惑をかけない、脱走した兵士が農家から略奪しそこの娘を強姦した際には捕らえて殺す、等の完全主義者的な一面が見られる。
 

 戦いに勝った後の、革命の後のことをきちんと考えて行動していた人物のようだった。元医師だから人の命が一番大事だと考えていたのも大きい。


 最後の方の戦いのシーンは眠かったけど、二時間十分ぐらいなんだけど長く感じたなあという感想。テンポがよくないからだろうなとも思う。史実なのである程度の時間の流れをきちんと描いていかないといけないのがテンポの悪さかもしれない。観ていて「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」みたいだなって思った。どっちも史実を元にした映画でテーマは「革命」だ。


 「チェ 28歳の革命」は成功した「革命」の話、「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」は「革命」を夢見ながら集団の中で壊れて暴走していった若者の話。どっちも映画なんだけどなんだろうなあ、ニュースフィルム的な。


 そうことがあったんですねって感じしかしないというか別に人に勧めないかなあ、そういうことがあったことを知りたいなら観ればということしか言えない。こういう映画って好き嫌いとかじゃないような気がするし、知らない事を知れるっていう方が僕には強い。


 独裁政権や一部に上層部にいるものが弱者から様々なものを略取しているおかしい社会を革命によって変えようとして動いた人の話なので意志を持って動く事で世界は変わるっていうのはもちろん伝わる。


 でも、この映画にあれだけの人が平日の夕方に観に来ていることは今の国の現状をおかしいと思っている人が多いということの表れなんだろう。

 
 黒沢清監督「アカルイミライ」の最後にチェ・ゲバラの顔がプリントされたT-シャツを来た高校生の集団がいるんだけど、チェ・ゲバラは「革命」のアイコンなんだよね、「パンク」のアイコンがシド・ヴィシャスだったり、「グランジ」のアイコンがカート・コバーンだったり「レゲエ」ならボブ・マーリーとか反体制的なものすらも彼らをたとえ知らなくても若者は着たり身につけたりするわけで、資本主義はなんでも呑み込んで消費させる強さがある。


 後編を観ないとなんとも言えないというか彼の、チェ・ゲバラがどういう人だったのかは判断できないけど、あとこの映画も。


文化系トークラジオ Life」スピンオフ特番「2009年のチェ・ゲバラ
http://www.tbsradio.jp/life/2009/01/post_96.html



 終わった後にO-Eastに行ってThe KooksのLiveに。チケは友人のalbionから譲り受けた。開場はしてたのでわりと後ろの方に落ちついた。なんか久しぶりの洋楽liveの気がする。レディオヘッドシガーロスは国際フォーラムで席ありだったし、その前のKYTEは前座が長くて本人たち観ないで帰ったからエイジアンダブファンデイションの時以来かな、立ちっぱの洋楽liveは。


 ボーカルのルークがものすごく男前です、わーきゃーと外人好きな女子が群がるでしょう、というか群がるわな。ここ数年のUKロックの新世代は基本的に男前だしね、さらに歌も巧いわと。
 


 一気に世界を手中に収めたアークティックモンキーズと共に本国イギリスでは人気はめっちゃあるらしいです。実際に凄くいい声だしメロディもキレイ。


The Kooks - Naive - Live at Leeds


 聴きながら考えていたのはメロディに乗せたら言語なんか関係なくて、歌詞の意味が分かった方がよりいいのは決まってるんだけど、音楽の強さって声も楽器の一つだから届くって言う所。日本人は外国のロック好きで需要もあるから海外から来てくれるという恵まれた土地ではあるけど。


 最近読んでいるのが翻訳された「われらが歌う時」で、活字の物語が、外国の物語の場合、僕のように英語がわからない人には翻訳されていないとわからない、逆に日本の作家の小説が海外で読まれるためには独自の日本語から世界で共有されている言語の英語に訳されなければ彼らに物語は届かない。

 
 映画は台詞わからなくても映像である程度はわかったりする部分もあるし、黒澤明を初めとして、様々な監督の作品が世界で人気がある。今だと黒沢清青山真治園子温、と僕の好きな監督や、三池崇史北野武宮崎駿とかね。


 かと言って洋楽聴かないわけじゃないし、ここ最近だとスマパン聴きまくってたし、スマパンとthe viewは来日したら観に行きたい。


 帰りにトイレ借りようとローソンに寄ったらアンアンの表紙が深田恭子でぺらぺらめくるとなんかすげえ痩せてた、くびれてた。あと髪が短くなってた、ああいう髪型っていつも思うけどキレイとかかわいいから似合うよね、ようするに顔のバランスがよくないとショートカットって・・・。


 ヤッターマンドロンジョの役の写真も公開されたけど↑これって公開まで引っ張った方がいいんじゃないの、これ観ちゃったら映画いいやって人もいそうだけどなあ。でも三池崇史監督だから期待はあるが。


 そうだなあ、「チェ 28歳の革命」「チェ 39歳 別れの手紙」と二回観ると映画デーか千円の日だと合わせて二千円なんすよ。一般料金で観ちゃったら3600円ですよ。で合わせたら四時間余裕で超えるっしょ。
 チケ屋でいつもみたいに前売り券買っていったら今日千円の日だったよ、行くときはそういうの大事だよね。
 あとこの映画はデートには向きませんよ、カレカノの「革命」とか「チェ・ゲバラ」についてのトークの先に幸せがあるとは思いません。


 なんだかんだ言っても去年から言い続けてるし言い続けるけど園子温監督「愛のむきだし」観に行けってことで。当日券だと2500円だけど(前売り買えば二千)237分だから約四時間あるけどさ、まあこれもデート向きじゃないけどもこれが「映画」だろう、これが世界に通じる日本映画だし、物語の強さだと思うし、そう感じたから。


 映画観ながら号泣して嗚咽しそうになったの久しぶりだったから。


 今の洋画邦画に魅力感じない人はこれを観ればいい。DVDで観て映画観たとか言うなよ、映画館で観ることで感じれるものがある作品は劇場で観るべきだから。


愛のむきだし」公式
 http://www.ai-muki.com/


愛のむきだし」@東京フィルメックス
http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20081130

Inside in / Inside Out

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Konk

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an・an (アン・アン) 2009年 1/21号 [雑誌]

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愛のむきだし

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