Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「エソラ」

 起きたら夕方だった。最近目覚ましが鳴っても起きずに寝ている、やるべきことはあるのだが無意識が睡眠を貪るようだ、あるいは現実逃避という無意識の逃げかもしれないが。


 古川日出男「沈黙/アビシニアン」が一気に進まない。「13」「アラビアの夜の種族」「聖家族」等の古川文学の長編のものに関してはただの長編というだけでなく「物語」が「物語」を飲み込み、そして繋がり、大きな話に展開している。
 「13」「沈黙/アビシニアン」「アラビアの夜の種族」は現代の物語に過去の物語が浸食して互いに増殖する感じで千夜物語のような感覚。現実と夢の行き来をしているような感覚で読み進めるとそっちに引きずられる。一気に読み進めれない感じもある。物語を進めたいけど進まないジレンマ。今年中に「聖家族」をもう一度読もうと思ったが無理っぽい。


 起きたのが遅かったので友人である小屋敷剛(go koyashiki)のCDが出たけどタワーレコード(で取り扱っている)には行けなかった。amazonでも売っているけど僕は元々本やCDをネットでは買わない。
 手に取って帰ることが嬉しいし、CDはまだ状態は割れてなかったりと気にするぐらいだけど、本は落丁とか嫌だし本が傷んだりしているのを買うのがもっとも嫌だから。本屋でバイトをしていたけどやっぱり最初から傷ついているものもある、本が入っている段ボールを本が印刷されてから運ばれる過程でそこまで丁寧に扱うほどみんな時間も余裕もないのだ。とくにそこまで売れていない本や発行数が少ない本で傷ついていると買うかほんとに躊躇う。ネットだと確かめれないからやっぱり嫌だ。


 近所のツタヤの本屋に ガブリエル ガルシア=マルケス百年の孤独」があって買おうと思ったら帯が破れてて買う気を失った、まあ来年には買って読むけど。渋谷のブックファーストが地下二階のしょぼしょぼになって品ぞろいがぼろぼろになったから駄目なんだよなあ、いっつもあそこで本買ってたのに。


 結局雨振っていたので近所のツタヤでMr.Childrenのニューアルバム「SUPERMARKET FANTASY 」の初回DVD付きを買って、なんでか「MOTHER1+2」のサントラを借りた。サントラは寝るときに聞くと寝れそうな気がして。そういえば最後にしたゲームは「MOTHER3」だった。
 「C級コピーライター」by田中直樹こと糸井重里さんが何者か知らなかった小学四年の時にファミコン「MOTHER」を買って初めてゲームやって感動した。最後のホーリーマウンテンの前の小屋で主人公とヒロインがダンスするあたりで。今考えるとただ音楽に合わせて斜めに動いているだけだけど。


 あの頃は糸井さんの「おいしい生活」っていう有名なキャッチコピーとかも知らなかったなあって思ってウィキペディア見たらそのキャッチコピーは僕の生まれた年でした。つまり大きくなって糸井さんってどういう人なんだろうって知った時に知った言葉だった。
 ウィキペディア見てたら「矢沢永吉の自伝本『成りあがり』のゴーストライターを務める。」ってあるんだけどここまで有名だったらゴーストライターではないんじゃなかろうか。


 「MOTHER3」が一度頓挫してそれが「ほぼ日」で対談形式で載っててそれを見るために「ほぼ日」見始めて今や「ほぼ日」手帳を使うようになって三年とかかなあ、けっこうこのおっさんに影響されているというかなんというか。


 「 MOTHER1+2」のサントラは鈴木慶一, 田中宏和, 松前公高って三人で作ってることになってるけど、昔バイトしてた三宿のダイニングバーにたまに鈴木慶一さん来てたなあ、ただのおっさんだと思ってたけど、あとは今みたいにユルくなってなかった千原兄弟のジュニアさんが後輩や放送作家の人と数人で来て朝までお笑いに関して熱く語っていたけど、まあその店ももうなくなっていて少し寂しい。


 去年のロフトの「ほぼ日」のイベントで糸井さんとブイヨンが買った商品を袋詰めしてくれて握手してくれる時にやっぱり「MOTHER大好きです」と言った僕がいて、「そうかありがとうなあ」と言った糸井さんは優しくて頭は白髪が混ざってて時が経ったんだなあって感じた。


 「深海」「BOLERO」「DISCOVERY」「Q」「IT'S A WONDERFUL WORLD」「シフクノオト」「I ♥ U」「HOME」「SUPERMARKET FANTASY」とオリジナルアルバムを並べるだけでも物語が紡ぎだせそうなMr.Childrenのアルバムのタイトル。自意識と混沌に深く潜っていく、踊り舞うように自意識と混沌の海を戻って何かを探す旅に出る、そこで質問が世界から他者から投げかけられて、世界は素晴らしいんだと自覚して大事な人と出会って幸せな音を鳴らして愛の告白と言う宣誓あるいは呪文を、戻るべき大事な人がいる居場所としての家を持って、日常としてのスーパーマーケットというメタファーを前面に出しながらそこにですら空想的なことはいつも起きているんだと。


 以前に書いたブログ「幸せ最高ありがとうマジで!」 (http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20081024)で「Q」は僕と世界の関わり、「IT'S A WONDERFUL WORLD」は男性としての自分の不甲斐なさ、「シフクノオト」は夫としての自分の不甲斐なさ、「I Love U」は聞いてないんだけど、「Home」への過程だと捉えればいいのかな。「I Love U」という呪文あるいは契約の言葉が「Home」という扉を開く、んで「Home」に至るわけですね。って書いてた。
 どこか桜井さんはアイロニーをどこかしらに入れているような気はするんだが。空想のスーパーマーケットってねえ、夫婦で家族でカートを押しながら買い物をするという何気ない日常すらももはや空想のものでしかないんだよ、それを維持することが実は一番難しいというアイロニーなのかもしれないけど。


 「エソラ」「ロックンロール」「羊、吠える」とかシングル以外にも一聴していいなあと、でもMr.Childrenの曲名に「東京」ってのがあったのは何か意外だったなあ。


 描いた夢、理想を追い続けたって、多分
 ものにできるのはひとにぎりの人だけど
 あと少し頑張ってみようかな
 それでもいつか可能性が消える日が来ても
 大切な人はいる


 って歌詞でものにできたひとにぎりの人にそんなこと歌われたくないってのは夢追い人としてはあるんだけど。
 「羊、吠える」はタイトルだけで昔尾崎豊ばっかり聴いてた頃に尾崎のライブCDかなんかで「弱い犬ほどよく吠えるって言うだろ、でもな、何もしないよりはマシなんだぜ」ってMCを思い出した。
 「風と星とメビウスの輪」って曲はライブの本編のラストにやりそうな感じがするなあ。


 「SUPERMARKET FANTASY 」のDVDをバイト先の42型のテレビで見てみた。「エソラ」がこのアルバムのジャケットの世界観を描き出していた。虹色じゃないけど色鮮やかな世界(スーパーマーケット)でなぜかラーメンズの片桐さんが途中で出てた。そっちの方が気になってしまった。


 ラーメンズ繋がりで言うと29日にTwinkle Fes'08ってのが本多劇場でします。
http://www.tbs.co.jp/radio/event/owarai/O10179/O10179.html
 ラーメンズエレキコミックというトゥインクルコーポレーションのトップの人たちも出るみたいです。友人であるウッチーのコントユニット・スペースラジオも出ます。そんなスペースラジオも一月に単独ライブあります。

 スペースラジオ単独ライブ「C」 日時:2009年 1月17日(土)開演19時 1月18日(日)開演18時
 開場は開演に30分前 全席自由 場所:しもきた空間リバティ (下北沢駅南口より徒歩1分)
 料金:前売り1800円/当日2000円
 チケットは全国のローソン内、情報端末ロッピーでお求めいただけます。 Lコード:31557

 
 ラーメンズの後輩(事務所のね)でもあり解散してしまったジョビジョバの後継者(ウッチーがジョビジョバと同じサークルの直系の後輩)でもあるコントユニット・スペースラジオは身内びいきじゃなくて単純に面白いんでぜひ劇場で体感してください。

 
 気がついたらsalyuのベストとミスチルのアルバムとトイズファクトリーしかり小林武史プロデュース作品ばっかり買ってた。

聖家族

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slit

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百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

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SUPERMARKET FANTASY [初回限定盤:CD+DVD]

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MOTHER 1+2

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MOTHER3

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MOTHER 1+2 オリジナル サウンドトラック

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