Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「自転車吐息」

likeaswimmingangel2008-11-28

 「愛のむきだし」公式サイト
 http://www.ai-muki.com/


 いよいよ明日の東京フィルメックス園子温監督作「愛のむきだし」が観れます。
 

 東京フィルメックス/ゲスト情報
 http://filmex.net/2008/guest.htm


 ↑を観ると映画が始まる前に園子温×宮台真司トークイベントがあった。で映画始まる前に舞台挨拶、で終わった後に園さんのQ&Aみたい。


 宮台さんは映画にも出ているみたいだけど、この二人のトークショーかあ、以前にロフトプラスでお二人と山下敦弘さんと松江哲明さんのトークショーを観て以来だなあ。とmixiに書いた過去の日記を観ていたらけっこう園さんのことを書いていたのでコピペしてみた↓。


 出会いからするとちょうど二年前のオダギリジョー主演「HAZARD」からでした。その頃からかなりシンクロニシティというものを感じるようになり始めた頃だった。


『HAZARD』2006年11月27日


 大粒の雨が降る朝、バイト帰りの路上は雨に濡れていた。
 吐く息ももう白い、11月と言えば霜月、寒い、震える。
 もうすぐ師走、気をつけて走らないと滑って転けちゃうけど。


 朝起きて時計を見れば予定よりも2時間遅く起きた、起きて着替えて駅へ向かった。


 チケ屋でチケ買って、桜丘町方面へ。
 シアターN渋谷にてオダギリジョー主演『HAZARD』、監督は園子温(『時効警察』でもオダギリジョーと組んでましたね、脚本書いてたし、代表作は『自殺サークル』観てないけど、観たのは壱成君が出てた『奇妙なサーカス』これはエグかったなあ)でした。


 STORY
 1991年、日本。
 「退屈なだけの日曜日、どこへ行こうか」
 シン(オダギリジョー)は平凡な学生生活を送っていた。なにも無い日常から抜けだしたかったそんなある日、大学の図書館で彼は「地球の危険な歩き方」という1冊の本に出会い、そこでNYの犯罪都市「HAZARD」について書かれたページを目にする。眠たい日本を飛び出す覚悟を決めたシンは、本を握りしめ走り出す。


 NYへ渡ったシンは、自ら危険を求めさまよい歩く。生きて行くことが難しくなったある日万引きをしようとした店で彼は仲間たちと出会う。リー(ジェイ・ウエスト)とタケダ(深水元基)はNYでも名の知れたギャングスターだった。彼らとの日々は、刺激的で危険に満ちていた。シンは見えないコインを取り出し、彼らと誓い合う。
「俺たちはこの1セントを1億ドルと交換するんだ」


 憧れていた狂気と隣り合わせの世界。だが、現実はそう簡単に彼を受け入れてはくれないのだった。


 HAZARDをさまよい、もがき、やがて走り出す。世界を手に入れることを夢見て。そしてシンが行き着いた先は・・・。


 共演は、ジェイ・ウエスト、深水元基池内博之


 ジェイは確かスマスマショートフィルムの『GAS☆PANIC』のバスジャック犯だった気がする。最後のオチがムツゴロウさん(動物王国の王、雀キーでジャンキーと有名、実家には著書が何冊もあったが読んだことは無い)だった作品。
 彼のテンションはすごいよ、英語の中に日本語が混ざっててなんかラップみたいなノリの勢いで話してて独自の雰囲気。
 なんせ、主役のオダジョー食ってるからね、めちゃめちゃ目立ってた。


 深水って人はファッション雑誌とかで見る人、次の園監督作品では主役みたい、『タイガー&ドラゴン』のどんべえさんのお弟子さんの一人でしたね。


 池内君は『ロックンロールミシン』で観てから好きな役者さん、今回はあんまり出番無いけど、以前インタビューでスマパンの『Mayonaise』が好きと言っていた。僕もこの曲スマパンの中のかなり上位に入る好きな曲。


 オダギリジョーはなんせ、若い。4年ぐらい前に撮影したみたいだけど。最初はかなりリーやタケダに引っ張られていく、最初はおどおどしてるような感じ、次第に慣れていって、3人のいいトリオになっていく、やがて暴走のような疾走を。
 リーのキャラがテンション高い、それに引っ張られていく感じなんだけど、その後の『スクラップヘブン』ではオダジョーがリーのようなキャラで加瀬君を引っ張って行く。


 シンは二人に導かれるように、狂気と戯れていくのだが、やがて導くものがいなくなると、自らのアイデンティティを考えて自らの意志で動き始める。


 観ていてなぜか? なんでかわからんが吐き気が。
 体調が悪かったわけでもないし、酒飲んで二日酔いでもなかったしなあ。


 シンに感化されたのか? 作品に対しての拒否反応なのか?
 よくわからん、が吐き気が中盤ぐらいからしていた。


 映画で泣くことはよくあるんだけど吐き気は始めてだった。


 観ている僕自身に対しての拒否感なのか? 


 考えるのだがよくわからない。シンの憧れていた狂気がわからなくもないし。


 この映画はパンクだった、衝動のみがあり、破滅的だけど、その一瞬は誰も追い付けない速さがある。


 帰ってから園監督が脚本を書いた『時効警察』を観てるんだけど、色んな作風のある人だなあ、それにしても麻生久美子がキレイだ、婦警の格好は完全なコスプレだ、これ見たさにオンエアを見ていた人も多かっただろう、僕もだが・・・。


 このドラマまたしないかなあ、岩松さんも映画撮るみたいだし、ケラさんも『グミ・チョコレート・パイン』を映画化するし、園監督の新作も気が向いたら観ようかな。


 それにしてもなぜ、吐き気がしたのか気になる・・・。


 映画館を出る瞬間に映画館に入ってくる藤原ヒロシとスレ違ったんだけど、雑誌で見るようなファッションをしてけど『HAZARD』を観にきたのかが気になる・・・。


 麻生久美子がキレイのなのが気になる・・・、映画館でずいぶん観てない気がする・・・。
 

 オダギリジョーの映画を今年かなり観ているのだが次にする映画『蟲師』と『東京タワー』が気になる・・・。


 この作品の何が吐き気をもたらしたのかが気になる・・・。


 最近頭で考えるよりは動かないと行けないなあという気になってきている、でも自分が今どうしようかが気になる・・・。


 色んなことが気になる、今年がもうすぐ終わりだということが気にかかる・・・。


 これからどうなるか気になる・・・、僕の人生が。



『気球クラブ、その後』2006年12月27日


 今年最後の映画館での映画を観に行ってきました。


 12月にこんなに雨が降るのかという不安と寒さでしたが、イーストウエストに1時間前について整理番号が40番!ってこの寒さにレイトショーにこんなに来るの?と思ったらトークショーがありました。


 映画に出ている川村ゆきえと内山人利という人のトークショーがありました。


 27日には壱成さんと園さんだったらしく、明日来るべきだと思いましたがしょうがない、トークショーがあるなんてきちんとサイトで確認すべきだった。


 壱成さんは野島伸司脚本『未成年』から好きで、というかあの作品なかったらドラマも好きにならなったし、その流れで映画も好きになることはなかったし。
 今僕がここにいる理由の一つで、初めて物語で感動して泣いたのは『未成年』であの時壱成さんだからできた芝居がなければ僕はシナリオに物語に興味を持てなかったから。


 壱成さんの復帰作だった『indian summer』も同じくイーストウエストのレイトショーで観たなあなんて思いながら、園監督作品『奇妙なサーカス』に壱成さんが出てて監督の作品を初めて観たとか僕にはなんか好きな役者さんでありきっかけをくれる俳優さんなんです。


 ストーリー
”気球クラブ・うわの空“。このサークルには、本当に気球が好きな人、寂しさを紛らわしたい人、恋愛や友情を求める人・・・、さまざまな想いを抱えた若者たちが集まっていた。
 5年後ー。ガールフレンドのみどり(川村ゆきえ)と微妙な関係を続けている二郎(深水元基)のもとに、かつての仲間から1本の電話が入る。リーダー・村上(長谷川朝晴)の突然の事故。そして、死ー。
 このことをきっかけにバラバラになっていたメンバーが再び集まり、村上を偲んで大宴会が行われることになった。
だが、彼らは気づいていた。これが最後の、一夜限りのバカ騒ぎだということに。
 二郎はそこで、村上の恋人だった三津子(永作博美)の深い想いを初めて知ることになるのだが・・・。


 映画の前にトークショーがあり、川村ゆきえはかわいかった。前列の方にはファンの人が固まっていました。
 映画観づらいぞと思いましたが映画よりも川村ゆきえの近くにいたいんだろう、それがファン心理だな。
 確かにかわいかったさ、髪の毛がなんかキューティクル全開で光ってましたよ。


 そんな若さ全開の川村ゆきえもかわいかったのですが、それ以上にね、アネゴ探偵寂水先生こと(知らない人は時効警察を見てください)永作博美がすげえかわいいの。
 もうこの顔したらどう見えてどう感じるかとか全部わかってるんだろうなってぐらいの顔の表情です、しぐさです。
 本当に36歳なのか?かわいすぎる。


 永作さんも壱成さんも主演の深水さんも園監督作品に出てる人なので、一回仕事して合う感じの役者さんとはまた仕事するのかなと思ったりしましたが、麿赤兒さんとか何作も出てるもんな。


 この作品で気球バーという巨大な黄色い風船の中で飲んでるシーンがあって、最初の方のビルの屋上にバルーン置いて飲み会してる時にみんなで『翳りゆく部屋』を歌ってる後ろ姿で少し涙ぐんでしまいました。


 バルーンの中でみんな寝てて、リーダーの村上が寝そうになってる二郎に『夢の持ってないやつはクソだ。そのクソにへばりついてるやつはもっとクソだ』って言って、それを寝ながら見ている三津子ってシーンがあって、その言葉は村上の口を使って監督が観てる人に言ってるように思えたし、そしてかなり響いた。


 この作品は携帯での会話シーンがわりと多くて、会話シーンも多かった。


 言葉が人を繋ぐし、言葉が人を隔てる。


 僕は何気ない会話シーンが好きです、なんでかわからないけど。きっと普段僕が話している99%ぐらいはどうでもいいことで、話す必要もないことなんだけど、そんな中に関係性やひょっとしたら大事なことが混ざり込んでいるんだと思う。


 携帯で繋がってる感じ、曖昧な関係、今メモリーしてるデータを消去したら、繋がっていられるか?
 

 気球クラブでの鍋や飲みは青春で、でもその時期を過ぎていく過程の一つにリーダーの死があった。


 今の僕にもわかる感じ、今の友人や仲間たち、知り合いとの時間がずっと長くは続かないだろうという漠然とした不安、例えば誰かが死んだら切れてしまう関係というのはあるから。


 僕が死んだらと考えてしまうところもあり、僕が死んだらみんな偲んで飲みでもしてくれて忘れてくれるかな、あるいは関係が薄くなった知り合いに誰かが連絡して言われるかな、『あー、あいつ死んだの。髪長かったやつだろ、へー、死んだんだ』とか。


 最後にスタッフロールが流れてその後の二郎が映る。
 その最後で泣いてしまった、わからないけど泣いてしまった。
 好きな映画です、年をとってまた観たらもっと泣いてしまいそうな気がする。


 映画館の外はまだ雨で電車で帰ろうと思ったけどなんか嫌だったから歩いて帰った。雨は止まないままでこれでもかってぐらい、気持ちいいぐらい降ってた。

 
 道玄坂登って、246沿いを歩いて三茶まで帰ったんだけど、途中の旧山手通りと交差する所で信号待ちしてたら、車のヘッドライトが水たまりを照らしてキラキラと輝いていて、ふいに寂しくなって泣けてきた。


 帰りにツタヤに寄って荒井由美シングルベストを借りた。
 その中に収録されている『翳りゆく部屋』という曲が映画のテーマソングでありモチーフだったから聴きたくなって聴きながら日記を書いた。



紀子の食卓』2007年01月23日


 起きてから三軒茶屋中央劇場に行き、『紀子の食卓』を観る。 初めて入る劇場、いつもその前を通っているんだけど。なんか昔ながらの古ぼけた劇場って感じでなんかいいなあって思った。


 2時間40分に及ぶ長さ。
 『自殺サークル』ともリンクする作品、54人の女子高校生が新宿駅でホームに飛び込み自殺するシーンも出てくるし、その発端と言うか始まり、映画が明かされてなかった部分がこの作品ではあかされる。


 これは家族の話、『希薄』な家族関係。


 『あなたはあなたの関係者ですか?』


 紀子であり『ミツコ』である主役・吹石一恵は物語を先導していく、平凡な家庭が少しずつ崩壊する一歩を踏み出しに東京へ出るのだが、見ていていそうな、いなさそうなそんな雰囲気がした。
 自分があるようでないような、街をキャリーバッグを引きずりながら歩く感じは肉体を探している幽体のように輪郭がない感じ。前から思っているのだけど、彼女の声と竹内結子の声は似ている。特に語尾の感じ、消えかかる声の時は同じだと感じる。


 妹のユカ役の吉高由里子は園監督の監督脚本の回の『時効警察』でもかわいい女子高生で出てたけど、かわいい。ちょいとYUIに似てるかな。姉を追い東京へ。
 姉のいる『家族サークル』に入る。タイトルは『紀子の食卓』なので、主人公は紀子なのだが、ユカに引き継がれていく感じがあるし、最後に『ここではないどこか』へ出て行く彼女は『レンタル家族』という作り物の家族から脱却する可能性を示唆している。彼女が主役の続編も作ったらどんな話になるんだろう。


 『家族サークル』の黒幕でもあるクミコ役のつぐみは影のある感じもするし、『レンタル家族』のなかでは明るい女の子を演じたりと様々に表情を変える感じ。
 なんか『贅沢な骨』のイメージで弱い感じだったけど、この人はドSなんじゃあないのかって思ったりしたけど、画になるよねえ。帰りに久しぶりに『贅沢な骨』を借りました。


 父親役の光石研さんは最後の方ですごいことになってたけど、やっぱりいると締まる感じでカッコいいです。
 自分の家族が知らないうちに崩壊していくことに気がつかなったこととか、二人を探し当ててからの『レンタル家族』として二人とクミコを呼ぶなどの行動を起こし家族を再生させようとするが『理想の家族』像から逃れられない父はやはり家族を再生させれない。一緒に暮らして生活すれば家族だというのはやっぱり幻想で、その家族の個々人の数だけの人格が一つの家で一緒に住んでいるということは、個々人がきちんと関係していかないとすぐにほころんで崩壊していく。


 かなりの圧倒的な作品です。モノローグが多いです。
 モノローグはすごく好きなので、チャプターごとにキャラのモノローグが映像と共に流れるのが世界観を構築させ、各キャラの内面が伝わってきていいです。
 やっぱりモノローグがいいと作品に入りやすいしね。言葉使いのセンスはさすがです、あんなモノローグ書きたいです。


 映画館で観れない人はレンタル始まったら見て欲しい。
 園さんが幡ヶ谷の兄が妹を殺した事件について、あれが日本の今の縮図だと言っていたのはわかるような気がする。あの歯科医の家族が観ていたらどう感じただろう。
 『俺は関係ない』と言った長兄はこの作品を観てもやっぱり関係ないというだろうか、言えるのだろうか?


 紀子が東京で名乗る『ミツコ』という名前、『奇妙なサーカス』でも『ミツコ』出てきたんだけど。なんか豊中の地名とかリンクすることが多いなあ、園監督作品は。そういうのも作品を観てると繋がっていっていい。


 紀子が東京に行く前に家族でシャボテン公園行きますが、ちなみに僕の父の趣味はシャボテンです。サボテンでいいか、普段はそう言ってるしね。
 小2の僕が旅行に連れて行って欲しいと言うと父は真顔で『サボテンの世話があるから無理』と言い放ち、『サボテンと息子どっちが大事なの?』と言えば『サボテン。お前らは飯食えば勝手に育つ。しかしサボテンは俺が面倒見ないと育たない』と言い切り、趣味に息子は勝てないと思い知らせてくれた。
 ちなみに我が家族は父が出不精なために家族で外食と旅行に行ったことが一度もない。


 家族って変なものでやっぱり各自の役割の元に成り立つ。
 家族以外にも僕とあなたの関係は各自の役割がある。
 

 『あなたはあなたの関係者ですか?』


 僕と関係する人の数だけ僕が存在する、それはまったく同じだということはなく、個人間で絶対に違う。人間は個人間の関係性により存在する。


 要するに世界にひとりぼっちだったら存在してるとは言えない、他者がいて初めて僕と言う人間が存在するから。
 親子だったり、友人だったり、恋人だったり、多少の顔見知りだったり、嫌悪感を抱いてたり、赤の他人だったり、立場により演じる。僕が僕を演じるということ。その人に対しての僕を知らないうちに演じているという可能性。


 友人間での『君(言われる人の名前ね)らしくていいんだよ』とか『君は君でいたらいいんだよ』とかの発言なりはその人間を形成するし、ある意味定義づけて変化をさせないようにさせる。


 僕はきちんと他人と関係できているのか?


 正直難しい感じもする、他人との関係性が希薄であれば僕個人という人間も希薄なわけで、僕はどうだろう。


 すごく嫌われないけど、どうしても必要ってほどの存在でもないだろうし、まあいたらいたで楽しいぐらいの存在感だろうか。


 一人の人と濃い関係になるのはそれなりの時間や努力を要すると思うけど、僕はきっとそういうのが苦手なんだと思ったりする。


 観終わって、実家に電話した、祖母が出て元気な声が聞こえた。母はいつのように『もう25なんだからきちんと将来考えなさいよ、夢ばっかり見てないで』と言う。


 もう25ですか? まだ25ですか?


 夢を見てはいけない年ですか?


 夢も見てないで現実を見るためにだけにセックスの快楽の果てに産み落とされたんですか?


 病気で入院していた兄はようやく元気になったらしい。豊田での仕事もなんとかうまくやってるらしい、もう6年近く会ってもないし、声も聞いていないが。実家にも帰ってない、4月になればまる2年だ。


 『僕は僕の関係者ですか?』



「8ミリpiece」2007年02月13日


 昨日は都営新宿線小川町駅にあるneoneo坐にて『園子温全8ミリ作品完全上映』に行ってきました。
 

 Aプログラム『ラブソング』『俺は園子温だ』『愛』
 Bプログラム『男の花道』
 Cプログラム『決戦!女子寮対男子寮』


 を通しで観ました。15時から21時過ぎまで。
 ケツと背骨がやられました。


 ぴあフィルムフェスティバルグランプリを取った『男の花道』が観たかったので行こうと思いました。初期作品も観たかったし。


 園監督自身が出てるんだけど、すごい存在感でした。
 スカラシップの『自転車吐息』に繋がるものが随所に見られました。走ってる映像が多いんです、疾走してる画が。


 あと園さん自身が裸によくなってた。なんか全てを曝け出してて、終わった後の懇親会で監督に質問とかさせてもらって。謎は解けましたけど、ゲリラでしかできないよなあって映像もカッコよかった。


 『HAZARD』は映画観ながらなんか主人公に感情移入して何にもしてない自分にムカついて、吐き気を覚えたのだけど、今回は『男の花道』でその状態になりました。
 なんか浸食される感じで、なんか奥に在るもんもぶつかってくるエネルギーがすごくて。
 あと、この作品は画がすごく揺れてて、街の景色とかぐるんぐるんな感じでそれにも酔ってしまった。


 最後の方は終わらないと吐けないなあって額に汗すごくかいて、席はいっぱいでしたし、後ろに行くにも行けないので耐えました。 終わって近所のコンビニのトイレで吐きました。胃液しかでなかったけど。


 懇親会終わって話してた映画関係の人と駅に帰ってたらその人に園さんから電話が来て渋谷での飲み会に行かせてもらいました。

 
 園さんの関係ある映画関係の人と役者志望で時効警察2にも出てる人と僕の7人で渋谷の駅前で。まあ、僕だけ完全な一般人でしたが混ぜてもらって話を聞かせてもらいました。

 
 エロい話から映画の話、園さんの関係者の人の話とか知らない事も多いかったけどおもしろかったです。


 皆さん仲いい感じで、園さんをはじめ皆さんも気さくな人だったので楽しく飲んで話聞けました。


 始発が始まるまで飲んで解散して僕はのんびり歩いて道玄坂登って246沿いを歩いて帰りました。

 いやあ、いい日でした。 起きたらすげえ腰と背骨が痛いけど。


『エクステ』2007年02月19日


 大杉漣さんサイコー!におもしろいってのが第一の印象でした。


 朝2時間ぐらい寝て池袋に行って園子温監督作『エクステ』観てきました。朝一の回で映画は観たいんですね、なんとなく。 人も休日じゃなければ多くはないし、なんか前の回が終わるのを待ってるのがなんだか嫌だから。一人で行く場合は。


 ストーリ−というと、横浜港に到着した巨大なコンテナから膨大な量の髪の毛が発見される。ちなみに発見する監査員みたいな警備の人が『最近鼻毛が伸びるの早いんっすよ』と軽く映画の内容を前フリしてるのだけど、それが柳ユーレイと田中要次の両氏なのだけど。柳さんが出てるとホラー臭がするのがすごいね。
 髪の毛の中から発見される少女の遺体。主人公の優子(栗山千明)は美容師の卵でダンサー志望の友人(佐藤めぐみ)と将来の成功を目指して同居している。


 警察の死体安置所の管理人である髪の毛フェチ山崎(大杉漣)は死後も髪の毛が生え続ける少女の遺体から取った髪の毛で作ったエクステを美容室に売り歩く。
 遺体の少女は海外で誘拐された後、臓器を抜かれて死んだ臓器売買の被害者だった。
 やがて、優子の働く美容室の回りで続発する不可思議な出来事。
 山崎のエクステをつけた客が次々と変死していく。
 優子と共に暮らし始めた姉の幼い子供を巻き込み、暴走する髪の毛の呪い。山崎はやがて優子の美しい髪の毛に目をつける・・・。


 最初は青春映画のようなさわやかさです。優子が自転車に乗って颯爽と街を駆けていく。園さんの作品には自転車が似合います。


 大杉さん扮する山崎は暴走しすぎでかなり笑いました。本物の髪の毛と最新のCGを駆使したホラーなシーンも見物だけど、大杉さんの演技だけでも観る価値はあります。


 園監督作品に出てる人が今作にも出ててそれもファンとしては嬉しいですね。柳さんもよく考えたら『時効警察』に出てたし。 『紀子の食卓』に出てたつぐみさんはドSブリを発揮する虐待ママですが、なんかすごいSです。演技なのか?本気でドSなんじゃあないかと思わされます。すごい似合ってるドSっぷりです。
 光石研さんも『紀子』に続き刑事役で登場。うーむ、渋いっす。
 『夢の中へ』で主役だった田中哲司さんも出てます。少しだけ。


 前にお会いした時に「同じ役者さんって続けて出てる人多いですよね」って園さんに聞いたら「やりやすいし、合う人とは合うんだよねえ」って教えてもらった。なんか園組って感じでいいです。
 

 僕はリンクとか繋がりを感じられる作品が好きなのでツボにはまります。
 『自殺サークル』と『紀子の食卓』が繋がっていたり、キャラの名前が同じだったり、「なんかミツコって名前よく出ません?」と聞いたら園さんから理由聞いて納得したり。同じ役者さんが出てたり、自転車で走り抜けたりするシーンとか。
 

 視覚的に怖い映像がかなりありました。目から髪の毛が出て、それをひっぱるとずっと伸びていくのが、黒板を爪でひっかいたような嫌な音で身の毛がよだつ感じに近いものがありました。
 そういうのもかなり怖いけど、その分、僕は大杉さんの演技で爆笑したので怖さは半減しました。怖いのは苦手です。
 寝れなくなるので、幼い頃に怖い番組見て、二階で寝てて一階のトイレに行く時に階段の電気を点けても一階の暗闇が怖くて降りれなくて何度も漏らしそうになりました。
 

 フィクションだけど、虐待してる母とそれに従うことしかできない、恐れて感情の出せない子の親子関係も出てきて、現実の怖さも普通にフィクションの中に入ってるのがやっぱり園さんだなあと思いました。


 栗山さんの目はやっぱり強い。意志の強さみたいなものが出てて母性的なのかもなあ。


 虐待されてる子役の子の顔が『紀子』に出てた妹役の吉高って女の子に似てるような気がしたけど、気のせいかな。園さんの好きな顔の系統かなと思ったり。


 まあ、やっぱり大杉さんの暴走は見物です。不思議な歌も聞き所です。髪の毛並みに暴走してます、蓮さん。


 優子が自転車乗ってるの観て、自転車買おうかなって思ったりしました。


ロフトプラスワンアムロ状態」2007年03月21日


 元々バイトだったけど休みにして新宿のロフトプラスワンにて園子温監督×山下敦弘監督×松江哲明監督×宮台真司さんのトークショーを観に行きました。


 マイミクのYukIさんと待ち合わせしてロフトワンに行ったけど早かったから茶して行ったらまだ誰も並んでなくてどうするって思ってたら園さんが歩いてきて、以前に一度飲みを一緒にさせていただいたので顔は知ってるけど園さんはまあ僕を覚えてはいるはずもなく、って思ったけど顔を見たら久しぶりみたいな感じで握手してくれて、まあすでに酔ってたけど、看板とか蹴ってたけど。テンション高かったけど、なぜか語尾に『ベイビー』付けまくってたけど。


 お前らも来いーみたいな感じで開場前だったけど会場の中に入らせてもらった、関係者でもないけど。単なるファンなんですけどね。 入ったら園さん色々破壊してたけど、ソファーに座って酒を飲み始めて、松江さんがカメラ回してて、なんとなく同じテーブルに座った僕はコロナもいただいて監督の話を聞いていたら山下さんが来て園さんと話し始めた。これがかなりおもしろくて爆笑だった。


 園さんと山下さん初対面だったみたいで園さんペースの話はすごかった。園さんのほうが15歳上みたいだけど。日本映画は俺ら二人がいれば大丈夫だとか年収いきなり言っちゃったりとかetc.


 テーブルに三人監督さんいて僕だけ一般人で話を聞いてて、YukIさんはすぐ横の席で聞いていて笑ってた。で、開場してお客さんは入ってきてマイミクのぶっさくも来てYukIさんの隣に座って話聞いてた。


 ここではもちろん書けないような映画やその他諸々の話を聞けてよかった。おもしろすぎるわ、あと危険過ぎる。


 僕と山下さんの間の席に外人さんが来て園さんと山下さんと知り合いのベルギーの方で、ロッテルダム映画祭でお二人と関係あるみたいで今度東京ガガガでの園さんの詩と映像をベルギーで使いたいって言ってた。
 その人に海外での両監督の人気とか作品について聞けた。なかなか興味深い話だった、日本語がうまくてよかったわ、英語できなくても会話できたし。


 で、宮台さんが来て僕の目の前に座って話始めて、なんだこの状態って面白くて仕方なかった。


 ここにいたらいけない人間が普通に座って酒もなぜかいただいて話をしているって僕自身の存在の感じが面白かった。


 山下さんは低姿勢な方でいろいろ話をさせてもらった。
 次回作で脚本が渡辺あやさん(『ジョゼと虎と魚たち』『メゾンドヒミコ』の脚本家)でどういう感じなのかと『松ヶ根乱射事件』の感じが僕は『リンダリンダリンダ』よりも好きだとか話させてもらっていい方でした。
 友人の田村が『天然コケッコー』という次回作で制作だったので名前出したら田村君の知り合いなんだって感じでなんかいい優しいオーラの人だったなあ。


 それでトークショーが始まって4人はマイクのあるとこで話を始めて僕はそのままテーブルんとこで聞かせてもらった。


 園さんはやっぱおもしろいけど、途中でベルギーの方と話をしてて園さんは酔ってるけどある部分はキャラを演じて本来の素の部分を出さないようにしてるんだよって言われてそうなんかなって思ったり、でも暴走してましたけど。


 映画についてのトークだけど興味深いことを話してました。ホスト的な社会学者宮台さんの話のフリを聞いたりあんまり聞かずに暴走したり味がありすぎて濃いトークです。


 なぜ、対談の相手が山下さんなのかとか今の邦画についてとか。最初にテーブルで聞いたこととかも話されてました。


 わりと長くトークショーして、終わって園さんがテーブルに帰ってきて関係者の方と話をしていたので帰ろうと思ったら山下さんと松江さんが話をしていたので山下さんとまた話をさせていただきました。そこで聞きたかったこともきけて本当に良い人だと思った。


 『松ヶ根乱射事件』観てください、好き嫌いがはっきり分かれる作品だと思います。『リンダリンダリンダ』もいいけどね、こっちのほうが人間を描いてると僕は思うけど。


 最後に園さんに挨拶して帰ろうと思って、少し話をして僕がNGワードを言ったら園さんがお前がきちんとやれって言われて俺の番号知ってんのかって言われて携帯出したら番号入れてもらったんだけど、その番号実は最後の番号だけ違うみたいで・・・。


 まあ、最終的にはわかったけど電話かけるタイミングとか僕ないんですけどみたいな。僕の番号園さん登録してないからかけても誰だよってオチになるのが目に見えてるんだよなあ。なんとかまた会える機会があるといいなあ、なんか会えそうな気がしなくもないんだけどさ。どうなることやら。


 トイレ行って戻ったらぶっさくが園さんに頬をペチペチと叩かれていて何やってんのかなって思って近づいたら、園さんに殴ってみろって言われて頬出された。


 僕が何にもしないと軽く平手打ちされた。
 で、また頬を園さんが出したから僕も園さんの頬をちょいと強めに平手打ちしたら園さんニヤッと笑って強く僕の頬を平手打ちを返してきた。 コロナを6本とか飲んでた脳に衝撃が走って目がすっきりした。園さんの目を見て僕もニヤって笑ったら園さんも笑ってた。


 話だと10年前ぐらいだったら僕はきっと園さんにぼこぼこにされてると思ったけど怖くはなかった。なんかおもしろかった、雰囲気がね。


 なんか信じれる感じがした、かなり園さん酔ってるけどいい人だなって思った。


 今までケンカとかしたことないから殴ったり殴られたりしたことなかったから、平手打ちもしたりされたことなかったけど園さんにしてされたりと想い出になった、きっと園さん明日になったら覚えてないだろうな。


 なんだか楽しめたトークショーになりました、知らない人や始めての人とも話しできたし。


 やっぱり意志を持って出かけるとなんかあるんだなって帰りに思ったり、ネットで繋がるのはいい事だけど実際に家から出て出会わないとわからないことが多過ぎるなあ。当たり前だけど。


 園さんについて入ったから入場料とかコロナ4本とか金払ってないけど、園さんとか関係者の人が払ってくれたのかな。なんだかお得でした。


 本当に何らかのことをするにはいろいろ出ていかないといけないですね、なんか今年になってこういう出会いの運は出てきたみたいです。動くしかねえなあ、その方が絶対的に楽し過ぎるから。


 ぶったな、二度も。親父にもぶたれたことないのにっていうアムロ状態です、いい記念だなあ。園さん平手打ちするって中々ない経験だし、平手打ちされるのもね。


 いやあ、絶対的に楽し過ぎるわあ。


 で明日「愛のむきだし」観たら感想を書こうと思います。

気球クラブ、その後 [DVD]

気球クラブ、その後 [DVD]

エクステ [DVD]

エクステ [DVD]