salyuのベストアルバム「MERKMAL」が11月26日に出る。通常版と初回限定版がAとBでAがライブDVD(2008.9.17 Motion Blue YOKOHAMA)付きでBが(featuring楽曲盤CD)付き、うーむ、迷う。来年の武道館チケは友達が取ってくれた。
初めて観たのはCOUNTDOWN JAPAN04/05だった。リリイ・シュシュ名義で出してた子がsalyuになっているのをあんまり知らなかったけど、まだシングルを少しだけしか出してなかったからリリイ・シュシュの曲もやってて、発売前の「彗星」で完全に持っていかれた。こんな声の人がいるんだという気持ちになった、声で惹かれた女性ボーカルってsalyuぐらい。
プロデューサーは小林武史。最近捕まったのは小室哲哉。今や90年代を代表する音楽プロデューサー明暗は歴然としてしまった。
小林武史にはミスチルがいたということがデカイとしても、salyuの曲の作詞をしていた一青窈と不倫しようが、マイラバのアッコと離婚しようが、彼はゼロ年代でもヒット曲を出し続けていたことは事実。
そして10年公開予定の小林武史監督「BANDAGE」で映画監督、音楽を担当する。脚本は盟友の岩井俊二、もともとはプレイワークスの作品で一度頓挫し、小林武史が監督ということで主演は赤西仁主演で発表された。
僕は一応プレイワークスメンバーに入っているが聞かされたのは発表の前の日に来たメールだった。まあ、僕は戦力ではないので仕方ないが。
彼らのもう一人の盟友である脚本家・北川悦吏子初監督作「ハルフウエイ」http://halfway-movie.jp/では岩井・小林両氏はプロデューサーを務める。というように岩井・小林・北川のトライアングル、映像作家・音楽プロデューサー・脚本家というその世界での評価が高い三人は繋がっているというか恐らくは仲間意識、あるいは共犯関係であると思う。
小室哲哉にそういう仲間と言うか同世代で一緒に信頼できるクリエイターがいたのか?いたとしたらその仲間は彼に金を儲けることではなく作品を創る事をさせれなかったのか?という疑問があるけど。
僕らの思春期に嫌と言うまでに浴びせられるように聞いた小室作品。今でもカラオケでH jungle with Tの「WOW WAR TOGHT」を歌う僕にはなんだかな寂しいなあという気持ち。90年代の反復のような00年代の最後で90年代に旺盛を極めた人が明らかに失敗してしまったことは何らかの意味を持つし、ある種の90年代が終わったような気もする。
小林・小室両者の今の状態がなんだか対極過ぎて何か凄い。浮気をしまくろうが、教授こと坂本龍一のように世界中に子供がいようが(聞いた話だとかんなりいるらしいけど、養えるから問題ないとは思う)作品を創り続けることがクリエイターとして世界とコミットすることだし、そこを忘れたら失敗に向かってしまうのかもしれない。
まあ天才と呼ばれる人がいくら子供をいろんな所で作っても子供は平凡にしかならないだろうけど。野島伸司作品「世紀末の詩」での天才は子供に平凡を無意識に求めるから平凡な女を選ぶと言うのはそうだと思うんだよなあ。天才ってある種の異常者だから稀にしか出て来ないし、遺伝的なものなイメージがないんだよなあ。
クリエイターの遺伝子は作品によって、子供ではなくて他者に作品を通じて伝わるものだと思うし、そのクリエイターの魂が作品を通じて観たり聴いたり感じたりした者へ伝わるものだと思う。黒澤明監督の遺伝子は世界中に広まっているように。
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