家の近所にTSUTAYAができていた、いるのか?
という疑問はあるが本を買いに原付走らせて3分程度のとこにあった。
ロードサイド化で大資本の店舗が地方には溢れ返っていてという現実にようやくリアリティを感じながら浅野いにお「世界の終わりと夜明け前」を購入してiPodで「episode V featuring Kj」を爆音にして原付で走った。ロードサイド化でかつてあった景色はなくなっているというのは仕方ないことでミスチル「ランニングハイ」の歌詞のまんまだなあって。
原付で好きな音を聴きながら通りすぎる景色の中を走ると浅野いにお「ソラニン」の種田みたいになんか泣きそうになる。
泣くと事故るのでなんか叫んでスロットルを上げる、スピードが上がるとドライアイの目がさらに乾いてくる。
夕方の瀬戸内海放送(テレ朝系列)見てたら岡山出身の小説家・岩井志摩子がコメンテーターで出てた。地味に地元で稼ぐなあと思うけど、この人には珍しくエロい発言もしなかった、夕方だからか?
CMがめっちゃ地方色強くて地元にいる感じ。なんかのCMで元ミス日本91って出てるおばさんがしてるのがあって、約二十年前のミス日本って!
「世界の終わりと夜明け前」には最近スピリッツに載っていた「東京」も入っていた。その作品を読んで感想をブログに書いたらフリー編集者の藤原さんから君は東京に関して妄念のような想いがあるねと言われた。たぶんあるし、浅野いにおに惹かれるのはそういうのを描いているから。
「夜明け前」の小説家はどう見ても古川日出男氏だ、と思う。だってABC六本木で見たまんまだし。浅野いにお氏もファンかな。
短編集読むと浅野いにおがつげ義治に影響を受けたというのがなんとなくわかるような気がする。
どうしようもない青臭さとか勝手に進んでいく女の子とか置いていかれる男の子とか昔の彼女とラブホ入ってもできないやつとか会社首になって放浪しちゃうお父さんとかあたしは使い捨てのオナカップじゃないってーのって酒飲みながら叫ぶ女の子とかいつかの私からの手紙を読むいつかの私とか読むとわかる肌触りが多くの人から支持されているのは読む側にある種の空気感を共有できているから。
傷つきやすくて他人との距離感に敏感なゼロ年代の空気感を描いている漫画家だと思う。
中村一義の曲がすごく合うんだなあ。
TSUTAYAで小中の同級生に会うこともなく、短編集の「東京」のようなセンチメンタルな気持ちにはならない。
昔好きだった女の子とかに会っても恥ずかしくて何にも言えないのか、普通に話せるのかはそういう場面にならないとわからない、でもそういう女の子はどんな女性になっているんだろう、かと少しは気になるけどわからないままだ。