『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』

　奇妙礼太郎の新バンド『天才バンド』のアルバム『アインとシュタイン』を聞きながらブログを書いている。やっぱり『天王寺ガール』はとても素晴らしいなと思う。

天才バンド / 天王寺ガール【Live at LIQUIDROOM 2013.12.10】

　朝ツイッターで流れてきた画像。
　Kurt Cobain visiting William S. Burroughs.

　この二人って会ってたんだ！という驚き。

　月曜日なんで『週刊ポスト』で連載の樋口毅宏さんの『愛される資格』を立ち読み。
　viva 官能小説という感じの今週ですがああやって言わせるプレイ好きだよね〜。と思う。言わせてるという少しの嗜虐的な欲望というかセックスのローションみたいな精神的な興奮とぐちょぐちょとしたものの男性側の発露というか、高まるために言わせてるような言葉。だけど官能小説にはきっとああいう台詞がいると思う。女性はどうなのかわからないけど。
　でスピリッツで新連載が始まった浅野いにお新作読んだ、おおおそこか！！月刊に書き下ろした短編の流れある。

浅野いにお新作『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』

　以前の短編『きのこたけのこ』と『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』はどちらも繋がっているような。戦前と戦争が起きるとき、とあるものたちとの戦後の物語。
　『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』ってなげえし、DDDDで4Dで略せばいいの？　どうなの？
　で、バイト終わって帰りにスピリッツ買ってもう一回読んだんだけど浅野いにおってオシャレなサブカルみたいな感じで思われているし実際にそういうファン層が多いとは思うのだけど『きのこたけのこ』は今の世間の空気みたいな嫌な感じ、戦争が起きないに越した事はないけど第二次世界大戦とかそういう祖父母が経験した戦争が起きる前の空気感ってもしかしたら近いものがあるのかもしれないって思うようなあの感じが。
　でも、そういうことを書いている自分は人を殺したくないし殺されたくないのに書く事でそれをどこかでは望んでいるのかもしれないという心の奥にある自らの悪意もやってくる。大きな物語がなくなった後の時代でフィクションとしての戦争を消費してきたから。空気というものは本当に怖い。浅野いにおの短編『きのこたけのこ』はそういうものを書いていた。
　

　『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』は一見するとSF的な世界になっている。だが、これは明らかに震災後のこの世界で生きる僕らの日常のメタファーになっている。浅野さんは明らかに意図的にこのモチーフを使っている。『おやすみプンプン』で主人公のプンプンがああいう絵で描かれたように意図的に、読者に向けてのものが凄く感じられる。
　物語は異常な情景があるという日々が続いている、非日常がもはや日常となった世界で少女たちの学生生活はまず、そこにあるからだ。
　そして、空を覆っているあれは僕に『第九地区』を彷彿させた。
　線量や空にあるあれらは見えないものと見えるもの、大震災以降の世界での見えるものと見えないものが浅野いにおのマンガの中では取り込まれているそれが『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』なのだろう、もう4Dでいいか。
　しかし、物語はどういう風に進んで行くのだろう。月曜日は『愛される資格』と4Dを読むという習慣になりそうだ。木曜日発売の『週刊文春』での博士さんの『週刊藝人春秋』が終わってしまったから手持ち無沙汰な一週間になりそうだったから。

　あと先週のスピリッツで予告されていた仮タイトル「ほのぼの夫婦」が思いっきりフェイクだったっていうねw　
http://natalie.mu/comic/news/115465

一番みじめでイヤな終わり方を、トゥルーエンドにしたかった。
https://cakes.mu/posts/5605
↑cakeの浅野さんのインタビュー。『おやすみプンプン』は『シガテラ』に近くて読者に現実見せて突きつけて終わったマンガだよな。
だから、こそ痛くてすごく自分たちの物語みたいに思えて。
思春期の終わり損ねたセンシティブを同世代で書いているのが浅野さんのマンガというのがずっとあるんだなあ。

彼女が主演で新訳『PiCNiC』作ったら世界観よさげだけどなあ。
モデルプレス − Chara＆浅野忠信の長女、魅惑の瞳で専属モデルデビュー http://mdpr.jp/photo/detail/1407340