「流星の絆」

　来年というか今後のことを考える。で、一つの方向として動いてみた。おそらくはダメなんだろうけど、捕らぬ狸の皮算用はやはりしないほうがいいのかもしれない。
　でもその方向で行ければ29ぐらいまでのビジョンが見える。見えれば30までの間も少し見えるわけだがやはり難しいよねって一人思ってしまう。

　2000年に第1巻が発売されたハロルド作石「BECK」も8年が過ぎ、いよいよ最終巻34巻が出てしまった。今月の月マガに掲載されたエディの最後の日、そしてエディとマッド、マッドの妹の関係が描かれたスピンアウトも収録されている。中学生だったコユキはギタリストとしてボーカリストとして成長した、この8年間でそれを見続けながら、感動してきた僕ら読者にとっては嬉しく、悲しいものがある。バンドは離れ、また結びつき、巨大な力にも屈せずに自分たちの音を鳴らした、いくつもの音がマンガの中で鳴っていた、ああ８年が過ぎて終わった。18だった僕はもう26歳です、成長はしたか？彷徨い続けているか？道は示されたか？望みはわかったか？
　

BECK(34) <完> (KCデラックス)

BECK volume34 Ｔシャツ付き特別エディション

　TBSドラマ「流星の絆」第一話。原作・東野圭吾、脚本・宮藤官九郎、主演・二宮和也、錦戸亮、戸田恵梨香の布陣。
　原作本を読んでいないので誰が犯人か知らないけど、まあ普通にセオリーとしては第一話に出てる誰かが犯人じゃないとダメなわけですが。宮藤官九郎というかクドカン脚本の感じは登場人物同士の会話、正確には主人公の兄弟妹の掛け合いぐらいがクドカンのテンポ、TBS10時のかつてはTBSを代表するドラマ枠だった。この時間帯をクドカンがやるようになって組んでいる磯山プロデューサーで演出は金子さん。「I.W.G.P」以降は演出は金子さんだっけな。

　振り返れば、いや完全に僕の中では重要文化財、いや青春起爆剤、あるいは人生を間違えるキッカケを作ってくれたのはTBS10時のドラマだった。野島伸司脚本×伊藤一尋での野島三部作の三部作目「未成年」によってかんなり人生の方向性を決めてしまった。思春期だったし、生と死とか未来とか考えてて、だからいしだ壱成さんが演じたヒロの叫びは僕にシンクロした、少しでもあの時の年齢がズレていたらあのキャストじゃなかったら僕は何の疑問も持たずに生きていたのかもしれない、活きていたのかわからない。

　「木更津キャッツアイ」は大きな流れを作ったし、ジャニーズ事務所から脚本・演出・プロデューサーの三人は完全に信頼されていたらしく「木更津」映画化でけっこうジャニーズがバックアップしようとしたとかしなかったとか、V6の岡田君は「木更津」以降完全に役者の方向にいったし。
　この枠で宮藤・磯山・金子とジャニーズで主演は強い、視聴率が低くてもDVDから火が点いていくし。今回は原作が東野作品でかなり固い。そして脇に三浦知良さんがいることはかなり心強い。山口百恵さんの旦那という目で見られていた当時をまったく知らない僕には、このおっさんすげえ存在感あるしいい役者さんなんだよねえ、「松ヶ根乱射事件」のダメオヤジっぷりが最高でした。

　「木更津キャッツアイ」はリアルタイムでハマって、最初の映画「日本シリーズ」はシネマライズに４回も観に行ってしまった、「ワールドシリーズ」は２回だったけど、最後のアニのぶっさんへの言葉は泣けた、号泣だった。
　っていうことじゃなくて「木更津キャッツアイ」ってサブカルを扱う本にけっこう重要な作品として出てくる、大塚英志もかなり絶賛してたなあ。ジモトというコミュニティの中で生きている彼らの姿や、死ぬことがわかってもなお今まで通りの生活を最後まで全うしようとするぶっさん、「タッチ」等の過去の作品からのオマージュ、サブカル的な要素が多い。

　実際に「木更津キャッツアイ」というドラマで現実という時間がぶっさんたちに割り込んできて、終わらないような時間（うるせえやつら　ビューティフルドリーマー的な）に終わりがあると告げたのはオジーの死だったことは実はあのドラマにおいてかなり重要だったと思う、まあオジー生き返ったり、ニセモノが化けてたりするんだけどね、その後、そこはフィクションが一気にご都合主義として出てしまう。

　過去の事件から始まって現在を描くのは同じく原作・東野圭吾「白夜行」と同じ流れだな、彼の作品は読んだことないけど、そのパターンが得意な作家さんなのかな。
　「流星の絆」はあれっ？戸田恵梨香のコスプレはなんだサービスシーンか？あのホストから金を取り戻すシーンは原作にないよな、きっと。あるのか？けっこうクドカンの悪ふざけの感じだけど、まあクドカンの脚本には絶対にいるシーンだけど原作ファン受け入れるのかな、あれを？とりあえず今クール見るのはこのドラマぐらいかな。

流星の絆