Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「月に繭 地には果実」

 十三日の金曜日、一度昼間に目が覚める。洗濯物を一度中に入れて朝方走り終わってから西友お好み焼きの粉を買っていたので久しぶりにお好み焼きを作る。最近牛角のキャベツのたれを買ってキャベツを食べていたのでキャベツが余った。のでキャベツを使う料理と言えばでお好み焼きぐらいしか思い出せなかった。


 お好み焼き粉に卵にキャベツに豚肉にシーフードの冷凍を解凍したのをいれて混ぜて焼くのみ。うちはガスコンロなくてIH調理器が一台のみなので焼けてきたら、唯一の課題と言うか問題はひっくり返すこと。昔からたいした料理はできないがこれに関してはほぼ失敗しない。空中に半焼けのお好み焼きなりかけを飛ばして一回転、でも360度じゃないから半回転か、180度回転。あとは焼くだけで混ぜてから十分ぐらいで出来る。そう考えるとなんてラクチンな料理だろう。


 キャベツ多めにしたらけっこうな健康食な気もする。だけどおたふくソースとマヨネーズがないと味気ない。でも、ご飯を食べないでお好み焼きだけで一ヶ月過ごしたら痩せそうな気がする。基本キャベツ多めで後は中の具材を変えるとかしたらよさげ、最悪おたふくソース使わないでだし汁みたいなのをかけて明石焼のお好み焼き版にすればカロリーも抑えれそうだし、まあ言うのとやってみるのはだいぶ違うことだけども。


 その後うとうとして寝てしまった。目覚ましは七時ぐらいにセットしたけど気付かないで十一時過ぎまで。本来は池袋の東京芸術劇場前で「快快」がやる快快のGORILLA『 オープニングレセプション 』を観に行こうと思って休みにしたのに寝過ごしてしまった、もったいないというか残念な自分感。


 快快のGORILLAは開催日:毎週金曜日(11/13、20、27、12/4、11、18)らしいので一度は行けそうだ、昼間なら行けるし、ああでもリムジンから降りてくるGORILLAは観たかったなあ。

 
 寝起きに見ていた夢は、その事に関連していた。少しずつ見ていた夢の時間から経過していくので手のひらで救い上げた砂がどんどん零れ落ちていくみたいに忘れていく。だから曖昧な記憶を記録。夢の中で僕はメールで起きて、あんまり人がいないからおいでよと言われて池袋に、しかし時間的に間に合わないぐらいの時刻だった、夢時間で。
 しかしながら池袋に到着、その後何でか十数人でコンビニにいる、僕ら、しかし他の人に面識はないし快快のメンバーらしき人もいない。僕はそのコンビニでなぜか米を炊いていた、パックのご飯をチンするのでもなく、炊飯器がなぜかあってコンビニ内でご飯を炊いている、そしてみんなでそれが炊けるのを待っていた。そして炊けると同時に目が覚めたら十一時を過ぎていた。


 もう終わってる時間だった。部屋は静まり返って真っ暗闇でとりあえずテレビを点けたら「Aスタジオ」がしててゲストが「大人計画」の阿部サダヲさんだった、主演映画の「なくもんか」のプロモーションだろう。前作「舞妓Haaaan!!!」のある種のくだらなさは好きなので、監督・脚本・主演トリオが一緒なので観に行こうかな。
 僕がクドカン熱が冷めた感じがこの数年あるのは「木更津キャッツアイ」にあまりにも熱狂的に好きだったのと、「日本シリーズ」は劇場に四回行ったし、「ワールドシリーズ」は二回しか劇場に行かなかったけど最後のアニがぶっさんに言った発言で号泣した。のとその後の「タイガー&ドラゴン」においてはクドカンのキャリアの中でもこれをそうそうに越えれないと思える出来だったから。
 まあ「流星の絆」の脚本もよかったんだけど「タイガー&ドラゴン」は古きTBSのホームドラマ的なものと古典落語を今の時代にリミックスして成功したから彼の作品の中でも逸脱してよいと思う。


 ゼロ年代を代表する脚本家は宮藤官九郎だ。他にもヒット作を飛ばした人はいるけど、一般的に、業界とか詳しくない人が知っている脚本家では彼がこの十年で一番知名度があって(90年代からいる人ではなくてこの十年で出てきた脚本家として)、ヒット作を飛ばした人物。視聴率はよくなくても再放送が繰り返されて映画化され、DVDが売れたという放送時にブレイクしていなくてもその後に雪だるま式にファンが増えていったのもネット時代と呼応している特徴があった。

 
 佐々木敦氏「ニッポンの思想」では論客が80年代/4人:90年代/3人:00年代/1人(東浩紀さん)/10年代/0になる?とあり、思想のプレイヤーの数↑は編集者の数と比例する。というのがあった。90年代だとcharlieの師匠である宮台真司福田和也大塚英志の三人と僕もわかる人たち、大塚さんの著書しか読んではいないけども。
 で00年代が東浩紀さんの一人勝ちで脚本家はクドカンの一人勝ち、と考えるとテン年代は脚本家は誰も一人勝ちしないな。 90年代の脚本家だと野島伸司三谷幸喜北川悦吏子だろう、僕が思うには、ならば三人だ、数は符合する。


 いや、強引に符合すると時代を代表する論客と時代を描く脚本家の数は一致するかもしれない。思想のプレイヤーの数と編集者の数は比例する、ならば脚本家とプロデューサーの数は比例するか? この辺りはどうなんだろう、実験的なことをするプロデューサーの数は90年代よりも増えているのか減っているのか。符合するとマジでテン年代を代表するほどの脚本家はゼロだ。


 となんとなくノリで「ニッポンの思想」と絡ませて書いてしまった。起きてから僕は雨の中、ツタヤへ。終電間際か終わったのかぐらいだと客がかなりいる。AVコーナーに入っても人が多くて狭いので借りる気がしない。
 別にザーメン臭いとかいうわけじゃないが僕を含めてアダルトコーナーにいる連中全てが人と言うよりもなんか一つの精子みたいな感じがしてくる、まさしくコントみたい。でも真剣に物色している感じとかは自分を含めてアホっぽい。とイメージしてしまうのは昔大竹しのぶ×松尾スズキの二人演劇コント「蛇よ!」を見たからかもしれない。


 「蛇よ!」の一つのコントで大竹しのぶさんが全身白タイツで頭にはしずくみたいなかぶり物をして「精子」役を演じてたのがあまりにも印象的すぎて、このコントは面白すぎたし、構成も巧みだった。大竹×松尾の舞台は大人計画の「女教師は二度抱かれた」でも実現したけどあまりにも狂気≒驚喜を観客の内部に突き刺す。


 で、やっぱりAV借りるのは朝だなと思った、やっぱり静かに選びたいものです。その後本屋で「曲げられた真相」というミステリーのアンソロジーを手に取る。著者は平山夢明連城三紀彦石持浅海古川日出男森谷明子あせごのまん道尾秀介と豪華。
 平山夢明「独白するユニバーサル横メルカトル」は2006年日本推理作家協会賞短編部門賞を受賞してて同名タイトルの作品集にて、2007年度『このミステリーがすごい!』国内部門一位というので前から読みたかった。
 古川さんの「マザー、ロックンロール、ファーザー」は今気付いたけど「ロックンロール七部作」に収録されているな、このエルヴィスに関する短編は。で道尾さんの「流れ星の作り方」も「花と流れ星」という短編集に収録。アンソロジーの恐ろしいのは持っている本に入っている事が多々あるということ。


 河出のメールマガジンによるとアンソロジー集『ひと粒の宇宙』に古川さんの掌編「あたしたち、いちばん偉い幽霊捕るわよ」が収録らしい、読んだ事ありそうな、ないような、書き下ろしならないが、どっかに載ってたら読んでそうだ。あと「LOVE」が文庫化で2010年の完全版「LOVE」として出るらしい、やっぱり「MUSIC」刊行に合わせて前作にあたる作品が文庫化なのか。しっかし、古川さんは働いているというかどんどん作品を世界に出していっている、すごい攻撃姿勢、拳銃を一発打つよりも何丁も持って狙い定めて連続で撃ち続けている。散乱銃ではないんだよな、たぶん、一発に集中してるけどそれを何丁も持って連続して休まないで撃っている。


 ぶらぶら本屋を歩いていると前からやけに気になっていた「機動戦士ガンダムUC」という小説を一気に五冊買ってしまった、十巻まで出ているから半分まで。角川コミックエースの本のサイズで出ている、書いているのは「終戦のローレライ」「亡国のイージス」などの福井晴敏さんで彼は以前に「ターンエーガンダム」の小説でのちに「月に繭 地には果実」として出たのも書いている。


MAD ターンAガンダム「月の繭」台詞つき


 この「機動戦士ガンダムUC」はアニメ化するらしい、福井さんがアニメ監督富野由悠季のファンで実現した小説で、かなりリスペクトしているらしい。アニメで全話見た「ガンダム」は「ターンエーガンダム」ぐらいなんだけども、「ファースト」「Zガンダム」は最終回前に頓挫。「Zガンダム」に至ってはカミーユどうせ壊れるんでしょと思ったらまるで見る気がしなくなった。


 「機動戦士ガンダムUCユニコーン)」は「俺がやらずに誰がやる」という心境であるらしい。また福井本人が2005年10月号のガンダムエースで「ガンダム誕生30周年の2009年には映画化したい」と発言。福井自身はインタビューにおいて、宇宙世紀作品では避けて通れないと言えるニュータイプ論に対する自分自身の回答と、『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙』のラストメッセージに対する答えを出すことが、作品のメインテーマであると語っている。独立したひとつの作品としてのエンターテイメント性と、旧来からのガンダムファンを狂喜させるような、マニアックな設定からの引用が各所に盛り込まれているのもひとつの特徴である。とwikiより。


 あんまり「ガンダム」知らない僕でも楽しめるのか、と思うがとりあえず五巻まで。実は僕が最初に「ターンエーガンダム」に興味を持つきっかけになったのは福井さんが「月に繭 地には果実」というタイトルで「ガンダム」小説を書いているのを知ったからだった。その後菅野よう子さんのサウンドトラックをアニメを見る前に見たらすごくよくてアニメを見るという逆転的な見方をしたんだけど面白かった。

 アニメは見たが未だに「月に繭 地には果実」は読んでないけど。講談社BOXで出たから買おうとしたら小説入れる箱がボコボコだったから買わないままに。本屋で折りたたみの傘を雑誌の上に置いてたやつは帰りに滑って転けたらいいのにとマジで思う。

木更津キャッツアイ 5巻BOX [DVD]

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タイガー & ドラゴン DVD-BOX

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ニッポンの思想 (講談社現代新書)

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ターンAガンダム 月に繭 地には果実(上) (講談社BOX)

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ターンAガンダム 月に繭 地には果実(下) (講談社BOX)

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∀ガンダム ― オリジナル・サウンドトラック 1

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