Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「好きです! パンク! 嘘です!」

likeaswimmingangel2009-02-25

「好きです! パンク! 嘘です!」のコピーは巧いと思います。そんなわけでようやく観に行ってきました宮藤官九郎監督「少年メリケンサック」を。 去年エキストラに行ったりしたので微妙な思い入れがあるのですが、渋谷でチケ屋二件回って前売り券なかったので諦めて一般で入りました。


 朝一の回に行ったけどわりと客はいたかな。始まる前にトイレ行こうと思って館内から出ようとしたら一番後ろの席にGLAYのJIROが女と座ってました。シガーロスの国際フォーラムの時はTERUがお付きの人とフォーラムの写真を撮っているの見たけど、なんだもう二人見てGLAYをコンプすりゃあいいのか。


 宮崎あおいの可愛らしさが満開でしたね。そこだけが救いのような気もしなくもないのですが。 中年のおっさんバンドと全国ツアーを回ることになったレーコード会社の契約社員のかんなとのある種のロードムービーです。


 田口トモロヲさん演じるボーカルのビリーは二十数年前の解散ライブで負った後遺症で最初は車いすに乗っていて呂律もろくにまわっていない。これを見て大槻ケンヂ「ロッキンホースバレリーナ」を思い出しました。そういうキャラクターが最後のほうに出てきたので。


 宮崎あおいが「ロッキンホースバレリーナ」のゴスロリのファッションのリスカメンヘルでビュジュアル系の追っかけのヒロインを演じた方が面白かったかもね、脚本は宮藤官九郎でさ。


 けっこう笑ったりしたし、他の人が笑ってないとこでも笑ったんだけど宮藤作品にしては展開がテンポが悪かったように思いました。時間が長く感じてしまった。
 監督第一作の「真夜中の弥次さん喜多さん」観た時になんとなく思ってたけどこの人の脚本能力は素晴らしい、このゼロ年代を代表するものだけど監督としては向いてないんじゃないかって改めて感じた。


 「GO」「ピンポン」「アイデン&ティティ」「舞妓Haaaan!!!」と好きな作品は脚本だけだもんな、監督は監督でいるし。
 「木更津キャッツアイ」は別格です。このドラマ、映画二作が持つ意味は他の作品とまったく違う。失われた十年とか終わりなき日常とかそういう九十年代的な発想の向うへ突き抜けた作品だったから。同時代を生きている僕らにとって彼らキャッツはまさしく友人だった。


 「少年メリケンサック」はある種の兄弟の話でアキオ(佐藤浩市)とハルオ(木村祐一)の兄弟が主軸。ジミーとヤング(三宅弘城)はけっこう脇役でエピソードも少なかった。最後のライブシーンでおいしいとこを持って行ったと思っていたマサル勝地涼)も映画の流れでは僕が行ったライブシーン前でおいしいとこをすでに出していた。まあ、おいしい役には違いないが。


 あとピエール瀧さんが少年アラモード時代のマネージャー時代の頃のオーバーオール着ている姿がアンタッチャブルの山崎にしか見えねえ!

 思ったより峯田君が暴れてませんでしたね。銀杏メンバー全員出てたし、SAKEROCKも全員出演で、JAPAN-狂撃-SPECIALもって音楽がZAZEN BOYS向井秀徳、This is 向井秀徳です。どんだけバンドマン出てるんだっていうぐらい、まだ数名出てますけどミュージシャンが。


 SAKEROCK星野源大人計画に所属で「去年ルノアールで」でも主演で、劇団の主宰・松尾スズキ作・演出「女教師は二度抱かれた」でも出てて好きな感じで、浅野いにおソラニン」映画化で、頓挫したのか新しい話を聞かないがコミュニティとかでは種田は星野源って意見がわりと多くて僕も同意してたが、今日観てなんかやっぱり種田じゃないよなって思った。


 なんだろうなあ、好きなタイプの映画だけど今の自分のモードに合ってないのか。まあ、「デトロイトメタルシティ」もメタルさがなくてポップだったけど、この作品もパンクって言ってるけどポップな作品でしたね。


 宮崎あおいのスーツスタイルは萌えな感じです。でも宮崎あおいはきっとコメディエンヌ的な女優じゃないのかもしれません。 「のだめ」の上野樹里の方がやっぱりコメディエンヌの才能はあると思う。


 クドカン脚本の映画は「カムイ外伝」「鈍獣」「なくもんか」の三本が待機中みたいです。「鈍獣」はもともと舞台作品だったので少し期待してます,浅野忠信さんが出てて予告してたけど以前観た「SURVIVE STYLE5+」的な匂いがしてました、ある意味危険。「なくもんか」は「舞妓Haaaan!!!」の監督・主演・脚本トリオが再結集な作品みたいです、エキストラ募集してました。


http://www.nakumonka-ex.com/


 出演者は阿部サダヲ瑛太竹内結子塚本高史陣内孝則伊原剛志いしだあゆみらしい。


 とりあえず、この数ヶ月で観たい映画は「花の生涯梅蘭芳〜」「フィッシュストーリー」「スラムドッグ$ミリオネア」「PLASTIC CITY プラスティック・シティ」とかですね。


 久しぶりに映画に出た安藤君が観たいので普段観ない中国映画「花の生涯梅蘭芳〜」を観に行く。「PLASTIC CITY プラスティック・シティ」はオダギリジョーが主演のブラジルが舞台のやつで、「フィッシュストーリー」は伊坂幸太郎原作のやつ。
 アカデミー賞の作品賞取った「スラムドッグ$ミリオネア」はマイミクさんのTRiCKFiSHさんが試写会で観て凄く良かったと日記に書かれていたのと監督がダニー・ボイルなんで観たい。


 帰りに本屋に行ったら野島伸司スコットランドヤードゲーム」が文庫になっていた。それとつげ義春全集五の「紅い花/やなぎ屋主人
」を買う。


 「スコットランドヤードゲーム」はラブファンタジーと言った所で映画化したらいいのにと思ってはいたんだが、しないな。
 登場人物三人の名前を取って「アンズタルトクッキー」の物語、杏と樽人と久喜の三人を繋いで。


 野島伸司小説の中では一番読みやすい作品。今放送中の「ラブシャッフル」とは内容は近くないかな。この小説は僕みたいな人間が読むと泣きます、あんまりいないだろうが。


 映画化するなら、樽人は山田孝之、杏は宮崎あおい、久喜は安藤政信さん。ハードカバーで出て読んだ時にイメージしたのがそのメンツだったから、でTBSが出資して野島脚本の演出の土井裕泰さんが監督でいいと思うんだけど、彼は「いま、会いにゆきます」の映画で監督もしてるし。山田・安藤の事務所のスターダストプロモーションも金出せばできるだろ。


 とか勝手に思ってるけどこの小説はすごくいいです。解説が「いま、会いにゆきます」の原作者の市川拓司さんだった。「ラブシャッフル」が低視聴率だから局は金出さないだろうけど。「いま、会いにゆきます」はTBSとスターダストと小学館が制作委員会なんだけど、「スコットランドヤードゲーム」も小学館なんだよなあ。


 あと、The ViewのDVD付きのセカンドアルバムをようやく買いました。確かにセカンドなのに劇的な変化はないけど聞きやすいし、カントリー?的なというか優しい音だったりもするし、長期的に聞くことになりそう。
 でも彼らを聴いていたらやっぱり彼らが出てきた背景にいた電光石火で駆け抜けたバンドThe Libertinesの存在を改めて思い知る。


 The Libertinesはベスト出てるけど、オリジナルアルバムは二枚なんでそっちを買ってもいいし、ベストである程度は網羅できる。僕らの世代に鳴り響いて空中分解した流星、それがThe Libertinesだった。その光りが後世のUKロック勢の台頭するきっかけだった。ニルヴァーナに間に合わなかったけど、彼らにぎりぎり間に合ったことは僕らの幸運だった。そう言えるバンドはThe Libertinesだけだ、海外のバンドでは。


 こいつらの自伝を映画にしたらパンクもロックも含んだ生き様が世界中にバラまかれるのに。生き様はロックンロール&パンクス、だから眩しくて一瞬のうちに消えた。
Don't Look Back into the Sun live The Libertines

ロッキン・ホース・バレリーナ (角川文庫)

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スコットランドヤード・ゲーム (小学館文庫 の 2-1)

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つげ義春コレクション 紅い花/やなぎ屋主人 (ちくま文庫)

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フィッチ・ビッチ?~超スペシャル・エディション(DVD付)

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リバティーンズ宣言

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リバティーンズ革命

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