Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「ぼくらの七日間戦争」

 バイト中、ふと床を見ながら考えたのが、今のこの時代かつて小学生だった僕がテレビの金曜ロードショーとかでしていて観て興奮していた「ぼくらの七日間戦争」はどうやればいいんだろうということだった。
 アイドルだった宮沢りえが青春ど真ん中で溢れんばかりの、まあ光り輝きすぎてかわいいすぎた頃に出ている作品だ。

 
 僕の家には僕が中二になるまでビデオデッキというものがなかったので、ビデオで映画を観るということはできずにテレビで放送されるロードショーでしか映画を観れなかった。幼い頃の僕が毎回放送する度にいつもよりもがんばって起きて観ていたのが「グーニーズ」と「ぼくらの七日間戦争」だった。
 子供心にはドキドキする冒険ものというのに憧れるわけで、こんなことしてみたいと思ったものだ。
 実際は近所の山の中にある洞窟みたいなとこに行ったりするぐらいだったが、そこは小学校の先輩がかつて遊んでたらしくエロ本やがんばって吸ったであろう煙草のカスやお菓子のゴミが落ちていた。


 「ぼくらの七日間戦争」は確か校則の厳しい学校(スカートの長さを計られたりとかetc.今ではおそらく壊滅し天然記念物な規則だろう、僕は実際にそんな学校聞いた事はないが世の中にはあるにはあるだろうが)の生徒たちが先生を相手に抵抗するお話だった。
 最後の方には戦車を見つけ、その戦車によってハッピーエンドな終わり方をした。今考えるとありないが。
 角川映画だったはずなので「戦国自衛隊」とかそういう映画で使った戦車の二次利用ってことを聞いた気もするけど。
 

 もし今こういう映画やお話を作るには、もう自由がありふれている。
 生徒が抵抗するようなお話にリアリティが存在するかといえばそうではないし、あの時代と比べると冷めているといわれる子供の方が多いはずだ。それはあまりにも多くの情報が飛び交いすぎて経験する前からネット等で見てハマることもなく、「そういうのってサムくない」とか「なんとか病だよ」みたいな態度になってしまう可能性が高いんじゃないかなとか。


 だとするとそういう冒険に向かわすような好奇心を刺激するような物語ってどんなんだろう。
 僕らが幼い頃よりは今の小学生の方が世の中を知っているだろう、情報が錯乱しすぎている、自由が溢れんばかりだし、大人が大人になれずにずっと子供のままな世界で。


 そう考えるとやっぱりどこかしらリアリティは感じさせるけどファンタジーの要素がないとダメなのかもしれない。
 だから外国映画でRPGのもとになったといわれる「ロードオブザリング」とか「ナルニア国物語」みたいな完全なるファンタジーが世界中でヒットしているのかもなあとぼんやりと思った。もっと日本の中でもリアリティがあるファンタジーな物語が出てこないものだろうか。

 あっ、だから宮崎駿作品はヒットするのかもしれない。
 まあ、あの人の世界は通過儀礼とか14歳や17歳を越えること、名前を失って名前をまた得るとか、昔は元服したら名前は変わった様にと民俗学的な要素を取り入れている。
 子供が大人でなれない世界で、通過儀礼的な物語をみんながそういう意識を持たないで熱中的に観てしまうのはやっぱり儀式が失われたことへ無意識レベルで求める作用が働いているのかもしれない。
 

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