Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『新感染 ファイナル・エクスプレス』


 『新感染 ファイナル・エクスプレス』鑑賞。なんなんですか、『コクソン』『お嬢さん』といいこのクオリティはさ。娘いたらあと八倍ぐらい号泣したと思うわ。『ダンケルク』もだったけど極限状態に置かれた時に他人と自分の尊厳や生きようと足掻く時に起きうること、不条理しかない場所で自分はどう振る舞えるのか。僕はきちんと振る舞えないゲスな行動をしてしまいそうで怖いし。
 『ダンケルク』は期待値が上がりすぎたのと物語性をできるだけ排除していてる。『新感染』はパニックものをエンタメできちんとしてるし、親子や恋人、夫婦に姉妹ていう関係性を描いてるから強い。周りがどんどん号泣していく波状効果。葉加瀬太郎みたいなおっさんよすぎるやん。『三度目の殺人』『幼な子われらに生まれ』とかこのところ「父性」にまつわる作品が多い。
 『スパイダーマン:ホームカミング』『幼な子われらに生まれ』『三度目の殺人』『新感染』とこの所観た映画は「父性」について描いていた。『スパイダーマン』以外は父と娘の関係性における「父性」だった。『スパイダーマン』は少年がいかに「大人」になるかということを描いた作品なので他とは違う。父と息子ではなく父と娘っていうのが今世紀的なのか、今たまたまそういう主題のものが公開されているだけなのか。父と息子だとオイディプスコンプレックスという物語の基本構造が使われちゃうけど、それを避けてるような。なんかそういうことがあったりするのかなあ。