Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『ララランド』とか

最近観た映画メモとして。


『ララランド』
前評判が良すぎたこともあるのかもしれない、あとこの監督の前作『セッション』もどうも好きになれなかったのだけど、その辺りのことは菊地成孔さんが書いているように最初にドカンと強めのドラッグで観客をフラフラにさせてそのまま持っていくというところが僕には合わないのかもしれない。だって、脚本自体は大したことはない、あの二人ラスト近くで再会というかそれぞれの人生がみたいになるけど、どのくらい付き合って別れたのか、その理由は夢が二人とも叶ってるならよくね?と僕も思ってしまった。この舞台のLAに行ったけど、メルマ旬報で書くネタ用としてね。



『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』
前に予告で観て西川美和監督『永い言い訳』にシチュエーション似てるなって思ったけど、こちらもちょっと疑似家族的なもので癒されて再生していく妻を失った男の話。こちらも『永い言い訳』同様に妻を愛してなかったと悩むわけだが、うーむ、最初から愛なんてなかったんだよ、ただ二人は恋をして結婚しただけだという『世紀末の詩』の教授の娘の台詞がよぎる。失ってからでは遅すぎるが、失わないとわからないということだけはどうしようもない。この映画は再生の手前に破壊があって、そこが映像的に見応えがあって、ある美少年が出てくるが彼は何年か後にスター俳優になってそう。



バンコクナイツ』
空族の最新作。『サウダーヂ』では日本の郊外を描いたが、今作ではバンコクラオスディエンビエンフーなど戦争と歴史をも物語の中に導入されていく、日本との関係を描いている。強き女たちとどうしようもない男たち、映像も魅力的で3時間を超えるが物語として強い。やはり「移動」というキーワードがネットで検索できるようになり簡単につながってコミュニケーションが撮れる時代には大きなものになる。世界に追いつくのではなく、真逆に向かうためでもなく、今を見据えるために「移動」することが重要になってくるんだろう。特に同じ場所に留まらないとできない仕事ではないのなら、物語やなんかを作るような人たちは特に。