Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『何者』


『MONKEY』最新号は特集「映画を夢みて」、西川美和監督『永い言い訳』の原作小説の解説が柴田元幸さんで、なんの繋がりなんだろうと思ってたけど今号に西川さんの短編とインタビューがあった。なるほどね。




監督・脚本:三浦大輔
原作:朝井リョウ
企画:川村元気
出演:佐藤健(拓人)、有村架純(瑞月)、二階堂ふみ(理香)、菅田将暉(光太郎)、岡田将生(隆良)、山田孝之(サワ先輩)ほか







物語・「桐島、部活やめるってよ」の原作者として知られる朝井リョウが、平成生まれの作家として初めて直木賞を受賞した「何者」を映画化。就職活動を通して自分が「何者」であるかを模索する若者たちの姿を、佐藤健有村架純二階堂ふみ菅田将暉岡田将生山田孝之という豪華キャストの共演で描いた。監督・脚本は、「ボーイズ・オン・ザ・ラン」「愛の渦」といった映画でも高い評価を得ている演劇界の鬼才・三浦大輔。演劇サークルで脚本を書き、人を分析するのが得意な拓人。何も考えていないように見えて、着実に内定に近づいていく光太郎。光太郎の元カノで、拓人が思いを寄せる実直な瑞月。「意識高い系」だが、なかなか結果が出ない理香。就活は決められたルールに乗るだけだと言いながら、焦りを隠せない隆良。22歳・大学生の5人は、それぞれの思いや悩みをSNSに吐き出しながら就職活動に励むが、人間関係は徐々に変化していく。



 三浦さんが監督してる作品はどうも合わないという再確認になってしまった。
 僕は就活をしたことがないので(あるいはずっとしてる)、就活生時分に感じるであろう気持ちにリアリティーないんだけど、あのマウントとかカーストな感じは僕ら世代の時にもあったんかなあ、ネットやSNSが普及してみんな多重人格化してレイヤーをわけれるようになったことが乖離を肥大させてんのか。菅田将暉が演じたやつみたいに僕もある程度は就活のやり方は上手くできるんじゃないかって思ったりしたけど。
 原作の小説、朝井リョウさんの作品は読んだことがないので映像化にするにあたってどう変わったのかはわからないんだけど、おっさん世代が見て今の若者ってこういう感じなんでしょ、とかこういうことになってるんだねえ〜みたいな感じがどうしてもしてしまう。彼の小説の評価の一部もどうしてもそこの部分はある、だって文壇のトップはおっさんやおばさんばっかりだから、新しい世代を受け入れるか否定するか、物珍しさはそれなりに重宝されるだろうから。
 ただ、小説とかではなく、監督の三浦大輔さんの映画作品は3つで舞台も『母を欲す』を観ているんだけど何かが合わない。生理的嫌悪でもないし、これはなんなんだろう。リズムが違うのか、僕が好きなリズムではないということは大きそうだ。リズムとは文体、文体とは言葉、たぶん、無意識で合う合わないというのはあるのかなと思ったり。


 衣装は伊賀大介さんだった。『ふきげんな過去』『SCOOP!』も伊賀さんだったから二階堂ふみ出てたら伊賀さんなイメージが今年はある。大塚英志さんの『感情化する社会』に小説『何者』がカースト小説で取り上げられてたから、気になってたからということと今年はヒット作連発な東宝だし、企画が川村元気さんだったからチェックしとこうと思ったのが観た大きな要因だった。就活生にはリアルに感じられるのかなあ、どうなんだろう。
 今月はあとはどちらも原作小説を読んでいて、共に監督が小説を書いていてその出来も素晴らしかった『淵に立つ』と『永い言い訳』が楽しみ。