Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『知らない、ふたり』


監督・脚本/今泉力哉
出演/レン(キム・レオン)、青柳文子(小風秋子)、韓英恵ハン・ソナ)、ミンヒョン(ナム・サンス)、JR(ユ・ジウ)、芹澤興人(荒川巳喜男)、木南晴夏(幸田加奈子)ほか







「サッドティー」「鬼灯さん家のアネキ」などを手がけて注目される今泉力哉監督が、韓国の人気男性グループ「NU'EST」のレンや、女性ファッション誌でモデルとして活躍する青柳文子らをキャストに迎え、今を生きる等身大の男女の複雑な恋愛模様を描いた群像劇。人との接点を避け生活している靴職人見習いの韓国人青年レオンは、ある日、公園で酔っぱらった女性ソナに絡まれるが、それからというものなぜか彼女のことが忘れられない。一方、レオンと同じ店で働く日本人女性の小風は、密かにレオンに思いを寄せていたが、そんな小風に、ソナの壊れた靴を直しにきた客サンスが一目ぼれする。7人の男女の思いが絡み合い、それぞれが一歩踏み出したことで物語は思わぬ方向へと進んでいく。(映画.comより)



 新宿武蔵野館で初日鑑賞。今泉さんの『サッドティー』の雰囲気が好きな人は間違いなく好きな作品。NU'ESTのメンバーが出演している。登場人物たちそれぞれの想いの方向がボタンの掛け違いのように、連鎖している。台詞の掛け合いが面白い。
 青柳文子演じる小風とミンヒュン演じるナム・サンスのとあることがあってからのやりとりは笑った。自分の想いと相手の想いなど違っていて当然だし、ズレている。そのズレがある関係性と台詞の温度というか雰囲気を今泉さんがやるとこうなるっていう。
 登場人物の関係性がそれぞれに関わりがあって大きな世界での物語はない、半径何キロかの世界だったりもする。その中で想い、好きだという気持ちがあっても相手には好きな人がいてというハチクロ的な登場人物総片思い状態な関係に近い。自分が誰かを好きなように、自分が好きな相手も誰かが好きだということを知る。自分の気持ちをうまく伝えても成就はしない恋、だけど気持ちは簡単に冷静さを持てない。だから、時には素晴らしい奇跡みたいなことも起きるし嫉妬や裏返ってしまって悪意になってしまって絶望を呼んできてしまったりする。
 いい雰囲気が漂っている、台詞の掛け合いがいいなって思える映画でした。



『咲いて』
君の片思いが実ってしまったらそこから芽が出ていつか花が咲くのだろうか
咲いた花はどんな色をしてるんだろう
君と片思いの誰かの関係性と日々の生活によってその花は成長する
僕はそれをどんな気持ちで見ればいいんだろう
その美しく咲くであろう花を僕はキレイだなと言えるだろうか
いや茎から折って花をちぎってしまうことはないだろうか
だからどうか花が咲いたら僕に見せないで
僕が忘れてしまう頃に咲いていて