窪美澄×柚木麻子『美澄の小部屋』vol.3

　昨日、28日夜は下北沢へ、ざわざわ、雨がザーザーと。B&Bにて窪美澄×柚木麻子『美澄の小部屋』vol.3を見に。時間があったので近くのヴィレヴァンに行ってみると窪さんの最新刊『晴天の迷いクジラ』文庫コーナーが出ていた。

　終わってからの感想だと、柚木さんまだまだウォーミングアップというかアイドリングなんじゃないかな、たぶん打ち上げとか飲みで全開になるような気がした。ワンポイントリリース的に朝井リョウさんが飛び入りで窪さんが知らなかったみたいでマジ驚いてた。直木賞作家が寿司屋の出前で一瞬出てくるって贅沢すぎる使い方だし、そういうことを楽しめる人なんだろうな、あと朝井さんと窪さん柚木さんという2010年デビュー組の切磋琢磨しながらの仲間意識とライバル心故に。素敵だな。

　今、直木賞候補になっている柚木さんは『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のジョナ・ヒルに自分を例えていた。どうせ取れないでしょうから周りにいろんな豪華なメンツをアカデミー賞でキョロキョロしながら見ていた彼みたいなものだと。窪さんもオススメしていた柚木さんの小説『その手をにぎりたい』はフィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』を日本のバブルにしたらみたいな構想かららしい、そういうところから発想があるのか、なるほどなと思った。
　あと話にも出てきたカポーティの『叶えられた祈り』は読んでみたくなった。少年アヤちゃんの話もそこで出ていたが。

　イベントで窪さんが今年一番読んだ中でオススメだと言っていた伊藤たかみ著『ゆずこの形見』も読まなきゃ、なんだが浮気してる妻が出張先のホテルで死んでそこから送られた土産のカニと息子が残された夫の話らしいんだけど倉狩聡著『かにみそ』は食人カニのホラーだったし最近読んだマンガのpanpanya著『蟹に誘われて』も浮かんできて。
　なになに？　最近蟹ブームなのかと思ってしまった。『ゆずこの形見』は未読だけどその二作はかなり僕は好きな作品だった。僕は海老が好きだけど。
　『ゆずこの形見』読もうと昨日聞いた時から思ってんだけど、この何十年って父になれないことだとか妻が恋人が急にいなくなることをずっと書き続けた村上春樹へのひとつの回答というかその先の文学なんじゃないかなって思ったり。読まないとわかんないけど。

　チャリでの下北からの帰り道に傘をさしてぽつんと立っている女が見えてその視線の先を見たら男がいると思ったらその横の精肉店のシャッターを男が殴って女を見ていた。ケンカか別れ話か駅からは少し離れた茶沢通り。ムカついてものを殴る時にシャッターだと嫌な音はするし、正直そこまで拳は痛くない。それがガラス張りだったら男は殴っただろうか、どうなんだろうか。もしも、そうやってなにかについてプラスマイナスで物事を考えて行動する人もいるかもしれない。だけど商店の子供として育ったのでシャッターを殴るようなやつは別れた方がいいと思う。

This is the place
Remember me?
I'm that face you always see
You've been stuck in a lift
in the belly of a whale at the bottom of the ocean

The smell of recognition
A face you barely loved
Empty all your pockets
'Cause it's time to go home

The smell of recognition
A face you barely loved

Let it go, let it go

Today is the first day of the rest of your days
So lighten up, squirt

radiohead - lift (Pinkpop 1996)