Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『伶也と』


 椰月美智子&宮下奈都&窪美澄推しな大盛堂2F


 昨日、今日の椰月さんのトークイベント前に新刊『伶也と』を読み終わった。大切な人との出会いと関わり、日々と残りの人生、幾度と栄光と挫折という明滅する人物をずっと見守り続けた女性と彼の物語。
 最後の方は冒頭に結末が示されているだけにジリジリと訴えてくるからかなりせつなくなった。金銭だけではなく老いという問題なんかは生命の、生きるという肯定を書き続けている椰月さんには珍しいのか死に向かっていく過程が書かれていた。
 いろんな人物が伶也の輝きと落ちていく様から想像させられるが、そこにも彼女のような人がいたらいいなと思う。あとはバンギャルというかバンドとかなにか芸能的なものを追いかけている女性が読んだ時にすごく共感されるのかなあ、読んだ反応を知ってみたいと思ったり。そういう人たちに届くといいなあって。まあ、それは宣伝とか売り方がかなりデカそうだけど。おっさんが読んでるような雑誌とかに書評載るよりもそういう人たちの読む媒体とか見てるネットに紹介してもらったりするのがベストだろうし、そういう人たちはそのまま椰月さんの他の小説も読んでファンになるような気がした。


 椰月さんのトークイベントでは主人公の直子とかに椰月さんは感情移入されなかったらしい。いつも八畳ぐらいの部屋の隅っこで見ている感じで書かれているぐらいの距離感らしい。友人のユカはいいのかなってトークでも言われていた。実際には直子みたいな友人がいたら止めなよ、もっといろんな人と恋愛したほうがいいよっていうと思うとのこと。まあ、だからこそ『恋愛小説』のような小説を書かれているのだと思う。



 椰月さんと大盛堂の山本さん。トークイベントお疲れさまでした!

伶也と

伶也と

恋愛小説 (講談社文庫)

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水やりはいつも深夜だけど

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