Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『R-18文学賞 vol.1 自縄自縛の私』

バルト9で19時の回観賞。公開初日かな、たぶん。小さなシアターだったけどわりと埋まってた。



竹中直人が「山形スクリーム」(2009)以来約3年ぶりにメガホンをとった監督第7作で、初めて挑んだ官能作品。新潮社主催の公募新人文学賞「女による女のためのR-18文学賞」を受賞した蛭田亜紗子の小説「自縄自縛の私」を映画化。サービス残業や社会のいじめでストレスを抱えるOLの百合亜は、自らを縛り上げることを密かな趣味にして、ストレスを解放していた。やがてブログを通じて知り合った「運命の人」と出会った百合亜は、次第に大胆になっていき……。主演は「TSY タイムスリップヤンキー」「赤い糸」の平田薫。共演に安藤政信、お笑いコンビ「ピース」の綾部祐二ら。(映画.comより)



監督・竹中直人
出演・平田薫安藤政信綾部祐二津田寛治山内圭哉ほか
公式サイト:http://www.r18-jijojibaku.com/




僕が観に行きたかったのはただひとつ安藤政信さんが出演しているからと言っても過言ではないのだが、まあR-18文学賞受賞作品ってのも気になっていたんだけど。


ビジュアルの面では問題なかったと思う。原作の小説では縛るという行為は文字で伝わるだけだが画になることでその見た目がわかり衝撃的とかじゃないけどビジュアルとしてわかる。主演の平田薫はキレイな顔だしおっぱいは大きくないけどいいと思うし安藤くんはやっぱり男前だしとか画としてはいいんだけど安藤くん演じた上司とかのテンションとかなんだかおかしいし、全体的にもっとコメディ寄りにするのか心情や内面を描くならそこを丁寧に描くべきだと思った。
だから正直デキの悪いコントだなって。脚本がひどいのか竹中直人監督がヘタなのか?僕が原作者だったら嫌だなあとか思いながら見てた、でも原作読んでないんだけど。


安藤政信ファンだから観に行ったわけだが安藤くん出てる最近の映画酷いのが多すぎる。誰かきちんとした作品で安藤政信さん使ってください!としかもはや言えない。スマグラーもひどかったし。


イラストで各キャラの幼少期の事とか説明してたけど、うーむ。あとなんで監督ナレーションしてんのとか、あと主人公の百合亜の家族の問題、母親との関係とかまったく改善も発展もしないし彼女が成長してるかと言われたらたぶんほとんど。
で自縛な人とメール交換を初めて相手がWさんなんだけどその次にすぐに津田寛治演じる会社の偉いさん出てきて名前がワタルとかw おいっ! 


安藤君が訪ねてきて自縛して手錠してその鍵は前日に郵便に出していて翌日にアパートに届くからそれまで手錠を外せないからっていうドキドキ感がありつつも普通にやっちゃうわけだが、どうもエロティックさがほとんどない、見ていてもっとエロティックさがあったほうがいい気はしたんだけど個人的な性的な趣向なんだからもっとエロくドキドキさせてくれ!とか思いつつ。


最後の方で自縛な趣向の二人が会うシーンでなんであの主人公はあんなすげえ車に乗っているのか? そんな趣味な感じなかったぞ、それまで。見た目はいいけど必然性あるかあの車、リアリティねえわ。


原作は50枚ぐらいの短編らしいので色んな要素を足して映画として成り立たしたんだろうけど失敗だと思う、僕は。R-18文学賞吉本興業がコラボというか手を組んだ第一回が『自縄自縛の私』でなぜ監督が竹中さんだったんだろうかが謎だ。
吉本は資金も潤沢だし芸人さんだけじゃなくて様々な監督を使って大きな映画出資会社としても勝負できるはずなのに大抵の作品が失敗してる気がする。でも、そこを強化できたらいろんなタイプの作品を世に出していける。そこはビジネスのチャンスでもあるよね。お金がなくて映画が作れない監督とかには。