Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『アルゴ』

 渋谷ヒューマントラストで観賞。水曜日のレディースデーだけど男性の方が多かったし年配層がたくさんいた。時代的な背景もあるのか1979年頃の実話を元に作られているから三十年ほど前五十代なら二十代の頃にリアルタイムで知っていた世界情勢があるだろうから関心は高いんだろう。



監督:ベン・アフレック
キャスト・キャスト:ベン・アフレックアラン・アーキンブライアン・クランストンジョン・グッドマン、ケリー・ビシェ、カイル・チャンドラー、ロリー・コクレイン、クリストファー・デナム、テイト・ドノヴァン、クレア・デュヴァル、ヴィクター・ガーバー、ジェリコ・イヴァネクリチャード・カインドスクート・マクネイリークリス・メッシーナ、マイケル・パークス、テイラー・シーリング他



あらすじ: 1979年11月4日、テヘランイラン革命が激しさを募らせ、その果てにアメリカ大使館を過激派グループが占拠し、52人もの人質を取るという事件が起きる。パニックの中、アメリカ人6名が大使館から逃げ出してカナダ大使の自宅に潜伏。救出作戦のエキスパートとして名をはせるCIAエージェントのトニー・メンデス(ベン・アフレック)は、6名が過激派たちに発見され、殺害されるのも時間の問題だと判断。彼らを混乱するテヘランから救出する作戦を立案する。しかし、それは前代未聞で大胆不敵、そして無数の危険が伴うものだった……。(Yahoo映画より)


 物語の冒頭部がアニメというか絵とその元になった写真とか人物で始まるのだけどその頃の世界情勢をしっかり説明してくれてなぜアメリカ大使館が占拠されるようになったのかを数分で呈示する。これが非常にわかりやすくて映画の世界というか時代に入り易い。リアルタイム知らない人でも、僕もまったくこの事件とか知らなかったけどするっと入ってきた。


 救出作戦のエキスパートとして名をはせるCIAエージェントのトニー・メンデスさんはいろんな作戦が出るけどむりやん、時間ないやん、とかすぐに救出しないと見つかって六人が殺されるどうしよう?となります。


 メンデスが最初に出てくるシーンはテレビが付けっぱなしの部屋で掃除もしないないような感じ。妻とは別居してて息子とも離れて暮らしている。
 息子と電話していると息子が今は最後の猿の惑星見てるというと彼もテレビのチャンネルを変えそれを観始めて思い立つのが映画作るってことにして六人をスタッフってことで国外に連れ出して救出しようと。まあ、実際にデカい宣伝売ったり特殊メイクとか有名監督に協力を要請しできるだけ本当にこの映画が制作されるというのを他の人に思い込ませてさあメンデスはイランへ。


 六人もそんな無茶な捕まったら殺されるなどありつつ、まあどうせ見つかったら殺されるんだけど。様々な問題が発生し脱出を急がないといけなくなる。六人はカナダ人としての偽名パスポートとスタッフとしての別人格の設定を覚えて映画クルーとして偽装をしようとする。



 最後の方はかなりハラハラさせられる展開でシーンとシーンが効果的にやばいよ急いでって観客が思うような繋ぎ方で上手い。一旦作戦中止だと上から言われるけどメンデスはだったら助けられないし見殺しにすると思うと強行突破というかハリウッド作戦を決行しようとする。


 彼の意志を受けて彼の上司は航空券とかも予約取り消しになっているのでなんとか脱出させようと彼のさらに上を、まあ最終的にはカーター大統領がオッケーしないと動かないのでそれを動かそうとする。


 空港で身元確認とかでゲートが閉まっちゃうとかCIAでのその上司たちのやりとりがうまく繋がれているのでもうハラハラもんです。


 監督を務めて主演のベン・アフレックwiki見たらオクシデンタル大学とバーモント大学に通い、中東情勢を専攻したとあるので余計に背景とかわかってるから監督としてここまでできたのかなと思ったり。


 あと映画って基本的にこれみたいに実話を基にしても作る時点それは嘘じゃないですか。嘘の中にたくさんの真実は隠されているしあるんだけど創作ってないものとかあったものの投影だから六人が嘘の人物を演じるとかにも通じていてる。

  
 それを役者をやっているベン・アフレックが監督してるってのはかなり分かった上でやってるから余計に作品のリアリティだとか完成度が高いんだと思う。
 かなり面白かったです。嘘映画の設定とかもよかったし。


 映画の中で嘘の映画を作るし実話をもとにして作品を作るとかメタな視線があるんだけどうまく機能してる。


 ベン・アフレック作品きちんと観てなかったのできちんと観ようと思います。