Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『身体性を刺激する』

 昨日観た『川の底からこんにちは』の予告で『ペルシャ猫を誰も知らない』という作品の最後ほうで西洋的な文化が厳しく規制されているイランの青年がアイスランドに行きたい、シガーロスが観たいんだって言った瞬間、この映画が観たくなったのを思い出した。
 イランってけっこう弾圧みたいにきびしいみたいだ。音楽やるのだって命がけみたいな、映像で観ると機材を没収されたりとか、でもやりたいって気持ちが勝ってて、なにか惹かれるものがあって、それは彼らの目だった。


Sigur Ros - Festival


 昼間はバイトに行って帰ってから渋谷に歩いていって『界遊004』リリースイベント「グレイトフル・ポップ vol.1」に。O-eastで、ここはやっぱり『エクスポナイト』のイメージがあって、上のラウンジ?では物販とDJができるし、下のフロアはトークやライブができるのでこういうイベントは合ってる。大学生ぐらいから二十代後半ぐらいが多かった印象。女性も多かったかなあ。『界遊004』を購入して、イベントでよく会う河村さんを発見し、トークに出る仲俣さんにずっとお借りしていた小説を返却。


 最初はまつきあゆむさんのライブ。ツイッター上で知ってて曲もあんまり聴いた事なかったので聴いてみたかった。ツイッターのアイコンが『MOTHER』の裸のキャラクターで、きっと好きなんだろうなって思ってたら亡きカート・コバーンみたいなパジャマで出てきた。
 出囃子も完全に『MOTHER』の曲だった。パジャマっていうと『MOTHER』の主人公って最初はパジャマ姿だったはず、確か。


 なんだろう、ふんわりとした空気感のあるライブで力まずに観れた。今はレーベルに所属してなくてまつきさんにお金を振り込むとアルバムのジップファイルが送られてきてそれをiTunesとかで聴ける感じで活動しているみたい、ちょっと聴いてみたいので買おうかなって思った。個と個のやりとりだね。


 次が仲俣暁生×佐藤大×藤城嘘×峰なゆか×追加で前にライブをしたまつきあゆむでのトーク。『ポップ』についてだった。この単語は捉えた方が各自違ったりするんだけど『エウレカセブン』等の脚本を書いている佐藤さんがけっこう話す人だった。
 仲俣さんと同世代ぐらいかな。峰さんは親が『大衆は豚だ』って言われて育った発言とかしてて個性的な感じはそのままで、藤城嘘って人は破滅ラウンジとか名前はよく聞くけどどういうのか知らないだったがそれをやってた人みたいで二十歳ぐらいだった。


 佐藤さんが小沢健二の中野ライブに行ってたみたいで、「テレビ」や「ラジオ」はカタカナで言ってて、他の言葉で日本語になるのは「ワン、ツー、スリー、フォー」とかは「ひーふーみーよー」とかにしてた、それでポップのことはなんていうのかなって思ったら大衆音楽だって言ってたと。で、小沢健二はブギーバッグのラッパ部分はマイクを客席に向けて歌わせてて、完全に観客を信じてたと。ほほうって思った。
 客席にいた岡崎京子さんもだし、ツイッター上で90年代のライターが復活してきてたりとかけっこうしてるんだって、140字ってのがキーでライターはそれに合わせる技術あるし、いといせいこうが口ロロに加入したりとかいろんなものが帰ってきた感覚だって。


 で、仲俣さんが言われていたボップっていうのはそれを受けた側がやりたくなる作りたくなるものだって話があって、古川日出男という作家は僕にとってポップであって、まあ、やり始めてみたらその難しさが重々に身に染みている今日この頃なんだけど。
 ってツイートしたら仲俣さんが「うん、「やりたくなる」というのは、ホントにやるかどうかは別として、オーディエンスの身体性を刺激する、ということだと思う。ムズムズするわけさ、体やアタマが。そこから先は受け取った当人の問題だよね。」って返してくれた。
 それに対して僕は「ものすごく身体性を刺激されてますね。この感じが初めてに近かったんですよね。雛が最初に見た物を親鳥と思うように、それになるんだっていう感じで。でも、実際は親鳥とは違う種ですから模倣しながら影響を受けながらも違うものになれたらいいなと思ってます。」って返した。


 トーク終わった後腹痛くてやばかったので帰った。またリリースイベントとかあれば行きたいなって思う、雰囲気がすごくよかった。


 帰って落ちついていろいろ見てたら『キラ☆キラ』の今日の放送分の西寺郷太さんが曽我部恵一さんと二人で小沢健二さんのライブを見に行った話をしたらしい。もうポッドキャストでも配信されてたからさっき聞いた。僕が観に行くのは福岡の最終公演。時間に遅れたら行けない演出らしいよ、観に行く方々。


さよならなんて云えないよ

残響

残響

刹那

刹那