Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『スティーヴ・エリクソン × 古川 日出男』




 国際文芸フェスの東大で行われた柴田元幸さん司会・通訳でスティーヴ・エリクソン×古川日出男講演を観に行く。質問の時間でエリクソンと古川さんにフォークナーや中上健次から受けた影響について質問できた。「路字」でお世話になっていた仲俣さんともお久しぶりにお会いしたり、いろんな知り合いの人にも会えた。
 古川さんとエリクソンに書籍にサインをもらって握手をしてもらった。僕はいつも古川さんと会ってご挨拶をして帰る時になぜか握手してもらっている、なんか作家としてのパワーをもらおうとしているのかもしれない。それが今日はエリクソンまで加わっているのだからなんだかすごい。
 その後、もうひとつ下北沢のB&Bで行われる国際文芸フェスのひとつである藤谷治さんと藤井大洋さんのトークイベントに向かうために仲俣さんと下北沢まで向かう途中でいろいろと文学についてのお話をする。「路字」のお手伝いをさせてもらっていた時は『文化系トークラジオ Life』も聴き始めたばっかりだし、小説を書こうと思い始める前後だったりした。仲俣さんには古典 SF読めってハヤカワの海外のSF小説の有名どころを二、三十冊お借りして読んだりして、そうやってフィリップ・K・ディックに出会ったりした。そんな僕も多少は小説の話ができるようになった。
 藤谷さんと藤井さんのイベントも作家同士の話はやはり面白く、対照的な感じがされるお二人だが、本質的な部分はあまり違いはなかったりして、言い方なんかはやはり違うのだけど作家同士の話は刺激的だった。
 B&Bにはメルマ旬報チームな木村綾子さんがいて、かつて読モだった頃の写真をなにかの取材で使ったからと持っていたファイルを見せてもらった。木村さんが読モで有名だったといろんな人から聞いてたけど見るのは初めてだった。若いとやっぱり思ったし、あの時代のファッションでもあったけど、僕は今の木村さんのほうが話しやすくて素敵だなって思った。
 その後、お二人と仲俣さん、僕ら読書会メンバーで軽く飲みに行ってそこでもお話をさせていただいて濃密な一日だった。みんなを下北の駅で送って途中まで仲俣さんと話しながら歩いた。最後は仲俣さんと握手をして別れた。
 いろんなことが繋がって連なって時間を得てこういう機会を得たのだとよくわかるそんな一日だった。恩返ししないといけない人がたくさんいるなって思ったし、一日中小説に関することで満たされていた一日だった。脳の許容量を越えてるけど、たまにはこんな日があっても嬉しい。



『ある光』
いくつもの光の柱が立っている
そのどれもが本物で偽物だ
ものの見方を知らねばならない
なにが自分にとって必要であるか
どれが本物であり偽物なのか
それを見極めるための決めるための
光というものと同じ分量の闇がある
まずは闇を見極めるんだ
そうすれば光の眩しさに負けない
光と闇、どちらも自分の眷属にしてしまうしかない
どちらかだけに向かってはならない
だから、だから、だから、
ある光とある闇
共に抱えていけ