昨日は恵比寿にて専門の友人と「マイケル・ジャクソン This Is It」を観た。その後三茶のシアタートラムで快快「インコは黒猫を探す」の最終日を観た。まあこの二つについてはまたきちんと書くけど今は疲れが出ててとりあえず寝ることにする。
ああ、阿部和重「シンセミア」三巻を読了して、快快の舞台の物販で「エクス・ポ」テン/ゼロ号を買った。古川日出男さんが戯曲「OK豚ピューター」というのをその中で書いている。
RADIOHEADの名アルバム「OK Computer」を完全にもじったタイトルでまた古川さんいい意味で悪ふざけしているとまだ中身読んでないけどタイトルを見て微笑んでしまった。そういうのって素敵やん。
「This Is It」を恵比寿で観てシアタートラムで快快「インコは黒猫を探す」を観るという一日だったんだが本当にポップな一日だった。快快のパフォーマンス楽しすぎ、身体性爆発みたいな。ポップが地球を揺らす。だからわたしも揺れた。
詳しくは起きてから書く、あるいは記憶されたものをアウトプットして記録する。下手は過去、上手は未来、過去から未来へ進むからその間は現在だ。それでさ、ヴァンパイア・ウィークエンドが、2ndアルバム『コントラ』でビルボードの総合チャートにて初登場1位。新しい時代の幕は完全に開かれた。わけでさ、ポップな事がもう溢れてる。
彼ら(彼女ら)の学校は河ぞいにあり、それはもう河口にほど近く、広くゆっくりと澱み、臭い。その水は泥や塵やバクテリアや排水口から流れこむ工業/生活廃水をたっぷりとふくんだ粘度の高い水だ。
流れの澱み、水の流れが完全に停止した箇所は、夏の水苔のせいですさまじい緑となり、ごぼごぼいう茶色い泡だけが投げこまれた空カンをゆらしている。その水には彼ら(彼女ら)の尿や経血や精液も溶けこんでいるだろう。
その水は海に流れ込んでゆくだろう。海。その海は生命の始源というようなイメージからは打ち捨てられた、哀れな無機質な海だ。海の近く。コンビナートの群れ。白い煙たなびく巨大な工場群。
風向きによって、煙のにおいがやってくる。化学的なにおい、イオンのにおいだ。
河原にある地上げされたままの場所には、セイタカアワダチソウが生い茂っていて、よくネコの死骸が転がっていたりする。
彼ら(彼女ら)はそんな場所で出逢う。彼ら(彼女ら)は事故のように出逢う。偶発的な事故として。
あらかじめ失われた子供達。すでに何もかも持ち、そのことによって何もかも持つことを諦めなければならない子供達。無力な王子と王女。深みのない、のっぺりとした書き割りのような戦場。彼ら(彼女ら)は別に何らかのドラマに生きることなど決してなく、ただ短い永遠のなかにたたずみ続けるだけだ。
一人の少年と一人の少女。けれど、彼の慎ましい性器が、彼女のまだ未熟なからだのなかでやさしい融解のときを迎えることは決してないだろう。決して射精しないペニス。決して孕まない子宮。
惨劇が起こる。
しかし、それはよくあること。よく起こりえること。チューリップの花びらが散るように。むしろ、穏やかに起きる。ごらん、窓の外を。全てのことが起こりうるのを。
彼ら(彼女ら)は決してもう二度と出逢うことはないだろう。そして彼ら(彼女ら)はそのことを徐々に忘れてゆくだろう。切り傷やすり傷が乾き、かさぶたになり、新しい皮膚になっていくように。そして彼ら(彼女ら)は決して忘れないだろう。皮膚の上の赤いひきつれのように。
平坦な戦場で僕らが生き延びること。
テン年代初頭にオザケンが復活して岡崎京子さんの再評価があるんじゃないかと、彼女が描いた哀しみと同等に存在したポップさは、「pink」でのあの軽さと実は起きている悲劇の関係さは、時代を超える、だろ?
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