Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「大丈夫であるように」

 七連チャンの後の三連休の二日目。右側の肩甲骨が異様に痛い、レジの打ち過ぎで筋でも傷めたのか寝違えたような鈍い痛み、おまけにたまに咳をする時に心臓側じゃない方の肺が、たぶん肩甲骨の辺りが響く。


 今後の戦略というかどうしていこうかと考えてたりすると今している事とやらないといけない事の間にあるギャップが非常に深い溝で隔たられている事に真っ正面からぶつかっていろんな事が嫌になる感じ。とりあえずやれる事とある程度的をしぼって狙っていくしかないなって思った。だから、この休みは完全に休む事にした。休みが終われば臨戦態勢になれるように、始めれるようにしようと。


 二、三時間寝ては目が覚めて起きるという長時間寝たいけど寝れない。朝も七時頃に目が覚めて、本当は十時過ぎに起きたかったけど。「シンケンジャー」を毎週見てないけど見ちゃって、戦隊モノでレッドが「影武者」だったって! というすげえ練り込まれている構成だなあと思いながら見た。


 その数時間後にtwitter上で作家の阿部和重さんが今日の「シンケンジャー」は泣けたとツイートしていた。最近三月に出る阿部さんの著書「ピストルズ」と繋がっている「シンセミア」の文庫四巻を買ったばかりだったので親近感が沸いた。


 寝れないままに昨日の「めちゃイケスペシャルを見ながら、やっぱりオードリーの若林さんと「Life」のパーソナリティーである社会学者のcharlieこと鈴木謙介氏は声が似ているから顔が似ている、いや顔が似ているから声が似ているのかもしれないという、若林さんを見ると思うことを思った。ここにプラスだとバスケの田伏も入りそう。骨格の形状が似ているから声が似ているんだと思うんだけど。

 
 僕に似ている人はたぶん声も似ているはずだし、なんとなくこの人あの人に似ているなって思うと声も近いんだと思う、たぶん。


 目が覚めてツタヤで旧作と準新作がクーポンで190円だったのを思い出して近所のツタヤへ。去年観て衝撃的だった「母なる証明」の監督のポン・ジュノ作品は観ないといけないなって思って「ほえる犬は噛まない」「殺人の追憶」「チェイサー」「チョコレート・ファイター」「大丈夫であるように-Cocco 終らない旅-」を借りた。
 「グエムル-漢江の怪物-」は全部借りられていてなかったので、「ザ・シネマ・ハスラー」で好評だった「チョコレート・ファイター」とTRiCKFiSH兄さんがオススメしてた「チェイサー」も。


 ドキュメンタリーコーナーに映画館で観ようと思って「大丈夫であるように-Cocco 終らない旅-」が新作であったので借りた。家に帰ってからとりあえず新作の「大丈夫であるように-Cocco 終らない旅-」から観始めた。「空気人形」の監督の是枝監督がミュージシャンのcoccoを追ったドキュメンタリー、彼女の故郷の沖縄が抱える米軍の基地問題や彼女が背負っている想いやライブシーンから構成されている。


 「空気人形」はシュールなコントだったが、僕からすればそうだったし、感情移入もできなかった作品だった。僕はあまり是枝作品は合わない。「ワンダフルライフ」「DISTANCE」はわりと好きだけど。この作品は元々coccoというミュージシャンは好きなので入り込みやすかった。
 全国ツアーを巡りながら彼女は原発問題等のことを知り、ツアーの会場で想いを感じた事を話し泣きながら歌う。普段の笑顔の彼女とは違う、ミュージシャンとしての彼女はシャーマンみたいに何かが宿っているような降ろしているような雰囲気すらする。


 彼女が想いを語るシーンでは涙ぐんでしまった、涙腺が弱い、年々弱くなっている気はする。彼女はおじいの事を語り、子供の事を語る。「もののけ姫」を始めて観た後にダイダラボッチはなぜ人を許して花なんか咲かして救いを感じさせるのか、人が自然に対して畏怖するように全てを破壊する方が正しいと思ってムカついたと語り、が子供と観た時には最後に花が咲いてくれてよかったと思った、花が咲いてほしいと思ったと心境の変化を語っていた。というか子供って、子供いたの? と思ったりもしたが。


Cocco - ジュゴンの見える丘



 この撮影後の09年には彼女は拒食症で入院している。幻冬舎パピルス」ではリスカのあとと拒食症でやせ細った体で表紙を飾った。そのことについては「カウンターパンチ」というタイトルのブログを以前書いた。

 
 傷つきやすい少女とか痛さを伴った女の子達というのはゼロ年代的な「傷つきやすいわたし」とか「めんどくさいわたし」とか「自意識過剰なわたし」とか色んな所で語られたことではあった。Cocco 「Raining」がエンディング曲だった庵野秀明監督「式日」松尾スズキ監督「クワイエットルームにようこそ」、本谷有希子作品にある「自意識過剰」である自分とかそこから僕らや彼女達はどこへ行けるんだろう。


 どこにも行けないままに過ごしていく事になるだろうし、例えばどこかに行っても自分が変わらない限り同じ事の繰り返しのままだろう、前のデディケイドの傷痕は癒されるのか、深まるだけなのか、この十年がトドメを刺すのか。
 絶望しかなかったわけじゃないはずの前の十年から僕らはどういう希望を持つべきなのか願うべきなのか、ただ世間の波や空気に流されていくだけなら考える事はおそらく麻痺させられていく。誰かが言っていることだけじゃなくてそこから自分で考えてそれから動く事でしか希望は見つかりそうにもない。


 それから寝て起きて田辺青蛙著「魂追い」を読む。前作「生き屏風」を08年の年末にお会いした時に名刺交換してその後に送っていただいて読んでいた。この二作目にあたる「魂追い」は前作の「生き屏風」に出てきた妖の皐月が出てくる続きものであるがこちらだけでも楽しめる。


 角川ホラー文庫から出ているが「ゲゲゲの鬼太郎」のように妖怪や不思議な生き物の生活が描かれているので怖いという感じはしない。前作は里というか境界線を守っている皐月の話しだが、今回は「魂追い」をしている少年と旅に出るという物語。読みやすくて最後まですぐに読めた。


 田辺さんは京田辺市に住んでいるからというペンネームらしい、中学の友人が京田辺市に住んでいるので彼にも勧めてみようか。作品自体は二ヶ月ぐらいで書き上げたそう。彼女は第十五回日本ホラー小説大賞授賞式の時に着物でもなくスーツでもなく「エヴァ」の綾波レイのコスプレでプラグスーツ着て授賞式に出たと言うコスプレイヤー、恐るべし。


 まったく関係ないがハイキングウォーキング卑弥呼さまじゃない方のイケメンの松田はキムタクに似ている。

シンセミア〈1〉 (朝日文庫)

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大丈夫であるように-Cocco 終らない旅-(初回限定盤) [DVD]

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生き屏風 (角川ホラー文庫)

生き屏風 (角川ホラー文庫)

魂追い (角川ホラー文庫)

魂追い (角川ホラー文庫)