昨日の夜読んだ『楽園追放 rewired サイバーパンクSF傑作選』収録の神林長平『TR4989DA』の終わり方がめっちゃ好きな感じだった。
とりあえず、今劇場公開されている『楽園追放 Expelled from Paradise』を観たいなと思ったのでキネゾーで予約して朝起きてちょっと原稿を書いてから自転車に乗って新宿バルト9に。三十分もかからないぐらいの距離で適度な運動。
監督・水島精二
脚本・虚淵玄
演出・京田知己
声の出演・釘宮理恵(アンジェラ・バルザック)、三木眞一郎(ディンゴ ザリク・カジワラ)、神谷浩史(フロンティアセッター)、林原めぐみ、高山みなみ、三石琴乃、古谷徹ほか
「機動戦士ガンダム00」「鋼の錬金術師」の水島精二監督と、「魔法少女まどか☆マギカ」など話題作、ヒット作を多数手がける人気脚本家・虚淵玄が初タッグを組んだ、オリジナルの劇場用長編SFアニメーション。人類が多くの地上を捨て、「ディーヴァ」と呼ばれる電脳空間で暮らす西暦2400年。フロンティアセッターと名乗る者が、地上世界からディーヴァに対してハッキングを仕かけてくる。ディーヴァの捜査官アンジェラは、生身の身体=マテリアル・ボディを身にまとって地上世界に降り立ち、機動外骨格スーツ・アーハンを駆使してモンスターの襲撃をかわしながら、地上調査員のディンゴとともに、どこかに潜んでいるはずのフロンティア・セッターを追う。釘宮理恵、三木眞一郎、神谷浩史、古谷徹(友情出演)ら、水島監督の「機動戦士ガンダム00」でも共演した人気声優たちが出演。演出に「交響詩篇エウレカセブン」の京田知己。(映画.comより)
本人(オリジナル)の死後も、ネット内を徘徊する人工人格(アバター)。彼らを消去することが、市役所に勤める僕の仕事だ。
神林長平著『だれの息子でもない』http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062192484
映画『楽園追放』を観たら昨日読んだ『楽園追放 rewired サイバーパンクSF傑作選』収録の神林長平『TR4989DA』と神林さんの新刊『だれの息子でもない』の帯に書かれていたオリジナルとアバターなんかの事が諸々繋がってるんだなって思った。帯コメントに虚淵さんのコメントしてるし。
『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』も当然彷彿させる。「ディーヴァ」という電脳空間で肉体という重りから解き放たれた人類の九割が暮らす未来において地上からハッキングを仕掛けてくるハッカーを捜査するために主人公のアンジェラは生身の肉体をまとい地上で捜査を開始する。相棒の調査員のディンゴは人間臭くて調子いいやつだったが彼の行動は的確で、乗ってきた機動外骨格スーツ・アーハンをいきなり銃で撃ってオンラインではなくしてしまう。アンジェラは当然怒るがオンラインにしていることはハッカーにつねに居場所を知らせている事だとオフラインにして肉体と知識を持ってハッカーを捜すしか他の捜査官を出し抜けないと言われ彼女はしぶしぶ了解する。
物語はハッカーであるフロンティアセッターを見つけるが彼に問題はなくディーヴァに干渉しないので問題はないと告げても巨像のようなエヴァでいうサウンドオンリーみたいなやつらに彼女は違反したと全ての権利を剥奪されてしまう。ここからは人間の尊厳とはなにか? 楽園追放の楽園とはなにかという主題に入っていくことになる。
完璧に管理されている社会とは、メモリーを得るために権限を持つために手柄をあげていくことはただの奴隷ではないのか?
アンジェラは重さを持った肉体での世界でフロンティアセッターの願いを叶えようと奮闘する。そして彼女が今まで当然に思っていた常識も世界もフロンティアセッターとディンゴとの出会いと関わりによって人間らしさとは自分の意志とはなにかと動き出す。
オリジナルアニメ映画で二時間もない尺の中でかなりうまくまとまった作品だと思う。虚淵脚本らしさも感じられるしかなりオススメなんじゃないだろうか当然アンジェラをはじめとするキャラクターや世界観もいいし、ディンゴが古くさい感じをあえてやってるのも虚淵脚本っぽい気がする。
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