Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「探偵儀式」ファイナル

古川日出男「4444」第三回「いかにして1+1=1は証明されたか?」
http://mag.kawade.co.jp/4444/2009/07/post_1.html

 
 ↑ネット配信の小説の三話目が更新。この「4444」は数字の因果律とかをメインに進めて行く話なんだろうか?


TBS RADIO「ライムスター宇多丸のウイークエンドシャッフル」
http://www.tbsradio.jp/utamaru/2009/07/119200918.html


 2009/07/22 サタデーナイトラボ「文具界の夏フェス開催!」を深夜に聞いた。「前編」「後編」と面白い。いろんなマニアや人がいるけども文房具もあったんだ、しかもかなりディープな匂いがプンプンしてくるし、おっ立っちまってるぜみたいな興奮するなするなあみたいな、暴走モードでかなり面白い事になってる。


 そんなに文房具を使わないが会社員の人やOLさんとかにその手の文具マニアはいるんだろうなあ、新しいジャンルとして多くの隠れマニアが実際にはいるんだろうな、文房具芸人はないとは思うけど。


 清涼院流水大塚英志箸井地図探偵儀式」最終巻の6巻と清涼院流水によるノベルズの「探偵儀式」によってこのシリーズは完結。原作が清涼院流水、原案/脚本が大塚英志、漫画が箸井地図。最後の方は聖書のアベルとカインになぞらえて進み、終わる展開。


 漫画のあとがきでは大塚氏がこの作品がまんがの形を借りた清涼院流水論であり、リアルタイムで書かれたライトノベルズ論だと書いている。同時に宇山日出臣論でもあり最初で最後のミステリー論でもあったと語っている。


 宇山日出臣さんというひとは新本格ムーブメント作り上げた編集者らしい、彼の影響を受けたのが現在の「メフィスト」の編集長の太田克史さんらしく、大塚氏は自分が「メフィスト」からアニメ系のライトノベルズとしての「ファウスト」が生まれる直接の引き鉄の一つを実は自分が引いた自覚があると言っている。この人はいろんなとこに関わっているなあ、「文学フリマ」もだし。
 

 ノベルズの最後の方では清涼院流水自身が大塚英志ペンネームだと言い出す。ここで大事なのは名前などではないということ、それはもちろんネタとして語られている。フェイクだ。そして彼は批評に対して万能ではない、表現者の自慰的な衝動を、同好の士が温情で共有してるだけだと言い捨てている。流水はルーシー・モノストーンのルーシーからだととも。


 漫画版の「探偵儀式」にもルーシーネタが出てきたりと「多重人格探偵サイコ」とのシェアード・ワールドみたいになっている。「サイコ」も「探偵儀式」も「黒鷺死体宅配便」も「とでんか」も共通するのは笹山徹なので大塚氏は笹山サーガだと冗談めいて言っている。


 メインになれずに彼らと共にいるのにいつも置いて行かれる人間として笹山徹は大塚英志作品の中で描かれている。そういう人がいろんな作品にまたがって出るのは「摩陀羅」からもあった感じだ。「摩陀羅」サーガだと沙門のような存在かもしれない。彼は「天使篇」で壊れてしまったが。

探偵儀式 (6) (角川コミックス・エース 109-6)

探偵儀式 (6) (角川コミックス・エース 109-6)