Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「SALVAGE HEART」

 ジムが休みだったので昼過ぎまでのんびり寝てた。で、散歩がてらに買い物に行って食材と本屋に寄って大塚英志×田島昭宇多重人格探偵サイコ」十四巻とスピンオフというか「サイコ」の四コマ漫画ひらりん「多重人格探偵サイチョコ」四巻を購入。
 「サイコ」は最終章に入っているんだけども進まない。田島さんが明らかに「伊達政宗」的な鎧着た敵キャラとか鎧とか書きたかっただけで出したんじゃねえ?と思われる。そりゃあ、あれ書いたらページ進まないだろうなあってぐらいに上手すぎるから。


 ラスボスがほぼ身内的なオチっていうかこれから先にこの設定を覆すとは思えないんだけど、サイコミステリーで身内がボスっていうか裏で操ってたとなると「沙粧妙子-最後の事件-」を思い出すなあ。しっかし、今年中には終わりそうな気がする。あと一巻ぐらいで終わるだろ、この展開だと。
 最後は弖虎に雨宮の人格、磨知=現在は若女の中のルーシーというか人格が滅んでたぶん雨宮と共にいたかったはずの磨知の人格が妹の美和に転移する形で雨宮と磨知の魂はサルベージされて弖虎や美和という新世代に引き継がれて終わる感じじゃないかなあ。これが妥当だろう。


 「多重人格探偵サイコ」には「スペア」という概念が出てくる。「ガクソ」によってバーコードを持つ人物や天使の羽を持つ人物たち、ある意味での主要人物か犯罪者たちは彼らがそれを果たせなかった場合にはその「スペア」が代行するかスイッチを押されて代わりをすることになる。
 弖虎の中にいる雨宮の人格や、本物の雨宮という逆スペアとか、℃と美和の関係とか、関西弁の犯罪者とか影武者が何人もいたり、この作品には「スペア」という存在が非常に大きい。


 大塚英志作品に出てくるこの「スペア」という概念は「摩陀羅」シリーズにおいても出てきていた。真王・摩陀羅には兄の影王がいたし、「ギルガメッシュ」シリーズぐらいから「スペア」という展開が顕著になってきたと思う。
 真王・摩陀羅の青の眷属であるカオス、赤の眷属であるユダヤにも彼らの代わりがいたりしたし、未完「天使篇」にいたっては今までのキャラクターから新世代の若者へバトンタッチする予定の内容になるはずだった。


 転生を繰り返し、出会っては共に戦いあるいは裏切り、敵対し、行動をともにし、恋人になったり、親子になったり、と108あるという設定の中で彼らは出会い別れを繰り返し、最後の戦いが「転生編」であり、その後の物語が「天使篇」だった。
 「転生編」はプロローグが田島昭宇により漫画になり、「天使篇」は大塚さんのいつもの出版社とケンカで連載中止というお家芸で三巻で未完。最終的には「僕は天使の羽は踏まない」というタイトルで大塚氏の手によって終わらされている。少年と少女が出会い、「ライナスの毛布」を手放す物語として。だから「摩陀羅」の続編はおそらくはない。


 大塚英志作品における「スペア」というもの。例えば誰かが何かを成し遂げなくても代わりの人間がそれをするかもしれないし、するであろうもう一人の自分、つまり本物ということにすればシャドウの存在。


 西島大介著「アトモスフィア」は「スペア」というか分身、ドッペルゲンガーの話。ひたすらに自分と同じ人間が現れて、世界すらもコピー増殖していくという物語、なぜ世界が増殖するのかというオチはギャグ的だけど、物語はかなり面白い。西島さんも大塚さんと関係があるからそういう部分で多少影響受けて書いてたりするのかななんて思ったりして読んでた。


 弖虎と美和が始める物語のプロローグとして「サイコ」の最後のエピローグは語られるんじゃないかと思う。


 「文化系トークラジオ Life」の「2010年2月28日「小沢健二とその時代」Part2」配信。「電話で登場、サブ P 佐々木敦さん!」「小沢健二は"あえて"「王子様」になったのか?」などの内容。
 ゲストの音楽ライター・磯部涼さんの著書「ヒーローはいつだって君をがっかりさせる」を読もうと思って読んでないんだけど、表紙が西島大介さんですごく気になっていたんだよなあ。発売したのだいぶ前だよな、本屋でインパクトあったから覚えてる。


 「ささやかなお祝い」フリーペーパー「路字」もこの2月で2周年を迎えました。下北沢一番街のカフェ“BEAR POND ESPRESSO”にて、曽我部恵一さんを迎えてのトークイベントを開きます。


ROJI meets Keiichi Sokabe @BEAR POND ESPRESSO
日時:2010.3.14(sun),14:00〜about15:00
出演:曽我部恵一(ミュージシャン)、金子賢三(建築士路字発行人)
会場:BEAR POND ESPRESSO(下北沢一番街、真龍寺近く)
料金:ワンドリンクオーダー


 そんなわけでこちらのイベントよろしくお願いします。


曽我部恵一BAND「魔法のバスに乗って」PV

僕は天使の羽根を踏まない (徳間デュアル文庫)

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ヒーローはいつだって君をがっかりさせる

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アトモスフィア〈1〉 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

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アトモスフィア (2) (ハヤカワSFシリーズJコレクション)

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LIVE LOVE(DVD付)  [ROSE-103]

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ハピネス!

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