久しぶりに青海のZEPP東京へ。雨は小雨だったので渋谷まで歩いて電車で新橋まで。新橋、そこは東京都港区。ゆりかもめに乗って江東区。江戸幕府が干拓し埋め立てた場所、数百年前にはなかった土地が品川区、港区、江東区には存在する。
その辺りの臨海地区を舞台にしたのが古川日出男三島賞受賞「LOVE」の舞台だったりする。あるいは「ルート350」収録の「一九九一年、埋め立て地がお台場になる前」や「ゴッドスター」などの古川作品にはこの辺りがモチーフとして物語の舞台として存在している。
目黒川から東京湾(天王洲アイル)にかけてそこから東京タワーに歩いた「Love Fall」の経験上、東京という場所がすぐに海に辿り着くことも知っていると言うよりも体感していた。だから電車やそういうものに乗って観る景色よりも地面に足をつけて歩くことで思いのほか東京は狭い事を知る。
あとは最初に古川さんの「サマーバケーションEP」を自らやってみた「スプリングバケーションEP」では井の頭公園から始まる神田川を沿って歩いても隅田川に数時間もあれば歩いていけてしまうことを体験した。
川は海に流れ着く、それは当然のことに思えるけど実際に川を辿って行って海に出た時に世界が循環し繋がっていることを肉体を持って理解する。鴉が東京には多い、海に近づくとユリカモメの勢力が増している。なんだかそういう記憶があるのであの辺りがこれからどう移り変わるのか興味があるというか数年後歩けば明らかに変化する土地。
ちなみに行ったZEPP東京が入居するパレットタウンが、土地所有者である東京都との間で結んでいた定期借地契約は12年間なので2010年5月で終了する。そのため、ZEPP東京も同時に廃止となる。ようするに無くなります。パレットタウンの跡地は、森ビルおよびトヨタ自動車によって再開発される予定なので十年後とか今のあの地域は今とまったく違う場所になっている。
開発されたあの土地はまた更地になり再開発される。パレットタウンにある大観覧車に乗ったカップルの想い出は彼らの中に残るがその観覧車はもうすぐ消える。そう考えると物語が消えてまた物語が生まれる場所を舞台にした小説などは出てくる可能性があると思う。
借地契約が終了した後に取り壊される建物を日本中から集まったニートやフリーターたちが占拠して勝手に国を立ち上げるとかね、「希望の国のエクソダス」的な要素でフィクションとして。アメリカの隷属でしかないこの国のシステムや今のグローバリゼーションとかにお前らは搾取され続けるだけなんだとかいう奴が現れて、ハイジャックした飛行機数機でこの国から逃げ出す。でも結局どこにも逃げられないんだけどというオチは用意して。ニートがまずお台場まで来るという時点でまったくリアリティはないな。そういえば村上龍「半島を出よ」未だに読んでないや。
「Love Fall」
http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20081118
「スプリングバケーションEP」
http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20080428
まあ、来年の今頃は消えているか取り壊し最中であろうZEPPに。友人の青木と行く、彼とはくるりの5thの武道館からアルバム毎に一度はツアーに行っているんだが今回のニューアルバム「魂のゆくえ」はなんかじじくさいというか落ち着いたポップな感じを受けていてどうなるんだろうと思っていた。行く前にヴィレバンで保坂和志「残響」の文庫を買った、薄かったしジャケもタイトルもよかったから。
客層は若いとまでは言えないかな、くるり聴き続けてたら三十前後が多いので大学生ぐらいもたくさんいるけど。始まりはニューアルバムの一発目の
「LV45 」でこの曲以前にアルバム「TEAM ROCK」にあった「LV30」を知っているものとしては嬉しい曲。
続いてアルバムの二曲目「愉快なピーナッツ」と続く、ドラマーの人がいい意味でも悪い意味でもパワフルというかロックバンドな仕上がりでスリーピース構成で他のメンバーはなし。
「ジョゼと虎と魚たち」のサントラに入っていた「飴色の部屋」がいきなりしたのでテンションが上がった。で「マーチ」、そして「ジョゼ〜」の主題歌「ハイウェイ」と。ただ、「ハイウェイ」もかなりドラムがパワフルで岸田・佐藤両氏もロック押しだったので原曲の感じではなかった。照明もシンプルな感じだったので今回のロック色の強い感じに合っていた、凝ってる照明って感じではなかった。
「かごの中のジョニー」から前にカウントダウンで観たというか歌わされた覚えがある「第九」に繋げて岸田さんがロック調な「第九」を歌っていた。昨日の感じだと声ががらがらというか調子は悪いのは聴いててわかった。
「窓」「チアノーゼ」「青い空」とセカンドアルバムから連発した、ロックバンド調の今回のスリーピースには合っているしカッコ良い。「ばらの花」も原曲よりもロック色が強かった感じがした。昨日は「ワンダーフォーゲル」「WORLD'S END SUPERNOVA」はなしよっってことでまあこの構成だとムリか、まあ3日連続なのであと2日のうちにやったりしそうだなあ、「すけべな女の子」もどっちかで。
で、アンコールでもないのに「東京」をやっちゃった。あれっ、早すぎないかとは思うのだが。好きな曲、でもやっぱりこの曲は締めとか終わりの方がきっちりハマる曲だということを再確認。次にやったのは前のアルバム「ワルツを踊れ / Tanz Walzer 」から「ブレーメン」を。この曲の始まり方がカッコいい、歌詞の内容は劇的に暗いが。前のアルバムからはこの曲だけはこれからも選曲の中に入って行きそうだ。で「虹」とファーストから。
アンコールは岸田君がアコギで最新アルバムから三曲した。シングルの「さよならリグレット」はやらなかった。終わった後もアンコールを言い続けていたがアナウンスで終了を告げられる。他の人の日記やブログを観ると岸田君は右手首をかなり気にしていたり手首を回していたらしいのでそれでアコギになったのかもしれない。大丈夫か、3日連続のZEPPなのに。声も心配だけど。
さよならリグレット
くるりワンマンライブツアー2009〜敦煌(ドンファン)06/21セトリ
01LV45
02愉快なピーナッツ
03飴色の部屋
04マーチ
05ハイウェイ
06デルタ
07かごの中のジョニー
08つらいことばかり
09リルレロ
10窓
11チアノーゼ
12青い空
13Natuno
14太陽のブルース
15ばらの花
16東京
17ブレーメン
18虹
19ベベブ
〜En〜
01三日月
02魂のゆくえ
03夜汽車
文化系トークラジオ Life「次回6月28日(日)「日本のネットは進化したのか」予告」
http://www.tbsradio.jp/life/2009/06/post_127.html
僕はネットを通じて実際に会って友人になった人もたくさんいるので出会う可能性を提供してくれるツールとしてのいい部分しかネットのイメージがないです。ネットで嫌な思いとかほぼないなあ。今回は「ネットで『これはすごい』と思ったこと、あるいは、『残念だなあ』と思ったこと」というテーマでメールで募集してるのでそういう人はサイトから応募してみてください。
黒幕(長谷川さん)のcharlieに「ライフと青春リアルどっちが大事?」は笑った。
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