「路字」メンバーなので、なんですよ、僕も一応。そんなわけで五号の編集が終わったので後は印刷して配布だってことで、前までは下北のタウンホールで印刷していたけど、印刷機の問題とかで三茶のキャロットタワーで印刷をすることになった。
サブウェイの前で集合。仲俣さんが来たので立ち話。まあ、村上春樹著「1Q84」話をした。クーリエ・ジャパンの村上春樹インタビューの話を聞きながら、気になったけどその雑誌読んでなかった。
あとは阿部和重の長編が今年出そうだみたいな、僕は「シンセミア」を早々に読むの諦めたので読めそうにないですねえって、彼は意識的に大江健三郎みたいな文体にしてるんだって、そりゃあ読めねえよ、読み辛いもん。
それで大江健三郎〜大塚英志話に移行して、大塚さんが文芸誌本気で作ったら文芸が本業の人がどうリアクションするのかとか話をした。たぶん、気にはするが気にしないフリなんだろうなって。
とその前に村上さんのインタビューで彼が三島由紀夫嫌いだって話をしているらしく、で三島著「豊穣の海」シリーズの話になったから、それを元ネタにした大塚原作「摩陀羅」シリーズの話を僕がして、大塚さんが文学に抱えたコンプレックスが年とともにおそらく肥大化していて、しかもねじれたものだろうからって話と大江作品のことから文芸誌の話になったんだっけな。
それから賢策さんと慶子さんと藤原さんが来てキャロットの中の「生活工房」に行くと賢三さんもいて印刷開始。とりあえず千枚で。今回は紙も変えたのでわら半紙みたいな学級新聞みたいな感じの紙の質感。
印刷機の近くの茶色と青のインクというかあったので、最後の方は青で印刷することになった。両面印刷なんだけど早いので思ったよりも時間がかからなかった。
残りの250枚程度を青インクで印刷すると黒で見慣れた文字も明るさがだいぶ変わって感じる。
わら半紙みたいな紙質なので真っ白ではないのだが、黒字に印刷している時の余白はわら半紙色なのに青で印字すると余白が白に見える。人間の目の錯覚、道尾秀介「ラットマン」読んでて出て来た文脈効果に近いような、実際には意味違うけど人の目なんてしっかりと見ているようで実はごまかしや周りの変化で本来見えるものと違うものを見たように思えるぐらいに曖昧なものだったりするんだなって。
紙にインクが染み込んですぐにはできないので両面印刷して乾いてから折り機で半分にしたのをさらに半分に手折りでみんなで折った。その後に解散して賢三さんと賢策さんと慶子さんと僕で近くのすずらん通りの夜は居酒屋のお店でランチを食べた。
名古屋の鶏肉を使ったミソカツ定食。つけものともずくとタコブツ?ととろろのみそ汁とご飯とミソカツとさくらんぼとコーヒーゼリー?とたくさんある定食、時間も二時過ぎで僕らしか客がいなかった。
何度か前を通った事があるんだけど夜は一人で酒飲まないから行かないし、でもよくここで古田新太さんが舞台関係の人と飲んでいるというのは知っていた。おばちゃんがひたすら喋ってて面白かった、壁を埋め尽くすメニューがすごい、舞台関係者が好きそうな居酒屋さんって感じがした。定食はおしかったし、しかも七百円だった、安いっ。
食べ終わって解散して仲俣さんに聞いて気になっていたクーリエ・ジャパンを買いにまたキャロットに。一緒に角川の戦略に乗ってエヴァの総集編の漫画を買った。何回出てんだ総集編、昔「サイコ」も総集編出たけど、何次利用してんだろう、コミックの。
家に帰って村上さんのインタビューを。もともとスペインの雑誌のインタビューの翻訳なのだが、「1Q84」について「若い男女が恋に落ちる。でも何かが起きて、ふたりは月のダークサイドに行く」って語っている。
え〜と、発売された二巻読了したけども、そんなシーンないですよね? これは続編を示唆しているというか最終的なネタバレなんじゃなかろうか。しかし、もし続編が出たとして、でも語っている時点で書き終えていると思うんだけどこの作品に月は重要なキーワードというか場所なんだが、そこに行くってことはけっこうラノベ的な物語というかセカイ系な感じがしてくる。
で、もうすぐ公開される「新世紀エヴァンゲリオン新劇場版:破」だけども、前回の「序」の終わりの予告で「月からのエヴァ」みたいなことを言ってた気もするし、まあ軽いネタバレだと最後に出て来た渚カヲルがお棺みたいなとこから起きた時に空に浮かんでいたのは地球に見えた、だからそこは「使徒」が現れて地球にやってくる場所は「月」ということになる。
まあ、なんとなくニアミスと言うかシンクロしているような気もしなくもないが、もし続編が出てその月で出会う話だったらけっこう批判してくる人が現れそうな気がする。
文化系トークラジオ Life 「ヱヴァンゲリヲン新劇場版・破」公開記念 深夜の緊急鼎談Part1
http://www.tbsradio.jp/life/2009/06/post_126.html
↑で竹熊さんが触れている「序」でシンジが聴いているウォークマンでずっと25曲目と26曲目を聴いているという指摘。アニメ版では26話が最終話でその前の25話とその二話が展開が急に変わり大塚英志さんに自己啓発セミナーだと痛烈に批判された。
前回の劇場版もその二話にあたる部分だった。確か「序」の制作発表時に庵野秀明監督が声明文を出して「エヴァは繰り返しの物語です」と言っていた気がする。上記のウォークマンのくだりが意図的にされていると思うが、やはり「新劇場版」は前作の劇場版と時間がズレた、あるいはパラレルな時間軸で二度目だったりしそうだ、渚カヲルの「またサードチルドレンか君は」という台詞が示していたように。
サガンデビュー作「悲しみよ こんにちは」を読んでいるが薄いのにもかかわらずまったく内容に惹かれないので読み進まない。
あと昔買って読んでなかった「ハムレット」やフォークナー「八月の光」やワイルド「ドリアン・グレイの肖像」が出て来た。一緒の場所にボードレール「悪の華」の五冊とも新潮文庫だった。
「ドリアン・グレイの肖像」は園子温監督が「時効警察2」で担当した回でモチーフと使ったから気になったのと「悪の華」は園さんがmixiしてた時にこの詩集について書いてて気になって買って読んだのを思い出した。
「路字」サイト http://www.big.or.jp/~solar/rojipost.html
「路字」マップ http://mapping.jp/roji/gmap.html
まあ、基本的には下北沢のお店とかに置いてあります、他の場所にも何店か置いてあるけど。路字マップで見てもらえばお店がわかります。
タワーレコード渋谷店の「タワーブックス」で、今日6月20日(土)に編集者の菅付雅信さんと仲俣暁生さんの「編集の明日を語ろう」というトークセッションがあるのでそこでも配られますので時間のある方はどうぞ。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
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- 作者: ボードレール,堀口大學
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