Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

さよなら2008年@エクス・ポナイトvol.3

 いつものように起きて歩いて渋谷まで。ロフトで作った名刺(前作ったのがなくなりかけたから)を取りに行ってラブホ街の円山町のO-nestへ。開場20分前ぐらいで二十人ぐらいいて、うわあ盛況だなって思って。かなりのお客さんがいて後から聞いたら前日の同時刻よりも多い感じだったみたいです。


 知り合いの人と話したり挨拶したりして下のライブフロアに。HOSEというバンドが五時からスタート。なんかトランペットとかいるんだけど音が途切れ途切れとか不思議な感覚、切断分断されながらも続く音。途中で客を煽ったり歌いだしたり、なんか異質な空間を作り上げていた。


 でトーク1「小説と小説以外と小説」岡田利規×長嶋有×福永信の作家対談が始まって。勝手に名前だけで長島有さんが女だと勘違いしてました。長島・岡田さんは大江健三郎賞受賞作家。サプライズで大江さんを呼ぼうとしたらしいが止めたらしい。来てたらすげえなと思うけど、ノーベル文学賞作家ですよ!


 基本的に福永さん仕切りの長嶋さんはじけーの、岡田さんマイペースの、みたいな展開で岡田さんの動じない感じとか落ち着いて見えましたね。皆さんすごく文化系な匂いがしましたね、みんな眼鏡だし。まあ小説以外の話ばっかりでしたけど面白かった。ただ最初のライブからだったけどどんどん押してましたね、時間が。


 それでgroup_inouが始まる。一度代官山UNITで観て面白くて音が気持ちいいって感覚としてあったので、ぜひ観たかった。いいね、ボーカルの感じが、バックの音の打ち込みとか激しくてノレるし。ボーカルの人が前からだけど変態的な動きをする加瀬亮に見えて仕方ない。トラックが爆音なほどいい、ほんとはもっと飛びたいね、それまで動かずに、人が一杯で出て行くのも戻ってきづらいからずっとそこにいて立ちっぱだから腰が痛くて。でもこの時に揺れて動いたから腰の痛みは薄れた。


 トーク2は「メタ国家論とサブカル(チャー)」鈴木謙介×萱野稔人×東浩紀対談が始まる。

↑仕切りをがんばる鈴木氏。


 名前はもちろん知ってて本も買った事あるけど実際に観た事のなかった東浩紀さん。キャラクターがすごい、何かというと笑いに持って行こうとする、途中アンタッチャブルの山崎に見えてきて・・・。必死にテーマに戻し話をまとめながら話を振るcharlieに、マイペースな萱野さん。言いたい所は言うけどcharlieと東さんのやりとりを楽しんでいるみたい。


 暴走なのかあれが普通なのか知らないがかなり面白いトークというか、楽屋で話したからもういいじゃん的な事を言いながらも言葉をどんどん言っては笑いを取りながらも自分の意見を一気に喋る東さん。ブログ的なタイトルはブログ的な内容なんだよって、ルソーとかいろいろ。なにがわかったというと東浩紀さんの存在感がすごいということはわかりました。


 で、いい加減にトイレするのとビールを入手するために上の階に戻ってcharlieとちょいと話したり、東京ピストルの加藤さんと話したり、Lifeの黒幕こと長谷川プロデューサーと話したりビール飲んだりしました。で観たかったジム・オルーク×大友良英ライブは諦めていろんな人とトークしてました。



↑お疲れ後の一杯。


 で一時間ぐらいして降りて「増殖するカオスモス大友良英×宇川直宏×菊地成孔トーク。なんかこのトークはテーマなかったらしくて最初に降りたら森光子と東がっていう地上波に乗せれねえっていう下世話なトークを。
 宇川さんがノッテて話してて菊地さんがノッたりツッコんだり、大友さん苦笑いって言うね。で途中で宇川さんが東さんを二度呼んでとか主宰の佐々木さんがマイクで神の声みたいにみんなに今年のこととか来年のことをフってたけどそれにノラない展開で言っちゃダメでしょみたいなトークでした。
 菊地さんは白のダウンコートみたいだったんだけど、「鮫肌男と桃尻女」の映画の鶴見辰吾さんみたいなオシャレインテリヤクザみたいだった、雰囲気がカッコよかった。


 そして最後はフルカワヒデオプラスこと古川日出男さんの朗読。



 今日は何を朗読するのかって思って聞いてたら地下道とか照明みたいな単語が出てきたので読んだ事あるなって、なんかに載ってた短編だって思って古川さんが手に持っていた本を見ると角川の野性時代で表紙がV6の岡田君だったから、ああこれは買って読んだ事あるわって思った。実際にうちにあるし。07年の11月号に載ってる「ララララララララララン」だった。


 やっぱり古川さんの朗読はバックで音楽を生で演奏しているんだけど(ギター、ドラム、キーボード)耳で聴くというよりは全身で体感するものだなって感覚。で鬼気迫るというか朗読スタイルの古川さんは降霊しているという感じ。Lifeスピンオフでも言っていらしたが物語は文字として本に書いた瞬間に死ぬと、朗読は死んだものをまた呼び戻すようなものだとご本人が言っているのだがその言葉がしっくりくる。


spinoff企画「古川日出男・東京REMIXED」
http://www.tbsradio.jp/life/2008/11/spinoffremixed.html


 終わった後は上に戻って編集の藤原ちからさんが作ってるテルテルポーズvol.2を買ったり(http://d.hatena.ne.jp/tel-po/)、group_inouのCDを買ったりして後はビールを飲んでた。
 

 古川日出男さんに挨拶を、というか今年はいろいろとお世話にというかご迷惑をかけましたという挨拶をして。佐々木敦さんともちゃんと話したの初めてか?何度もお会いはしてるんだけど。


 賢策さんや藤原さんの知り合いの僕は今日観れてなかった上のフロアでパフォーマンスをしていた快快(ファイファイ)のメンバーを紹介されて話をしてて前から知り合いだったみたいな感じで面白かった。なんか入場した時に目を付けられていたらしい、僕?なんで?浮いてる?


 5TANDA SONICで3月7、8日に快快「MY NAME IS I LOVE YOU」というイベントがあるんで行くことにしました。楽しみです。
快快(faifai/ex.小指値)公演@exPoP!!!!! vol.13


 いろんな人と名刺交換をして、よかったよ新しく刷っておいて。
 なんでか藤原さんと東さんが話をしている間に入ってお話を聞かせてもらって。大塚英志ファンですって言ったら「ディスってんの?」というなぜ?みたいな入りかたをしましたが東さんのcharlieや宇野常寛荻上チキ君の評価を聞かされたりとか(かなりレアなのか?まあ書かないけど)なんか気さくな方でしたね。


 編集している大山さんと大阪からやってきた人(ごめんちゃんと名前聞いてなかった)とトークしてて、大山さんが岡山出身で倉敷生まれだけど育ったのが井原市という、マジ同郷でビビった。東京来て初めて会ったよ、知り合い以外の井原市出身の人、しかも渋谷のイベントで!この二人とけっこう話してました。で2時半過ぎて歩いて帰りました。


 ほんとに今年一年はcharlieと文化系トーク系ラジオ Life関連でいろんな人と知り合いになってお世話になった一年でした。繋がりもすごく感じたし、世界って狭いなって思うようになった。実際には広くてもある程度の人の繋がりの中に入って行くとその中でもちろん人は繋がっていて、知り合いの知り合いは知り合いだったりとかという意味で狭い。


 人生でこんだけいろんな人に会う年ってなかった。学校に入学とか就職しない限りそんなに人と出会うってことなくて(僕的には)、僕は就職したことないから学校に入るぐらいしか人とたくさん会うってことはなかった、でもそれ以上に今年は多くの人と会って話してお酒飲んでってことをさせてもらった。


 たぶん、今年はいろんな意味で始まりだったし、それまで終わりだったのだと思う。出会ったということはもちろん別れていくのだから、出会いが多くなるということはこれから先の別れも増えたということだ。
 だからそれまでの間、もちろん今までに出会った人もそうだし、別れてしまうまでできるだけ楽しく話して笑って飲んでいきたいし、時にはディープな話や一緒に泣いたり悔しがる事はあるだろうけど。


 08年がいつか振り返ってここからいろんなことが始まった年なんだなって懐かしく思うかもしれない。だけど僕には今年がすごく良い年だったけどここが最高だったことにはもちろんしたくないし、いろんな人に巻き込まれてというか絡んでもらって繋がりを感じて楽しかったから、僕も人をいい意味で巻き込んでいけるようになりたいと強く感じる。


 あと短編書かせてもらった「音楽誌が書かないJポップ批評 コブクロ 恋愛ソングで泣く!」が本屋の音楽コーナーに置かれているのでよかったら読んでください4,5ページの「僕らがいた季節」っていうやつです。


 そんなわけでさよなら2008年。

MUSIC: 無謀の季節

MUSIC: 無謀の季節

野性時代 vol.48 (KADOKAWA文芸MOOK 49)

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