世界の終わり/幻の命
本当は世界の終わりの「インスタントラジオ」が今日聴いてかなり好きになったのだけどYouTubeにないからCDのタイトル曲がBGM。
朝バイトから帰って一時間少し寝てから起きてジムで筋トレ+ラン+バイクで体を動かす。いつも筋肉痛になるのは肩甲骨辺り、他はもっと負荷かけないとダメかな。十二時前に帰ってシャワー浴びて飯を食べて洗濯して干して家を出る。
春風みたいな風、天気がよくて家から歩いて原宿まで歩こうと。原宿のVACANTへ。地図を見る限りヘッドポーターの店の近くなので行けるだろうと、一時間半ぐらいの予想で歩き出す。
思ったよりも暖かい、寝てないのでレッドブル飲んで進む。iPodで音楽を聴きながら246まで出て道玄坂を上る。
途中で古川日出男さんのユニットであるフルカワヒデオプラス「無謀の季節」を聴きながら歩く、アルク、在るく、歩いて、く。
「無謀の季節」は四月に出る「MUSIC」の一部として最初は書かれたもので、数人のミュージシャンと古川さんの朗読が融合した朗読ギグユニットがプレイしている。実際「MUSIC」に書かれているかどうかはわからない、一回書いていたはずものをだいぶ書き直されたみたいなので。
僕は元々歩くのは好きだ。古川さんに影響を受けてさらに歩く事を意識するようになった。歩く事で物語の種を受精する、大地から街からすれ違う人から物語の精子を浴びて受精する、そして出産するイメージ。
作家やクリエイターは神のような父性的なものではなくて母性的なものだと言われていてそれがすんなりと入ってきた。
歩くって現在進行形で今っていうのが大事で、人はingし続ける、死ぬまでは現在進行形、歩く、歩く、歩く、過去は膨らむ一方で生きた長さと共に僕ら自身に付きまとう亡霊のようなものだ。
亡霊は懐かしかったり愛おしかったり恨んでいたり悲しみの対象であり続けたり等など、現在の僕らを過去に引き戻して現在を危なくさせる可能性がある、ほどよい関係が必要。
亡霊はたまに思い出すぐらいでちょうどいい。生きているものが過ぎ去ったものに想いを持ち続けるとどうしてもそっち側に引きずられる。
歩く事で僕はわりとポジティブな思考ができるのでできるだけ歩いている。歩きながらネガティブな事を考えると前に進めなくなるから。
日差しは強くはないが長袖だと熱くて汗ばむ陽気。シネセゾンが入っているビルの前を歩くとユニクロがオープンしたらしく呼び込みのスタッフや客がけっこういた。
そのまま明治通だっけな、タワレコと宮下公園のとこの高架下通って前は「アミューズCQN」で今は「ヒューマントラストシネマ」というもろに会社名が入ったダサイ名前に変わった映画館が入ってるビルの前の通りを歩いて原宿方面へ。
「渋谷公会堂」が「C.C.Lemonホール」に変わった時のダサさとかね、命名権買ったからって言ってもそれはねえだろと思う名前にはしてほしくないものです、僕らの専門の入学式「渋谷公会堂」だったんで特に。
蓮沼執太チーム (Team Shuta Hasunuma):Seneca "Tortoise cover"
↑音楽を担当している蓮沼さん。ヒデオブジェクトケイタニーラブ×シュータクティクスで古川日出男 (朗読) ×小島ケイタニーラブ (弾き語り)×蓮沼執太 (サウンド)で新しいユニットもしてる。好きなものや興味あるものって世界が狭いというか繋がっちゃってるんだよねえ、けっこうな確率で。
ラフォーレ原宿の交差点をそのまま過ぎて竹下通りと交差するとこを右に曲がって三番目の左角を曲がるとVACANTがあった。結局うちからだと一時間で着いた。三時からなのに二時に着いてしまった。
一階は展示スペースとドリンクとか食事ができるとこ、今回は快快(faifai)の物販とか室内もポップな感じで内装をしてあった。ぶらぶらしてメンバーの人と話してみたり外に行ってみたりして時間を潰した。
古本が棚にあって阿部和重著「インディヴィジュアル・プロジェクション」をペラペラ読んでいた。最後の解説が哲学者の東浩紀さんだった。二人って今みたいに名前が知られる前からの知り合いでこの「インディヴィジュアル・プロジェクション」に対しての東さんの解説の最初の方は阿部さんとの関わりだった。
僕が知らなかっただけなんだけども、二人も昔から繋がってるんだなあって。どちらも興味あるし小説家としてどちらの作品も読んでて好きな作家さんでもある。世界ってやっぱり狭いよなあ、繋がりのサークルを覗いたり触れたりするとそれがわかってくる。
外で客案内してたリーダーのよんちゃんと話してたら今年はシンガポールでやるって、しかしワールドワイドなチームだわ。
入場して二階へ、「Y時のはなし」がはじまり始まり。役者の人が人形を使いながらも、時には自身の肉体で表現したりと混ぜこぜな感じ。なんだろうね、使えるものは使ってより大胆に面白く、ある意味ではおおげさにポップなテンションで物語は進む、うん、軽快、爽快だね。
そしてめっちゃ楽しくて笑う、前の「インコは黒猫を探す」もそうだったけどけっこう爆笑しちゃうんだよね。
なんか前にも書いたりしてるんだけど彼らの舞台とかパフォーマンスは観てると観てる側のA.T.フィールドを軽々と乗り越えて伝わってしまう何かがあってそれは心地よい。だから余計に僕って笑い上戸だったっけって思う程笑ってしまう。
快快「Y時のはなし」リハ風景
↑これ見てから天野君のこの動きを特に観たかったけど観たら爆笑しちゃった。目の前でこれ観るとすげえ楽しいしバカバカしい、いい意味で。
あとはコージと中林さんの動きとか竹田さんの寡黙な隠してる何かとか、舞台装置というか小道具を使ってなんだかワンダーランド化してたなあ。コージの鍛えていて大きな体ってのは舞台栄えするなあって思った。本当にみんな飛んだり跳ねたりして身体性が迫ってくるし存在感ここにありだった。
あと、僕とたいして年齢の変わらない、世間ではもう大人と言われる年の人間がマジメにふざけて「かめはめ波」を出すのを観れるとは思わなかった。最高に笑った。しかも「かめはめ波」手から出てるんだもんなあ。
やっぱり快快の舞台は楽しいしファンキーでポップ。笑い上戸じゃないけど笑ってしまう、楽しくて。この感覚はやけくそじゃなくて、最悪でどんよりとした曇り空みたいだったゼロ年代へのアンサーでカウンターだと思う。
テン年代はゼロ年代に対して明確なカウンターを打っていく事で世代交代とか新しいものが徐々に台頭して市民権を取っていく時期なんじゃないかと思ったりするわけです。
小沢健二の復活とかは彼なりのゼロ年代へのアンサーでカウンターだと思ったりするし、まあ本人に聞かないと本当の事はわからないんだけども。でも、こういう表現活動って作り手が思っていたり託していることがあっても、受け手の解釈がまったく違ったり意図しない方向に受け取られたりもして仕方ないというか表現というものはどうしてもそうならざるえない。そういう齟齬が必ず出てくる。
そこにアクシデントがあったり可能性があったりするんだとも思う。
快快はシンガポールやドイツやイタリアでもやるみたいだけど新作を東京芸術劇場小ホールでもするみたい。観てみたい人は次回どうっすかあと宣伝してみる。まあ観たい人は観に行ったら楽しいよ。
観終わって本当は東さんや大塚英志さん宮台真司さん等が出る大岡山であるシンポジウム「もう一つの日本学−批評、社会学、文化研究」に行くつもりで予約してたけどやっぱりそういう気分でもなくて友達の用事でタワレコに行って、そのまま五時ぐらいの混んだ田園都市線に乗るのなんてまっぴらなので来た道を歩いて帰った。
往復で二時間歩くと疲れるんだけどなんか考えがいろいろ浮かんだ。実際にパソコンで書く時間よりは圧倒的に脳内で考えたりする時間の方が長くて、それらが上手く熟成するのを待ちながら小説とか作品を書いてたりするんだけど。歩くと熟成されるのが早まるというかうまいことまとまってくる感覚。
Los Campesinos! 'Death to Los Campesinos!' LIVE in NYC
今日歩きながら一番テンション上がったのが「Los Campesinos!」なんだよなあ、最近前よりも好きになってきた。
僕なりのアンサーとカウンターを打ちにいかないと何も面白そうな事が起きないのはわかってるので足掻きながらやるべきことをマジメにふざけてやっていくしかない。
先週の「めちゃイケ」で岡村さんが言っていた「本番ではマジメにふざける」って事は古川さんも言っていて、真摯に何かに取り組むって事は覚悟がいるけども最終的には「マジメにふざける」に通じている。
あと番組で「萎縮すんなよ」ってスタッフに言ってたりしてた岡村さんだったけど、「めちゃイケ」のスタンスをそれで意思表示してた。昨日の「アメトーーク」は高校の先輩である千鳥がけっこう話しててチャンスをものにしようとしてた。
まあ、それはいいんだけども冒頭のナレーションで「僕たちも萎縮せずにがんばります」と「めちゃイケ」へのアンサーを示していた。共闘する気満々だなって思って嬉しかった。
天使のあるいは悪魔の羽の名残である肩甲骨が異様に痛い。一眠りして深夜に動き出そうっと。
YUMEGIWA LAST BOY スーパーカー
で、今起きました。「文化系トークラジオ Life」は「小沢健二とその時代」Part4が配信されている。
あとは古川日出男「4444」第34回or話「どんな職場ならば就業時間中に辞表を出してガトーショコラを食べに行くか?」も配信。なんちゅうタイトルだと思うけどね。毎週掌編を書くってかなり疲れると思う。
44歳なったら44の掌編を集めたものを刊行するというのが「4444」の意味みたいなのであと10回or話で終わるんだと思う。河出書房さんだから「ハル、ハル、ハル」の文庫刊行と合わせるかリンクさせると思うんだけどね。「ハル、ハル、ハル」の冒頭の始まり方は小説の中で一番好きかもしれない。
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