STORY:儀式を執り行う日を古い言葉で、式日(しきじつ)という。
この物語は、人なら誰しもが持っている自分だけの「式日」、つまり誕生日を迎えられない少女を巡って展開する。
パパもママも病んでいる。みんな病んでいる。そして私は一番病んでいる。
明日を拒絶し、"儀式"と称した不可解な行動を続ける彼女。
映画監督として成功をおさめたものの、創作のモチベーションを失ってしまった男「カントク」は、自分の故郷の街で線路の上に横たわる不思議な「彼女」に出会う。廃虚ビルに自分だけの居場所を築き、線路で、屋上で、地下室でと、奇妙な「儀式」を執り行う彼女。
「明日は、私の誕生日なの」と、今日も明日も同じ言葉を繰り返すが、一向に誕生日は訪れない。そんな彼女に興味を覚えたカントクは、ビデオカメラを手にとり、彼女を被写体として見守ろうとする。
彼女にとっての真実は、自分を傷つけるだけの敵かもしれない。
誕生日とは、自らの存在を世の中から祝福される日。その日を迎えることを拒絶している彼女の過去には、いったい何があったのか?
ささやかな触合いを通じて、男には少しづつ彼女の心に潜む闇が見えてくる。肉親の死の悲しみ、置いてきぼりにした母への愛憎、いつも比較された姉への復讐・・・・。辛い現実から逃げ出したいがために、今日を繰り返すという狂気に彼女はとらわれていたのだ。
彼女の持つ淋しさや不安を、少しでも和らげたいと願った。
そんなわけで休みの日がたいてい雨なのですが、It's a Rainy!
バイトから帰って原稿書いたり、ブログ書いたりして十時過ぎて渋谷までとぼとぼと歩いて行く。プレイワークスからもらったタダ券でシネマヴェーラでの「映画監督 岩井俊二の全貌」を観に行く。
TBSラジオ 文化系トークラジオ Lifeのスピンオフ『charlieの「新・エヴァ論〜ゼロ年代のシンジ君」』
http://www.tbsradio.jp/life/2007/09/charlie_2.html#more
をなぜかダライ・ラマの講演の開始前に聴いて最後の方でcharlieこと鈴木謙介氏が「式日」について話していてそういえば観てないなあと思い、「映画監督 岩井俊二の全貌」で「式日」がするというので観ようと思った。
「映画監督 岩井俊二の全貌」では岩井俊二氏の過去のテレビドラマの短編や映画、そして庵野秀明監督で岩井俊二主演している「式日」も公開されている。日ごとにするものは変わっているけど。
スティーヴン・セガールの娘・藤谷文子の奇抜なメイク・ファッションが僕には初期のsalyu、あるいはsalyuになる前のリリイシュシュを思わせた。
そして藤谷演じる「彼女」の痛さは半端ないものがあり、「明日は何の日か知ってる? 明日は、私の誕生日なの」とひたすらに繰り返される台詞に後半はある種の嫌悪感を覚えた。
園子温「HAZARD」を観たときのような作品から伝わる自分に対しての怒りからくる吐き気ではなく、本当に「彼女」に対しての嫌悪感からくる吐き気を感じた。
岩井俊二氏が役者としてどうなのかと言えば、まあ「カントク」役なんでほぼ素に近いのかもしれない、実際に会っていないので何とも言えないが。
観ていて「彼女」が住んでいるビルは6階建てだっけな、屋上もあって、そこで「儀式」しているのだけど、地下一階は「祭壇」があり、床は水で満たされている。そこには水の入っていないバスタブがあり雨の日には「彼女」はそこで横たわっている。どう観てもその空間は「子宮」である。
そのモチーフは庵野秀明氏の代表作「エヴァンゲリオン」においてのエントリープラグの内部と同じものであると言える。
胎内は緩やかな水の揺れ、怒りも哀しみも罪もない穏やかな護られた世界だが、ひとたびそこから世に生み出されると世界は怒りと哀しみに満ちている、喜びもあるが護られる事のない世界との対峙で人は恐ろしく傷つく、そして胎児のように穏やかに護られたいと願う、しかしそれはもう叶わないと知るが故に自分にとっての絶対的な他者を求める、傷つく自分を認めてくれて、そして許しあえる存在を。
途中から僕は「新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 THE END OF EVANGELION Air/まごころを、君に」のラストシーンでのアスカ状態になり「気持ち悪い」と思ってた。
色彩が豊かな感じを受ける、赤い傘が天井に吊るされていたり、水浸しの床に落ちて開いていたりする雰囲気は鈴木清順「陽炎座」のオマージュかと思った。僕にはそう思えただけなんだけど。どっちもある種の白昼夢的な意味がわかりづらい内容だしなあってのがそう思わせたのかもしれない。
「エヴァ」なら字幕で出ていたようなことを松尾スズキ、林原めぐみの二人がナレーションをしている。「彼女」の母親として怪物女優・大竹しのぶが担当していたり豪華だった。
Cocco 「Raining」
エンディングは青空をバックにスタッフロールが流れていてCocco 「Raining」がかかるという終わり方だった。この歌がすごくこの作品に合っているのは歌詞の内容だけではなく「彼女」と「Cocco」が近からず遠からずの存在であるからだと思う。
なんとか寝ずに観終わる。charlieの話だとDVDで発売レンタルされているものは公開時よりも少しカットされているらしいが、今回シネマヴェーラでしている「式日」は128分なのでおそらくは2000年末に東京都写真美術館で公開されたオリジナルなものだろう。
映画館から出たら雨が上がってた。
白昼夢みたいな作品みたせいか未だに寝れない。
で家に帰って爆睡しまくって今午前3時半過ぎ。
映画『頓挫、6ヵ月後、3.24、25、4.1、対決?』宣伝週間ということで→http://d.hatena.ne.jp/h_tadaishi/にて、友人・只石博紀のブログです。
11月17日ということで本日より原宿KINEATTIC(ホームページ→http://www.kineattic.com/)にてレイトショー。
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以前に書いた邪宗門世田谷ときどき路字スティック (http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20081108)でも触れているが「Life」関連で知り合った仲俣さんが本文構成している岩井俊二×庵野秀明「マジック・ランチャー」は実家にいる頃に買って読んでいる。その本の取材で二人は意気投合して「式日」に至っている。
で今僕は岩井俊二氏主宰「プレイワークス」のメンバーになってるし、仲俣さんには「路字」の原稿書かせてもらったり、「Life」のパーソナリティーであるcharlieとも知り合いになって飲み会とかに呼んでもらったりしてお世話になってる、charlieの師匠の宮台真司さんは「フィルムズ・メーカーズ岩井俊二」の本で対談しているし、なんだか色んな事が蜘蛛の巣みたいに繋がっているんだなあって思わざるえない。
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