木曜日は雨の確率が高いですね、僕が休みの日には。他の曜日よりも。
起きてから伊坂幸太郎新著「モダンタイムス」を読んだりしてのんびり過ごす。「魔王」という作品とそれに収録されている「呼吸」の続編にあたる作品で、日本に徴兵制度ができていたりする未来、「検索から監視が始まる」という帯からも感じる、「ゴールデンスランバー」とか最近の伊坂作品は政治的なことだったり社会的なものを取り込んで物語にしている。
秋雨で小ぶりな雨だったので傘もささずに徒歩で渋谷まで。パルコの地下のリブロで「エクス・ポ」の最新号買って、地上に戻るとちょうどcharlieこと鈴木謙介氏が来たので茶店で時間潰し。
charlieも「エクス・ポ」を持っていたので(charlieも連載している)チラ観する、封筒に入ってる雑誌なのだが、開けると観に来た舞台「幸せ最高ありがとうマジで!」の作・演出の本谷有希子のインタビューがあって。写真が載ってて本谷さんロンTでした。ある種萌ぇ〜な。
charlieがMCの文化系トークラジオ「Life」の「地方を考える」の回に本谷さんゲストだったんで興味ある人はどうぞ。
その辺りのことを話して時間が経ったのでパルコ劇場へ。
「ロンハー」でも僕たちの好きな女性芸能人で総合一位になり、その後なんか評価がまた上がった女優・永作博美主演舞台。 そして作・演出は自意識とか書かせたら今や若手演劇作家の代表格で芥川賞候補にもなった本谷有希子というタッグ。
僕は「好きだ、」の永作さんが好きですけどね、「腑抜けども悲しみの愛を見せろ」でのコミカルな演技も好きだけど。男子は「好きだ、」の永作博美が好きだと思うんだけどなあ。でも、「気球クラブ、その後」の永作さんもいいんだよなあ。
永作さん出てる「人のセックスを笑うな」はあんまり作品的にこなかったです。僕の周りの傾向としては「人のセックスを笑うな」と「百万円と苦虫女」は女子から評価がいい感じの印象を受ける。
本谷作品は「生きてるだけで、愛」を最初に読んで痛いメンヘルな女の主人公だなあって思ってたんだけど、それの延長上にいるのが松尾スズキ「クワイエットルームにようこそ」の映画化して内田有紀演じた主人公だと思う。本当に男からするとめんどくせ〜〜〜っていう。
「ほんたにちゃん」での自意識の過剰、自己顕示欲など痛い女を書いているのだけど、そこが自分と重なる気がして読み終わって凹みムカついた、でもそれを書けるのが本谷有希子の才能だとやっぱり思うわけだけど。
そんな本谷作品舞台は二度目だけど、新聞配達を営んでいる家に一家の父親の愛人と言う女(永作博美)が乗込んできてという内容。 出演は永作博美、近藤公園、前田亜季、吉本菜穂子、広岡由里子、梶原善。
途中まではお母さん役の広岡由里子さんの方が永作さんよりも印象的だった、永作さんは暴れると言うか喜怒哀楽を出す出しまくって行く感じで「動」なんだけど、お母さんは「静」だから対比的になってて。
お母さんはすべてを許しますみたいなスタンスの女性で、僕は青山真治監督「サッドヴァケーション」の石田えりさんみたいな感じなのかなあって思ったけどそっから展開がね、だいぶ変わった。
映画でも行けるプロットだなあと感じた、たぶん映画化はできるね。
これは別に「家族」を描いている話ではなくて台詞にもあった「無差別テロ」、つまりは不幸は無差別に侵入してくるという話でもあった。
「家族」っていうコミュニティが舞台だけど、家族の繋がりや絆を描いていないし、本谷さんは描く気もないだろうし描けないのかもしれない。「家族」っていう個々人が集まった団体の関係性を描いている、個を描く事で集団を現すのではなくて、集団という枠組みを使う事で個を描くような感じ。
ずっと前田亜季がAV女優の渚に見えてました、さすがに僕だけか。梶原善さんは気のおとなしい、でもウラで何かやってる感じの役のイメージだったけどあんなオヤジ役もやるんだなあって。
あきらかに永作博美は今すごいことになってますねえ、女優としては全盛期なのかもしれない。終わり方はあんまり好きじゃなかったけど。
チラシの中にすでに来年の八月に本多劇場にて「劇団、本谷有希子」やるという告知が。早く舞台はおさえないとできないし、たぶん既にキャスティングも裏で交渉してるかメインは決まってるんだろうけど。
「エクス・ポ」のインタ読むかぎりだと、永作さんとかキャスト決まってて、他の演者を「家族」という枠にハメると一番しっくりきたって言ってるので「家族」を描こうとはしてないんだよね、枠として「家族」を使ってるから、やっぱり個人を描く事になるんだろうか、どうだろう。
終わってキリンシティでつまみを食いながら泡もうまいビールを飲みながらながらトーク。以下はメモ代わりに書いておこう。
「Life」次回のテーマ「ぼくたちの失敗学」のことを聞いたりとか、小泉今日子・永作博美・蒼井優論を聞いたりして納得したり。
小泉今日子・YOUに憧れた世代って今ばっちり「In Red」読んでる世代じゃんとか思ったりしたし、小泉今日子・永作博美・蒼井優論っていうのはいつか番組で話してほしいんだけど。
僕は記憶にないけど昔キョンキョンってエッセイかなんかで煙草吸ってる写真とか載せて同世代の女子からさらに支持受けたらしい・・・確か、ようするにアイドルから脱皮して女性が憧れる女になったという解釈で、永作さんも元アイドルだけど煙草吸ってるのなんか似合うし女性が今憧れている女優だよね、そこに若手女優では蒼井優が入ってくる感じ、「めんどくせーんだよ」とか「〜〜んだよっ!」とか言える女優、言えるっていうのはそれを観て違和感がない、演技力の問題はあるけど、脚本や演出があって言わされてる感じでは決してない。という系譜。
後はミスチル「Q」以降の作品についてのcharlieの解釈を聞いて、ほ〜なるほどと。これは「ぼくたちの失敗学」で誰かが話を振ってくれれば聞けるかなあという気もする。「Q」「IT'S A WONDERFUL WORLD」「シフクノオト」「I Love U」「Home」という流れ。
「Q」は僕と世界の関わり、「IT'S A WONDERFUL WORLD」は男性としての自分の不甲斐なさ、「シフクノオト」は夫としての自分の不甲斐なさ、「I Love U」は聞いてないんだけど、「Home」への過程だと捉えればいいのかな。
「I Love U」という呪文あるいは契約の言葉が「Home」という扉を開く、んで「Home」に至るわけですね。
あら、一個ずつズレてるかな、「IT'S A WONDERFUL WORLD」が僕と世界の関わりで、ってズラすと「I Love U」が夫としての不甲斐なさかなあで丁度「Home」になるなあ。となると「Q」はなんだっけ?
そして2008年12月10日に発売される15thアルバム「SUPERMARKET FANTASY」なんだけど何か一連の流れでタイトル付けてるように感じてくる。空想のスーパー、うーむ、家族で買い物してる画が浮かぶけど、それすらももはや幻想だよって皮肉だったら怖いな。
僕が一番好きなアルバムは「Q」で「十二月のセントラルパークブルース」「友とコーヒーと嘘と胃袋」の二曲がなんかわかんないけどすごく好き。
「Q」以降のアルバムがどんどん苦手になっていくのは完全に世代を超えた全世代的なモンスターバンドになっていくのと、家族とかそういうものについて歌うのはいい歌だと思うけど僕はそれを欲してないのでまったくコミットできなくなっている。だから聴きたくなるのは「Q」になってしまう。
charlieと渋谷で別れて霧雨みたいな雨の中とぼとぼ歩いて帰った。外付けHDが何度もデータ飛んでミスチルの「IT'S A WONDERFUL WORLD」「シフクノオト」が消えていたのでレンタルしにツタヤへ。
で借りてLos Campesinos!のセカンドが出てたので買って帰った。
Los Campesinos!は友人に焼いてもらって聴くようになったんだけど、こないだ焼いてもらったJohnny Foreignerも同じような系譜の音。
キャロットタワーのエスカレーター下りながら太古の音、太鼓の音とか連想してた。アフリカの原住民とかも祭とかで太鼓叩いてるなあって。大昔から獲った獣の皮とかで太鼓を作って鳴らしてお祈りしたり、太古のリズムとして人間の本能に染み付いてるんだろうなあ、だからドラムが巧いバンドだとノレるんだろうなあとか。
ミスチルのドラマー・JENと永作さん、昔付き合ってたって聞いた事があるようなないようなと締めようとしたけど微妙だ。
家の近所で「R25」を手に取ったらインタビューが伊坂幸太郎氏だったのでもらって帰った、これで最初と最後が繋がった。
写真は「チャーリーとチョコレート工場」じゃなくて「charlieとエクス・ポ」
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