Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「呼吸」

 起きてから最初に見たニュースは殺された男の子の事件で犯人が母親だったやつで、なぜかびっくりしない自分がいて。小雨がまだ降っていて、秋っぽく なっている気配がしていて。


 洗濯をして、でも小雨だから近所のコインランドリーの乾燥機にツッコんでから毎度おなじみのツタヤまで行って。この間の土曜に飲みがあって、魚類焼いて食ってビール飲んで、酔っぱらってボーリングして、なんか深夜のボーリングってバカっぽい、真剣さがなくてないんだけどみんな得点は気にしてて、でカラオケ行って日曜の朝の電車で帰るっていうなんだか若いノリだなって。でウッチー(コントユニット・スペースラジオ)と話してていいかげんにラーメンズをきちんと観ようと思って、スペースラジオラーメンズの事務所の後輩だから、話はよく出てて。


 一回借りたことあるんだけどなんだか集中できなくて、諦めてたんだけどちょっくら最近考えてることとかあって、きちんと観てから自分の中で好きだとか嫌いだとイケルとかムリっぽいってのを素人なりに知ろうと思って「アリス」を借りた。


 で、同じフロアにある本屋で伊坂幸太郎「魔王」の文庫を買って、ハードカバー自体は持っていて内容も知っていたんだけど、好きな作家は持っていても文庫が出たら一応買う側の読者で、その理由は文庫でも買うと作者に印税が入るってがあって。好きな作家だからたまにはこれはどうよって思う作品があったから買うのを止めるとその作家としては今後の死活問題だろうし、その先の面白い作品を待つ読者としては投資だと思えば文庫は買おうと思える、まあこの考え方は稀だろうけど。


 「魔王」ファシズムとか政治の話の小説で兄弟の物語で「魔王」「呼吸」と二つからなっていて、「魔王」は兄、「呼吸」は弟と嫁がメイン。
 「呼吸」のほうがハードカバー版と少し違うというのもコミュとかで見たので買ったのも大きい。文庫とかはカバー変えるとか加筆修正とか解説とかしてくれるといいなとは思うけど。


 帰りに商店街の天ぷらとかフライの揚げ物のお店で昼飯のおかず買って、カップの豚汁買って、米は洗濯と同時にしといたわけで、これから富良野は寒くなるわけで、野良猫・強欲がニャーニャーうるさいわけで。
 で、にぼしを強欲に投げたり、まじめに掃除をしたりして時間を潰して。最近掃除がまったく吸わないと思ったらパックがパンパンだった、これはどうりで吸わないわな。テレビ点けたら麻生さんが総理に選ばれていた。


 乾燥機に膨れ上がった洗濯物を取りに行って、飯を食べて、「呼吸」から読み出した。ここ最近は古川日出男作品をずっと読んでいた。


 伊坂幸太郎作品は「ゴールデンスランバー」以降読んでいなくて、以前文芸批評家の仲俣さんhttp://d.hatena.ne.jp/solar/と話した時に仲俣さんは初めて読んだ伊坂作品が「ゴールデンスランバー」らしくて、小説トリッパーにて書評をしてた。


 時期的に秋葉原の事件があった後で加害者の年代(僕と学年も一個しか変わらなかあったはず)に届く文学はないのかって話になって、伊坂作品と森美登見彦作品ってダメですかって聞いたら、どうもライトノベルズの感じがするんだよなあって言われた。ライトノベルズでも届けばいいとは思うんだけどね。


 そう聞いてまあライトノベルズっぽさは否めないと感じるのだけど、西尾維新でも佐藤友哉でもいいのだけど、80年代以降の作家が同世代に届かないのかな、一番感覚的には近いはずだけど、まあ本も読む時間ないよってのもわからんでもないが、キッカケ次第なのかなあ。


 村上春樹舞城王太郎でもいいけど届くのかなって?まあ届く事によってそっち側に行かずに済む人が多いけど届くことによってそっち側へ行ってしまう人が少なからずいるが。そう言えば小説読み出すのなんて理由はないよなあ、キッカケだよな。あの本屋の女の子かわいくて小説買った方がなんか文学青年ぽいしみたいなことで読み出すやつとか絶対にいると思うし。


 佐藤友哉水没ピアノ」の主人公の環境はあの加害者に似ていたような気も読みながらしたけど。
 

 で、話は「呼吸」だった。最後の方が少し台詞とか変わってたぐらいだったかな。で、一応政治の話で、テレビでは麻生さんとか他の民主党の人とか出てて、今これを読んでるのはなんだかイヤなリンクっつうか、でも読みながら考えた。


 自分の子供を殺した母親にとっては政治とか総理大臣なんてどうでもよくて、自分と子供の未来を悲観してしまったんだろう、現実の今から考えて未来に期待できないなら終わらそうと。でも、一番考えるのはそこで残されてしまった旦那のことだったりする。母親は父親のことを考えられなかったのかな、子供を殺して自分も死のうと思ってたらしいけど、残された人間のことを考えられたらまた違ったのかもしれない、残された人間が一番つらい。


 みんな自分の生活のほうがもちろん大事で、政治とか環境問題とか気にはなるけどそこまで余裕はなくて、余裕なんてない人が圧倒的でプラス不況だし、経済的にここから発展するなんてやっぱり思えなくて、危機管理を叫んで煽って、みんなが暗中模索でわかりやすい答えにしがみついたり流されていく可能性があって、下手すると考える事を麻痺させられてる。

魔王 (講談社文庫)

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水没ピアノ 鏡創士がひきもどす犯罪 (講談社文庫)

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ラーメンズ 第15回公演 「アリス」 [DVD]

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