ZAZEN BOYSの4thアルバム「Zazen Boys 4」を聴いた、T1「Asobi」T2「Honnoji」T9「Sabaku」が今のところカッコいいなと思う。
T9「Sabaku」の詞は古川日出男作品を思い出すかのように呼応している感じがして、なんだろう、湾とか埋め立てられた土地とか、なんだかそういう雰囲気や言葉遣いがそう思わせる。
保坂和志「プレーンソング」を読み始めていて、なんだか何冊か並行して読もうと思い立って買ったままで読んでいない小説に手をつけた。
村上龍「半島を出よ」は読みかけだがどうも進まないというか今はあんまり受け付けない、文体のせいか、内容のせいかどちらかなのだろう。
大江健三郎「死者の奢り・飼育」の文庫を買って読んでなかったので最初の「死者の奢り」を読んだ。大江健三郎「死者の奢り」も保坂和志「プレーンソング」もこの凄い作家たちのデビュー作だった。
高校の頃に友人と金がなくて部活もあったからなんか金になるバイトはないかと言っていたら岡大の医学部で死体洗いのバイトがあるということになり、怖いが金もいいしやろうぜなんて話した記憶がある。死体洗いのバイトというある意味で都市伝説的な噂は実際に大学内では存在してるのかもしれないが、日本中に広まった原因としては実は大江健三郎「死者の奢り」の小説から飛び火して広まったという説がある。
大江作品にきちんと触れた事がなかったのだけど、この短編はなんだか死者と生者の境目が曖昧な、自意識がアルコール溶液に溶けていくような変な、短編だ。
僕が大江健三郎を知ったのは大塚英志作品に大江という名字のキャラがよく出てきて大塚英志著作の中にも大江健三郎に読者が出会うためにそのような装置として取り入れられていた。
サブカルチャーから文学へ移行できるようにと。
角川スニーカー文庫から出ている大塚英志「多重人格探偵サイコ1 情緒的な死と再生」の各章のタイトルは「遅れてきた青年」「壊れものとしての人間」「案内人」「個人的な体験」「洪水はわが魂に及び」「生け贄男は必要か」「治療者」「身がわり山羊の反撃」と気になって調べると大江健三郎に出会う仕掛けがある。これは2巻になると中上健次作品のタイトルになっていたりする。それで僕は「十九歳のジェイコブス」を読んだんだったな、あまりハマらなかったけど。
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