Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「Love Letter」

 久しぶりのレイトショーを観に歩いて渋谷。
 イーストウエストに行く、そういえばあまりレイトショーには行かないのだけど、ここではいしだ壱成さんの復帰一作目だった「インディアン・サマー」とこれまた壱成さんが出てて大雨の中観に行った園子温監督「気球クラブ、その後」があった。


 「気球クラブ、その後」は大雨の中行き、一時間前に行ったのに整理番号が40番台でおかしいなと思ったら映画に出てた川村ゆきえトークショーがありアイドルオタクな感じの人たちが前列をしめていた。次の日は園監督と壱成さんのトークショーだったと知り、泣きそうになった。映画の最後では泣いたけど。


 というわけで観に行った映画「Love Letter」の概略をウィキペディアから転用します。↓



 『Love Letter』(ラヴレター)は、1995年公開された岩井俊二監督の日本映画。 中山美穂豊川悦司主演。
 誤配された恋文からはじまる、雪の小樽と神戸を舞台にしたラブストーリー。 TVドラマやCMなどで活躍していた岩井俊二の劇場用長編映画第1作。
 第19回日本アカデミー賞にて、作品が優秀作品賞を、秋葉を演じた豊川悦司が優秀助演男優賞と話題賞(俳優部門)を、少年時代の藤井樹を演じた柏原崇と、少女時代の藤井樹を演じた酒井美紀が新人俳優賞を、REMEDIOSが優秀音楽賞を受賞した。
 一人二役を演じた中山美穂は、ブルーリボン賞報知映画賞ヨコハマ映画祭、高崎映画祭などで主演女優賞を受賞した。95年度キネマ旬報ベストテン第3位、同・読者選出ベストテン第1位。
 1999年には韓国や台湾でも公開され、韓国ではとりわけ大人気を博し、劇中に出てきた「お元気ですか?」という言葉が流行語となったり、他にも豊川悦司の「それが山田さん家ィやったら、手紙は届けへんちゅうことや」というセリフがバラエティ番組でモノマネされるなどの話題を呼び、舞台となった小樽には韓国人観光客が大勢押し掛けたりした。
 なお、藤井樹(女性)の自宅という設定だった小樽市の旧坂別邸は、2007年5月26日に火災で焼失している。


 とのこと。


 まず95年といえば13年も前。中二かな、この映画を劇場で観ているわけはない、まず身近に単館系映画館など存在してない地方だったし、その頃は岩井さんすら知らなかった。
 実際に観たのは高校に入ってか、「スワロウテイル」を観てから過去の作品を観返そうとして観たのか。あるいはフジテレビでしていたのを観たのか、忘れた。


 当時、岩井さんはROBOT所属だったはずで、ROBOTはフジテレビとの関係は濃い(踊るシリーズの本広さんもROBOTだったか)ので放送していたのではないかな。


 久しぶりに観たら意外や新鮮だった。中山美穂が若いとかじゃなくてトヨエツが少しだけ「ハチクロ」の真山っぽいとか思ったり(僕だけだろうけど)、携帯がない時代の物語だよなあと。


 この主演コンビは後に北川悦吏子脚本「Love Story」でも共演。北川悦吏子監督デビュー作でプロデューサーを岩井さんと小林武史さんが務めるなど岩井・北川・小林の同世代は未だに良好な関係みたい。


 中学生時代を演じた柏原崇酒井美紀はドラマ「白線流し」で共演することになる。この映画に関しては柏原は少女漫画に出て来そうな雰囲気を持ち合わせている。特に中学生時代のダブル藤井樹のシーンは岩井さんの作品が語られる時に出てくる少女漫画性があり、それは画の構図がそう見せているとも言えなくはないのだが、ほろ苦い感じのノスタルジーがある。


 1999年には韓国や台湾でも公開され、韓国ではとりわけ大人気を博し、劇中に出てきた「お元気ですか?」という言葉が流行語となったりってあるけどそうだったっけ?確かに岩井作品が韓国で人気あるとは聞いた事あるけど「お元気ですか?」って韓国で言ってたのかなあ。


 豊川悦司の「それが山田さん家ィやったら、手紙は届けへんちゅうことや」はダウンタウンの松本さんが一時ハマって言いまくってたように記憶はしている。元ネタは「Love Letter」だったねえ。


 携帯電話が出てこないってのが新鮮なんだよなあ、なかったわけではないけどショルダーバッグぐらいだったし、ポケベルの時代か。


 この作品は岩井さんの作品にはなくてならないカメラマン・篠田昇が撮っている。彼が亡くなった時には映画雑誌でも特集されたのを覚えている。
 篠田さんが最後に撮ったのは2004年の岩井俊二監督「花とアリス」、行定勲監督「世界の中心で愛を叫ぶ」だった。


 つまり04年以降岩井さんは篠田さんが亡くなった歳月と同じ時間新しい映画を撮っていない。だから僕が劇場で岩井作品を観たのも「花とアリス」以来になった。


 だからというわけではないが、この作品自体がノスタルジーに溢れている。95年といえば近過去だ、作品自体も藤井樹(女)が過去を思い出しもう一人の藤井樹(男)のことを考える、そして過去から届くメッセージに涙する。しかも今観るとそれはひと昔前のなんとなく懐かしい風景でもある。


 これは良い映画だと思う。高校時代に観た時よりも今の方が良いと思えるのはやはり当然なのかもしれない。
 年を重ねていく事で未来は減っていき、過去が増えてきたからこそ、いろんな感情が芽生えているし中高時代と言えばもう10年も前で懐かしい想い出でしかない。だからこそあの頃よりも響いてきてしまう。


 イーストウエストにて金曜までレイトショーなので時間があればぜひ。
 かつて岩井作品にハマった人も観た事がない人にも。

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