Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『亜人』


 『無限の住人』同様に死ねない身体を持つ主人公の話。原作漫画はたぶん3巻ぐらいまで読んでいたと思う。実際、新しい最新号などは読んでいないので、どうなっているのだろうか。『寄生獣』や『進撃の巨人』などのラインにあると考えていいのだと思う。現実離れしている設定だが、その設定が現実へのメタファーになっている部分があり、フィクションとして優れたエンタメになっていると思う。ただ、その漫画を映像化するとどうしても前後編だったり2、3時間にまとめないといけないので辛い。今回の『亜人』はかなりシンプルに絞っていてかなり原作の初期のテイストでやれていたと観ていて思った。問題は原作漫画よりも面白いかどうかというと、そこは難しいように思える。
 成熟することを拒む戦後日本と近代化に失敗した社会、手塚治虫は漫画のキャラクターに血を流させ死にゆく身体性を与えた。たぶん、その流れから今の表現は現実に則してる。次の二十年代にはなにがくるのだろうか?