監督・三浦大輔、出演・峯田和伸、黒川芽以、松田龍平、リリー・フランキー、YOU、小林薫
ストーリー・田西敏行(峯田和伸)、29歳。ガチャガチャを取り扱う小さな会社に勤務している、ウダツの上がらない営業マン。同僚の植村ちはる(黒川芽以)に想いを寄せながらも、何の行動も起こせないまま時が過ぎていたが、彼の平凡な日常は、少しずつ変わろうとしていた――。「ビッグコミックスピリッツ」にて連載された人気漫画の映画化。
銀杏BOYZ - 東京
今日の東京は雪らしい。家を出た頃は曇っていて雨も雪も降ってなかった。
昨日というか今日の深夜は「ガキ使」始まる頃に起きて部屋の模様替えをして、本が多くてそれが大変だった。少しだけまた仮眠みたいな時間寝て七時ぐらいにおかんの電話で起きた。
おかんは今日から手術で岡大病院に入院。僕も遺伝しているんだが、股関節が悪いので、年々悪化してうまく座れなかったり、歩くのが困難になってきているので、ボルトを入れる手術をするらしい。
年齢的な問題で両足を、片方してリハビリとかで一ヶ月で退院したら、数ヶ月後にもう片方という感じ、若い時にそれをすると何十年か経つとまたボルトを変えないといけないとかで今の年齢ならもう変えなくてもたぶん人生の最後まで行けるし、体力的にもまだ大丈夫という判断らしい。
12月ぐらいにはと言っていたが、ベッドが空かないという理由で2月頭まで伸びている。まあ、それはどうなの? と思うんだが、まあ足の手術よりも大変な人がたくさんいて、すぐに生命の問題と向き合っている人がいるので仕方ないことだろう。
僕も生まれた時から股関節になんか問題あって、コルセットをしていたらしいのだが、その流れというか股関節が異様に固いので胡座がかけない。昔から正座か女座りというのしかできない。それを考えると股関節の稼動域が狭いので下半身太りがひどいのだろう。痩せた時も下半身はあんまり変わらなかったし。太ってる人間は体が固いと思う。そういう人が多数だろう。
柔らかい人に比べて固い人は腕とか足とかの稼動域が狭いので、動く筋肉量が狭い。痩せてる人が100動くのに、太ってる人はそれに比べると70とか60ぐらいなんだと思う。その差はカロリー消費に比例していくので、代謝が違う、普段の同じ生活をしていても消費量が違うので痩せやすいのと太りやすいという差が出てくる。
と分かっているのだが、やっぱりストレッチなどを怠ってしまうことがデブがデブである理由なのだけども。バレエやってたって女性はたいてい大人になっても太ってない気がする、僕が出会った昔バレエをしてた女性は太っているイメージがない。幼少期にバレエをしていると体が柔軟になるので大人になっても稼動域が広いから代謝が高くて太り辛いんだと思う。
僕はストレッチとヨガ的な事を取り入れてランニングしないと痩せないと思う。やっぱり柔軟性が必要だ、人生には。固いと集中攻撃されたら脆い。
そんなわけでインフルでぶっ倒れてランニングを止めていたで今日バイト行って帰ってから朝一でランニングを再開しようと思ったら雨っていうか雪だよ、でも、走ってからストレッチをしないと、というかする。
と話は映画「ボーイズ・オン・ザ・ラン」からだいぶそれたけども、今日は2月1日、月頭の「映画の日」だった。そう、つまり今日は千円で映画が観れる日だった。「ボーイズ・オン・ザ・ラン」と「ゴールデンスランバー」とどちらも原作好きで観ようと思っていた作品だった。「ゴールデンスランバー」は来週観に行く約束をしていた。
で、「ライムスター宇多丸のウイークエンドシャッフル」の人気コーナー「シネマハスラー」の今週取り上げる作品は「ボーイズ・オン・ザ・ラン」だったのでちょうどいいやって思って。
ちなみに宇多丸さんがポリープ手術だったので今月に入ってからは「タマフル」メンバーやゲストが代打として番組をしてて、今週土曜からようやく復帰というか声を出す。その復帰後初の作品がこれ。
原作は漫画で、漫画好きな人はけっこう注目していた超が付く程のゼロ年代的な作品。「ボーイズ・オン・ザ・ラン」「ソラニン」の映画化されたこのラインは空気感やテーマなどが前十年代を非常に上手く現していた。
読み手にこれは僕らの物語だと多くの人が共感できた作品。
ただ、「ボーイズ・オン・ザ・ラン」は「ビッグコミックスピリッツ」連載で小学館の同誌であった「ヤングサンデー」が休刊し、そこの連載作品の半分が移籍してきたということがあった。
漫画「ボーイズ・オン・ザ・ラン」は十巻で完結しているが、どう考えても連載を打ち切られたような終わり方になってしまっている。
映画でのヒロインである「ちはる」との関係というか章が終わった後に恋愛的な事に、本来のヒロインになっていく「はな」とのこと、ボクシングのことや、「はな」をレイプしようとしたガキの集団にいたボクサーをやめた「安藤」という「青山」(松田龍平)のその後のライバルを出したにもかかわらずまったくその伏線を回収できずに終わっている。
一部には「ビッグコミックスピリッツ」の編集長がこの作品が嫌いで「ヤングサンデー」陣が移籍してくることで何作かが打ち切りや早めに終わらさせられていることに人気作品であったのにも関わらずその事態に巻き込まれて本来あったエピソードが書けずに強引に終わったという説がある。
コミックを全巻読むとどうひいき目に見てもその説が正しいとか思えない感じがある。
映画はコミックの五巻程度まで。狙いすぎな感はある。主演が銀杏の峯田君という所がもろに、いかにも似合いそうな感じだし、主題歌も銀杏で疾走感があるんだが、狙っている所がもろにバレバレなのがいいように、悪いように取られるかというか僕には悪いように取れた。
キャスティングはいいと思った。予告だと銀杏の「ボーイズ・オン・ザ・ラン」が流れてて上手い感じにいいところが出ているので疾走感がある。映画は原作を知っているとわりともどかしい感じの間とかあったように感じた。
原作をうまくまとめてるなあって感じ。監督の三浦さんは演劇ユニット「ポツドール」の人だけども、原作以上の何かを感じる所は特になかった。
原作ありきをやるのでも峯田という普通の役者よりもある意味で魅せれる人間が主演なのでもっとぶっ飛んでもよかったんじゃないかって思った。
原作壊すぐらいの勢いがあったらよかったなあというのが僕の個人的な意見です。パンフレットにはプロデューサーに原作持ってきてもらって「映画やらない?」って言われてやることになったみたいで、そんなに「映画をやりたい」と思っていた人ではないらしい。
たぶん、そこが出ちゃってる。舞台の人だから映画に向いていないという話じゃない、映画にしろ、舞台にしろ、小説にしろ、それをやりたいという意志がない人間が作ったものは熱量がさほどない。当然の話だ。
どれほど峯田君が熱くても、想いが伝わらなかったのは僕が単純に原作を読んでいて内容を把握していたからではないのだと思う。
青山が田西との対決のシーンでボコボコにしながら田西に投げかける言葉。
「何もしてこなかった奴が、勝てるわけないんだよ」はけっこう自分に言われてるような感じでダメージが、あとはボクシングの練習の時に「狂気を引き出すんですよ」ってのは印象的だった。
「狂気」ってのはいつも村上春樹氏を古川日出男氏がインタビューした時に出てきた「健全な肉体に宿る不完全な魂」というのを思い出させる。
上記「健全な肉体に宿る不完全な魂」より/古川さんは村上春樹作品にかなり影響されて作家になった人、僕は古川日出男作品に一気に去年影響されたけど、村上春樹作品の長編は未読だった。
古川さんは村上作品に影響されながら違う切り口で書いているし、文体も違うけど、この対話を読んでいるとやっぱり作家としての背骨の部分での影響がものすごくデカイんだなあって感じた。
村上春樹さんと言えば健康的なイメージだけど、実際に30過ぎぐらいでデビューしてから体を鍛えていて毎年フルマラソンを一、二回走っているらしい、もう六十歳なんだけどね。古川さんもティラピスかヨガみたいなことをしてたような、実際に舞台でダンスしてたし体力的にはかなりだろう。
インタビューの中で「贅肉つくと小説家はダメだな、と思いましたね。実感として」ということを言われていて長期スパンで作家としてやっていくためにそこは大事だと、古川さんももちろん同意。
そこから繋がることでそこを重要視する意味としてお二人の見解としては「健全な肉体に宿る不完全な魂」が作家として必要だから。体がクリーンになったからと言って魂がクリーンになるわけはない、しかし肉体が健全ならば、自分の中に潜む暗い部分、狂気を孕んでいる部分を見つめることができる、それがないと小説は書けないという。
なんかちょっとわかる気がする、絶対にどんな人間にもその部分があって、物語にそれがないとやっぱり嘘というか影のない人間っていうあり得ないものになってしまう感覚。
結局、ここにいつも戻るというかここを考えるしかない。自分の今のだらしない肉体を見る度に、ストイックさが足りない、覚悟がないと思う。
そんなわけで三月末までのこの2ヶ月間は就職活動という名の新人賞応募シーズンなのでなんとか書き上げて応募していくことだけを考えて動くモード。あとは体をきちんと動かすことで、頭と体をきちんと連動させていきたいと思うそんな時期です。
今日は映画観に行ったのもある種の逃避モード(早いけど)なのもあったけど、観てよかったかな。熱量がないままで作っても受け手には伝わりようがないこと、僕にはそう思えてしまったこと。
他の観客で感動した人もいただろうし、最高に好きな映画だって言う人もいるはずだ。でも、僕はまったく感情が動かなかった。
人に伝えるのは難しい、それは至極当然なことだ。でも、誰かに観てほしかったり読んでほしかったり、聴いてほしかったり触ってほしかったり、感じてほしかったりする。そして受け手の感情や状態が驚く程にそれには作用してくる、加えて経験や時間すらも。
自分一人で完結できるオナニーだけなら自己世界で完結する、でも誰かと繋がるために、伝えたいと思うからこそ世界中に作品は溢れている。
人に伝えるのは難しい。でも、もう少し、いやずっと伝えるために足掻いていたい。ずっと諦めたくない、そういうことが僕には大事な事で、人から見たら糞みたいなプライドがいつか弾けてくだけ散ってもそれがキラキラと舞う雪みたいな光景になるのなら悪くはない。
これは昨日昼間に書いたんだけど、すげえ深夜雪が降った。朝一で走ったら転ける。昼間に走る事にした。朝早めに寝て昼間起きて走って書いていく感じにしよう。あまりにも寒すぎる。昼間は晴れるみたいだ。
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