Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『セトウツミ』


監督:大森立嗣
原作:此元和津也
構成:宮崎大
脚色:宮崎大、大森立嗣


出演:池松壮亮(内海)、菅田将暉(瀬戸)、中条あやみ(樫村)、鈴木卓爾(おじさん)、成田瑛基(鳴山)、岡山天音(堤)、奥村勲、笠久美、牧口元美、宇野祥平(バルーンさん)






池松壮亮菅田将暉のダブル主演で、此元和津也の人気漫画「セトウツミ」を実写映画化。原作は、関西弁の男子高校生2人が放課後にまったりとしゃべるだけというシンプルな内容で、2人の繰り広げるシニカルな会話劇の面白さで人気のコミック。「まほろ駅前多田便利軒」「さよなら渓谷」の大森立嗣監督がメガホンをとり、塾通いの日々を送るクールな内海を池松が、天然で元サッカー部員の瀬戸を菅田が演じる。その他、ヒロインの女子高生・樫村役に「ライチ☆光クラブ」などに出演するモデルの中条あやみが扮している。(映画.comより)




NYLONJAPAN8月号のカバー「セトウツミ」とのコラボ。しかし、パッと見でなんか「ナイロンっぽいなって」思うこの感覚なんなんだろう。


 ヒューマントラスト渋谷で初日の初回を観た。主演ふたりの熱心なファンだと新宿ピカデリーでの舞台挨拶に行っているだろうから、半分ぐらい埋まってたのかな。八割方女性の、若い世代の客層だった。まあ、出演の池松壮亮菅田将暉のファン層は二十代前半から十代半ばがメインだろうからそりゃあそうだ。そして、この作品におけるふたりのやりとりや流れでの笑うところはほとんどの人が同じポイントで笑っていたのでふたりの雰囲気を十二分に楽しめるものになっていた。
 関西弁のやりとりなので、その間とかやりとりの感覚は関西の人や関西よりの人の方が笑う反射は増すのかもしれない。とは思った。


 おじさん役の人は映画監督の鈴木卓爾さんだったし、バルーンさんは最近映画でよく見る宇野祥平さんだった。『ロクヨン』とか最近観てる作品でいいバイブプレイヤー感がある役者さん。


 監督の大森立嗣作品はわりと観ているがすごい好きな監督って感じではなく、『まほろ駅前』シリーズとかもこんなテンポで主役ふたりのやりとりをもっと見せてくれたらいいのになって思ったりもした。まほろに関しては大根仁さんがやったテレビドラマ版『まほろ駅前番外地』が一番面白かった気がする。男子ふたりのやりとりってきっと老若男女いろんな世代に需要があって、ふたりの関係性の中や役柄、そして実際の個人としての関係性なんかがメタ要素でもあるから強いんじゃないかなって思う。

 今作はそういう意味では何にも起こらないで日々は過ぎていく、だけどその何もなさの中でも時間だけは進んでいく、そんな時間の中にいるふたりは永遠じゃないから、どうでもいいことの中に大切な時間や意味がないようなことがすごく大事なものだとわかる。でも、わかるのはそれが過ぎ去った後になるからその最中には気づけない。高校を出ればふたりの関係性は変わるだろう、同じような日々だが着実に終わりはやってくるということだけが現実であり残酷だ。そうして人間は同じ場所には止まることはできないのだと知る。だから、ふたりの話している時間は面白くてありきたりだ。まあ、テレ東の深夜枠で卒業までのドラマ版作っても違和感はないけど。