『PLANETS SPECIAL 2011 夏休みの終わりに』を献本していただきました。自分でも注文してたんですが先に一冊いただきました。
書店発売は8/31(水)からで今は直販サイト第二次惑星開発委員会SHOPで購入ができます。
カヴァーガールインタヴュー&グラビアは有村架純(『SPEC』の雅ちゃんですね。スペドラマに映画と『SPEC』はどう着地するのか)で、ツイッターが停止になったまんべくんも「キリショーとまんべくんのラブラブデートプラン 鬼龍院翔 まんべくん」という企画でギリギリなタイミングで載ってます。
僕が読み応えがあったなあって思ったのは『AKB48こそネ申である!』企画の「小林よしのり×中森明夫×宇野常寛 システムと身体性の間で」と「真実一郎×中森明夫×宇野常寛 少女たちはどこをめざすのか?」。
これは編集長であり批評家の宇野さんの新刊『リトル・ピープルの時代』の補論2『AKB48-キャラクター消費の永久機関』と合わせて読むとAKB48自体に興味はさほどなくても彼女たちという存在がいかにこの時代の中で育て上げられ溶け込んで当たり前になったのかがわかる。
AKBの柏木由紀が青年誌等のグラビア表紙になってるとこの数年は他のグラドルにとって冬の時代なんだろうなあと見る度に思う。切実にバトロワしてる。で売れないグラドルはAVに流れちゃうのかもしれないなあ。
特別インタビュー「震災と文化」宮台真司『 「父殺し(の不可能性)」から「父赦し」へ 3.11後の世界とその意味』も『リトル・ピープルの時代』と相互補完されている印象がある。 この本自体が宇野さんの震災後の言いたいことや書きたいこととして世に出てるからある種この二冊は双子的な批評家として編集者としてのモードを書籍化したのがわかる。
ティム・オブライエン著/村上春樹訳『世界のすべての七月』における「リトルピープル」の箇所を昼間に読んだけどこういう話だったのか。抽象的概念ではなく小人とベトナム戦争。それを訳した村上春樹は『1Q84』においてベトナム戦争以降のある種抽象的概念にしたような感じだと思う。
誌上ニコ生PLANETS「魔法少女まどか☆マギカ」 石岡良治×黒瀬陽平×坂上秋成+宇野常寛と「ガンダム」の現在 石岡良治×堀田純司×中川大地+宇野常寛も面白かった。未だに「魔法少女まどか☆マギカ」は四巻までしか見てないけどネタバレ等で物語がどう終焉したのかまどかが何を決心して世界を変えたのかは知ってしまっているので上記の対談はなるほどなあって思いながら読んだ。
昨日はとある試写会に呼んでいただいたのだが関係者でもないので知り合いが誰もいなかった。六本木の映画館だったのだけど前に来たのはたぶん三池崇史監督『46億年の恋』だったはずだから数年振りだろう。上映してた映画がほぼ韓流作品になってた。
試写室には早めに着いたので見やすい席に座って『夏休みの終わりに』を読んでいた。で徐々に人が集まり出してやることもないので『夏休みの終わりに』読んでたらcharlieのお師匠の宮台真司さんがいらした。
ちょうど読んでる本に『 「父殺し(の不可能性)」から「父赦し」へ 3.11後の世界とその意味』があってそれも読んでいたので何かシンクロってると勝手に興奮していたのであった。
で、映画観ました。内覧初号だったらしく始まる前にスタッフの方に諸々呟かないでねって言われました。でしょうね、ただ観終わった瞬間に思ったのは今すぐ公開すべきじゃんって思った僕がいたしそこで観た人々もそう思ったんじゃないかなって。何も言えなくて、夏。春よ来い!と。
試写会の映画は「父殺し」や「リトル・ピープル」同士は否応なく出会う事、震災以後の風景がそこにはあると観ながら感じた。だからたまたま読んでいた『夏休みの終わりに』収録の宮台真司さんの『「父殺し(の不可能性)」から「父赦し」』や『リトル・ピープルの時代』が否応なくリンクして僕の中で映画と混ざり合っていた。
宮台さんと監督に挨拶して帰りました。もう感情の揺さぶりが半端なくて叫びたいし足はなんか震えてるし、疾走して彷徨しろ、世界中でみたいな気持ちで走り出したいのを我慢しながら電車に乗って渋谷まで帰った。
一番近い感じで僕の中ではSyrup16gがなり響いてた。
syrup16g - 翌日
渋谷で降りてスクランブル交差点で叫びたくなった。なんか『ハザード』のシンみたいな気がした。わっかんなけどそういう感覚、覚醒?
僕の二十代後半はSさんとFさんに、彼らに彼らの作品に出逢い感化され僕も翻りながら、charlieという縁と円を繋げてくれる人により広がった。もうすぐ三十代になる僕にはそんな力も繋げることもまだできそうにない。いつかきちんと恩は返したいと思った。
夏休みは終わりに差し掛かってる。
例えばロスジェネと呼ばれた世代の最後方にいた僕らの学年はリーマンショックが起こるその前の数年間にモラトリアムな時期を過ごせてしまった。それを作品にしていたのが例えば『ソラニン』だった。
あれはモラトリアムの肯定ではなかったし、著者自身もあれが素晴らしい事だとは描いていない。誰かが死ななければ動け出せない僕らだった。
のほほんと緩い時間を過ごしていてもいつかそれは終わる、愛しい誰かの死や太刀打ちのできない時間の中で少しでもそれを先延ばしにしようとしている僕ら、いや僕自身のように感じる作品だった。だから愛憎的なものを感じる。
ASIAN KUNG-FU GENERATION - Solanin
昨日試写で観させてもらった映画や古川さんの『馬たちよ、光はそれでも無垢で』や宇野さんの『リトル・ピープルの時代』など大震災以後に作り手が現状認識から未来を見据えて生み出したもの、原発の終わらない問題とかが風化されそうになっても今年の終わりから来年にかけてたくさん出てくるはず。
だから、多くのクリエイターは今すぐに何か力になれなくてもその人達が作りだしていく作品が震災や原発問題で避難されている方以外の人間や社会にその事を風化させない抑止力になるんじゃないかなって。
あと感想としては胸の谷間は富士山よりも絶景で、パンチラは太陽が昇るよりも偉大だと思いました。
あの子の家の問題はどうなったんだろうと思ったりはしたけどもあの伏線回収されてない事を突っ込んでくる人もいるだろうなあって。でも、問題はいつも何かが解決したらすべてが上手く収斂されずに、ひとつずつの問題はその問題として残っていて、原発もそうだけど終わらない問題やそれが終わっても続いて行く問題のメタファーに思えた。意図的にそうなっているのかいないのかは僕にはわからないけど僕はそう解釈した。
今年はあんまり映画を観れてない。たぶん月に一本も映画館で観れてない。昨日試写で観させてもらった映画はいろんな意味で突き刺さったし、また僕の中に蒼い炎が芽生えた。来年公開の映画だから今年のベストテンには入れれないや、残念だ。
公開される頃には僕も三十路になっている。そういう意味で今の時期に観させてもらえたのは本当に嬉しく有り難かった。僕の中にある燃料に火をつけるのは僕自身でもあるけどやはり何かが宿った作品だったりはするので。
そういう意味では僕は本当に運だけはいい、タイミングだけはばっちりだ。あとは僕の力量の問題でしかないと実感できる。
答えは風に吹かれていない、僕らは放射能の風に吹かれている。だからきちんとフィクションとノンフィクションがハイブリッドに混ざり合って夢の中に現実を持ち込めるように。さっきSさんとFさんって書いたけど今書いてるのって僕なりのSFだったりはするんだけど。
「つまり世界がわれわれを無視しつづけるのと同じようにわれわれもまた世界を無視しつづけているだけだ・・・ しかし例えば一冊の本を読むことはそれに抗うことだよ。一冊の本を著すこと一篇の詩を詠むことは世界に無視され消えてしまうことをこばむ行為だとわたしは思う。広大すぎる世界に圧倒されないようにふんばっているんだな・・・」 西島大介『世界の終わりの魔法使い』
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