一月はもう行きましたね。で二月。今年、映画館で観たのは『ヒミズ』二回、『宇宙人ポール』(去年観て二回目で、去年のベスト1)、レイトショーのオールナイトで『自殺サークル』『紀子の食卓』と例年同様に園子温監督yaerなわけですが、園さんの新作『希望の国』も秋ぐらいに公開だったはずなので今年映画館で一番観る監督はやっぱり園さんになりそうです。
小説『ミレニアム』はまったく読んでなくて面白いとは聞いていて、去年観た『ソーシャル・ネットワーク』が面白かったのでじゃあ下馬評も高いし『ソーシャル・ネットワーク』の監督であるデヴィッド・フィンチャー監督最新作『ドラゴン・タトゥーの女』の初日だしバイト終わったら観に行こうかなと前日でwebでチケを取って仕事終わりにTOHOシネマズ渋谷に行って来ました。
初日の19時20分の回だったけどほとんど埋まってたかな、ネクタイ姿のサラリーマンの姿がやっぱり多かった。
デヴィッド・フィンチャー監督作で劇場で観たのは『ファイト・クラブ』『ソーシャル・ネットワーク』ぐらいですね。熱心にこの監督を追いかけたりしてないっすね、基本的に洋画でこの監督なら絶対に観に行くって監督は僕はほぼいない気がする。
二月は今作にラース・フォン・トリアー監督『メランコリア』、『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』、シャーリーズ・セロン主演『ヤング≒アダルト』と観たいのがたくさんです。洋画ばっかりじゃねえか。
予告で一番観たくなったのはマーティン・スコセッシ監督『ヒューゴの不思議な発明』かな、これは観に行くと思う。
『SPEC〜天〜』は初めて予告観てテンション上がった、公開は四月か。『ケイゾク』同様に連ドラ、スペシャル、映画な堤監督の作品の流れ、堤さん映画だと大抵失敗作を作るからなあ、大丈夫かな。『ケイゾク』の映画は映画館で観たけどなんの記憶も残ってない。
で観ましたよ、前情報とか知識ほぼゼロで『ドラゴン・タトゥーの女』を。
ストーリー:月刊誌「ミレニアム」で大物実業家の不正行為を暴いたジャーナリストのミカエル(ダニエル・クレイグ)。そんな彼のもとに、ある大財閥会長から40年前に起こった兄の孫娘失踪(しっそう)事件の調査依頼が舞い込む。連続猟奇殺人事件が失踪(しっそう)にかかわっていると察知したミカエルは、天才ハッカー、リスベット(ルーニー・マーラ)にリサーチ協力を求める。(シネマトゥデイより)
『ドラゴン・タトゥーの女』鑑賞後につぶやいたんをもう一度。
一族の秘密とそのオチは九十年代後期やゼロ年代的な気はしたがまさしくハッキングして世界に過去に潜り秘密を明かしていく、宇野常寛氏曰く世界を革命するのではなくハッキングしていく展開だった。
物語のベースには女性蔑視や女性に対しての男の(性的)暴力に憤りや怒りがあり男性として観ていておもっきり痛烈に殴られているみたいだった。
リスベットが事件が解決したあとに起こす行動。人のためにしたことが相手に受け入られるわけではないが、それは絶望じゃないと思う。
途中のセックスシーンのモザイクが邪魔すぎてせっかくの画が汚くなった。僕は二時間四十分楽しめたので満足です。やっぱりデビット・フィンチャーいいね。映像もカッコいいし展開も飽きさせないし。
去年の『ソーシャル・ネットワーク』はマーク・ザッカバーグがアスペルガー症候群で世界中の人が彼の作ったシステムで繋がって革命すらも起きてしまうのに彼は他人の気持ちを察する事が難しくて繋がるのが難しいという現代の皮肉な神話みたいな話で、最後に迷ってボタンを押す終わりはとても好きだった(指摘されたけど押そうか押さないかで迷ってる終わりだったんね、僕は押したと思い込んでたんだけど、あれは押すだろ)。
今作のヒロインであるリスベットは精神的な問題を抱えていてすごい能力を持っているのに他人の事はおかまいなしで自分のルールで動いている。そう考えると二作とも超越的な能力を持つがコミュニケーションに難のある人物がメインだとも言えるのかもしれないかもしれない。
な感じですかね。
セックスシーンのモザイクがマジで邪魔。エロさが半減だし映像的にも見苦しいんだけどせっかく女優さんが脱いでるんだからさあ、チ◯コやマ◯コが見えたらそんなに問題あるか? ないだろうよ。この作品の事件の根本的な原因を考えたら男女の普通のセックスを普通に流そうよ、とか思う。
ハッキング能力というかね、過去に写した写真をPCに取り込んで、キーワードで検索して、他人のPCをハッキングして情報を得たりっていうのは本当にハッキングして世界を時間を潜っていく感じの部分は僕は宇野さんの『リトル・ピープルの時代』での革命ではなくハッキングで世界を変革していくっていうのがものすごく浮かんできた。
大財閥の一族から四十年前に消えた少女の謎を紐解いていく探偵的な物語ラインだけど、オチはまあ驚く事もなく、ああそうなんねっていう。たぶん、原作読んでなくてもこれわかる人にはわかるんじゃないかな、僕はわからなかったけどさ。
オチとかは一族の秘密とかはそこまでの驚きはないけど映像に関してはやっぱりカッコいいし、オープニングの映像はカッコいいよね。
リスベットが一族の事件を解決した後にミカエルのために起こす行動って人間味のなかった彼女が彼に心を開いて好意を持ったからだろうし、でもその行動が、誰かが誰かのために思って起こした行動がその人に届くとは限らないけどその行為(好意)は絶対に意味があるし、最後の終わり方は僕は好きだ。
二時間四十分ぐらいあるんだけど僕はすごく楽しめた。ボディピアスにパンクな髪型でドラゴン・タトゥーなリスベットに目が離せなかったし、ミカエルみたいな渋いおっさんになりたいって思ったけどまあ僕には無理っすね。
主人公の名前がミカエルってのも意味ありげだよね。ユダヤ人的なものとの関わりとか。これってあと二作やんのかな。やるなら観に行こうかな、その前に小説読んだ方がいいか。
僕として楽しめた映画だったなあ。
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