先月の28日には僕にとってはいい事が重なり、その事で新しく人に出会えたり自分自身の今後について考えて、考えてさらに動いていかないといけないなあと痛感したのが今月の頭だった。思っていた事やある程度考えていた事を他者にダイレクトに言われる事ほど身に染みる事はないわけで。
いい事の一つは水道橋博士さんが『キラキラ』の『ペラペラ』というコーナーで僕のブログからの園子温監督『冷たい熱帯魚』評を使ってくださった事だった。→http://podcast.tbsradio.jp/kirakira/files/20110128_hakase_pera.mp3
コラムでも使っていただいていた。『ペラペラ』に使ったのを文字起こしされたみたいだ。『水道橋博士のオススメ映画 映画「冷たい熱帯魚」について……』→http://www.asakusakid.com/past-column/coldfish.html
映画も連日立ち見とか出て毎回満員ぐらいにお客さんも入ってるみたいで大ヒットしているようで土曜日の『ライムスター宇多丸のウイークエンドシャッフル』での人気コーナーの『ザ・シネマハスラー』でも『冷たい熱帯魚』が当ったので今週の土曜日は楽しみ。
で、僕は去年の「東京フィルメックス」と今年の「第二回 三池崇史監督 presents 大人だけの空間」で『冷たい熱帯魚』を観ているのだが実は映画館ではまだ観てないので朝起きて行ってきた。
一応平日の朝一の10時半からの回だったけど劇場が開場する前には階段にけっこうな人が並んでいて本当にヒットしてるんだなって実感。時間帯のせいか年齢層が高かったかな、『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』の時はすごく年齢層が高かったけどね。永田洋子も亡くなった。
大塚英志原作『多重人格探偵サイコ』の小説と三池崇史監督が作った映像版では連合赤軍がネタというかモチーフと使われてたりするし、永田洋子がモデルの女性が笹山と関わってるし、でも漫画ではそうなってないんだけど。
僕が十代で影響を受けた野島伸司脚本『未成年』の廃校に立て篭るくだりのモチーフというか元ネタはあさま山荘事件だったりと僕が影響を受けている作品に使われていたりする。
感想は前に観た二度と変わらないです。
ただ劇場で特報で園さんのさらなる新作『恋の罪』の予告も観れたし『アンチクライスト』も観たくなりました。で、テアトルグループな不ユーマントラスト有楽町で公開される友人の田村が勤める会社の自主制作映画である『死にゆく妻との旅路』の予告も観ました。
昔、うちの親父に弘兼憲史『黄昏流星群』が面白いよと薦めたら一巻読み終わった後になんか哀しくなるからいいわって言われたんだけど『死にゆく妻との旅路』って結婚して長年連れ添った夫婦とかが観ると哀しくなるだけじゃないかと今からなんとなく思ってしまう。
『冷たい熱帯魚』は園作品初体験だった人が多いかったからか年配者がわりと多いかったからか前に観た二回よりも笑いどころでの声は小さかったかなあ、まあ笑ってる人は笑ってたけど。僕は流れとかわかってるので小さい所で何度も笑ってたけど全然隣りのおっさん笑ってなかったなあ。おっさんの加齢臭が時折くるのでスクリーンに映るでんでんさんにリアリティよけいに出たけどもこの映画をカップルで観に来てポップコーン食ってる強者がいたりもした。
僕は匂いとかに敏感なタチなので映画館でポップコーンとかの匂いがどうもダメだ。ポッポコーン食いながら映画ってわかるんだけど道楽だし娯楽だからさあ、でもその現実感丸出しポップなノンフィクションさが映画というフィクションに侵入してしまう感じがどうも許せないわけだが、途中で気にならなくなったのはこの映画に持っていかれるからよいけどそうじゃないと持っていけない映画だとたぶん終始ムカついてしまう。
映画の後半で吹越満さん演じる社本がある種のオイディプスコンプレックスを経た後で彼が象徴的な父になっていく部分で白シャツ着るんだけどすごく小沢健二に似てるとまた思ってしまった。最初に観た時から最後の部分の吹越さんとオザケン似てると思ってたんだけど。
象徴的な父を倒した後でそれを譲り受けるかのように象徴的な父になってしまうってのは興味深い。『愛のむきだし』で僕が嗚咽して号泣したのは救い出した者が救われた者に救い返されるっていう部分だった。同じような事でも反復して違う人物がそれを始めたり行動すると物語に奥行きというか広がりがあってすごく揺さぶる。
次回作も楽しみだ、今年中に公開みたいだし。予告でもう一個気になったのは韓国映画のやつだったけどタイトルが思い出せない。
その後、池袋に行って牛タン定食などを彼女さんと合流し食べて乃木坂にある国立新美術館で「平成22年度(第14回)文化庁メディア芸術祭」を観に行ってきた。無料だったんだけどかなり人がいましたねえ。マンガの部というか展覧してるとこに山本直樹さんの『レッド』があったりした。
なんというか当たり障りがないようにも感じるというか、衝撃的なものがあんまりないような気もしました。金払ってでも観たいとか思わせる何かってやはり必要だというか今はいろんなものがタダで観れたり聴けたり触れられたり読めたりとかするから、僕自身にも言えるんだけど金払ってでもそうしたいと思わせる何かがないとダメなんじゃないかなって考えながら観てた。
サカナクション好きな彼女が観たかったのはサカナクションのPVの『アルクアランド』が受賞してたからってのもあったりと。
そういえば池袋から丸の内線に乗って乗り換えて乃木坂に行ったけど雑司ヶ谷通ったけど樋口毅宏さんの『さらば雑司ヶ谷』の続編の『さらば雑司ヶ谷R.I.P』も今月出るみたいで楽しみだ。
最近読んだ前に直木賞を取った中島京子『小さいおうち』を読んだ感じが樋口さんの『民宿雪国』に似ていた。ひとつの人物を巡って第三者が最終的に物語を締めていくんだけど彼や彼女が過ごした過去だったり出来事や絵だったり家が軸になって物語を構築していた。たぶん、構成が似ているんだと思うけど技術があるから書けるんだよなあとか思いつつ読みました。
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コーネリアスプロデュースなsalyuの新しいアルバムが僕の誕生日の次の日に出る。上の動画は四つ同時に再生すると音がすべて上手い具合に重なるらしいのだがしかし四つ同時にどうやって再生するんだろうかと・・・・。
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