Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

第二回「HD読書会」@渋谷

 最近は伊坂幸太郎『砂漠』の文庫をのんびりと読みつつ、保坂和志『書きあぐねている人のための小説入門』を読了。『砂漠』はハードカバーで出ている時に読んでいたので、それは五年前ぐらいだけど読み進めると記憶が甦ってくるようなデヴャブ感。


 伊坂幸太郎作品は読みやすい流れだし、台詞も面白い感じのテンポなので二十代/三十代辺りに人気なのは納得というか読者も入りやすいと思う。
 ただこれを映像化する時に中村一義監督以外の伊坂幸太郎作品を原作にした映画化が失敗するのはその台詞であって、小説でも少しは不自然だけどその流れの中で成り立つ、でも映像化でそのまんま実際に存在する人間がそれを話すと違和感がさらに出てきてしまうから脚本の段階で違うものにしないと観客はその違和感に捕われてしまう。
 それをうまいこと処理しながら伊坂風味を殺さないのが中村監督であるから彼が伊坂原作を映像化すると伊坂風味が増してよい作品になっている。


 『砂漠』も映像化しちゃいそうだよなあ、西澤はサンボの山口さん以外ありえないけど。


 渋谷で『HD読書会』の第二回。集合場所の茶店に行く前にハンズに名刺作ったのを取りに行って、ミニノートとボールペンを買った。最近メモとかしてないなって思って、形から入る人なので。


 第二回は高橋源一郎『「悪」と戦う』だった。メモったが大事なのはあの場所での会話なのでこのメモだけだとイマイチわからない。


 父親視線ー四回結婚/金原ーラテン
 ↑今こんな作家いるのか?的な話。元妻・室井卯月とか、一番最初の娘は僕らぐらいだろう、四番目の妻との間にいる幼い子ども。

 
 30/40 バブル以前/以後
 ↑年代的にそれを体験している世代としていない世代での感覚的な差や価値観の違い。


 田中康夫高橋源一郎 ポストモダン
 一緒くたにされて読まれた。


 単語と時代性/舞城王太郎的な文=新生かまってちゃん ツタヤでwikiで探せる単語の羅列


 『エヴァ』90年代文脈
 『スクールアタックシンドローム舞城王太郎高橋源一郎 固有名詞
 →対になる 東浩紀平野啓一郎


 ギャング←ーーーーーー→詩人
 ↓            ↓
 プレイヤー←ーーーーー→記録者
 ↓            ↓
 ラン・キィ       父・姉


 P287「そのことは絶対に証明できないのです」


 桐野夏生『グロテスク』を勧められる。
 次回は『ゼロの王国』鹿島田真希の予定。


 普段メモ魔じゃないので取るよりも話すことに重点を置いてしまう。まあ、普段同世代で集まって小説だけの括りで話す事はないので新鮮というか面白い。


 『エイ』の話と『さようなら、ブコウスキー』はなんとか年内から来年三月までに書き上げたいなとか、『AKIRA』的な文芸作品って今だから余計ありなんじゃないかとか? 『AKIRA』×『トレスポ』の疾走感のあるポップなSFとかどうだろうとか、人と話す事で自分の内に沈んでいるものが浮き上がってくる感じがする。


 とりあえず『考える人』の村上春樹ロングインタビューを読んでいるのだがロングロングなだけあって中身が充実してて尚かつ長いために終わりが見えない・・・、が村上さんの姿勢がものすごくわかる。論壇とかに関わってなくて海外とか行ってる間に『ノルウェイの森』とか大ヒットして、オフサイドポジションにいたら余計に目立ってしまったとか、いろんな核心に触れたことをインタビューしている人が信頼できる編集者さんのようで赤裸々に話している。


 よい編集者はよい作家を育てる、よい作家はよい編集者を育てると星海社の太田さんがツイートしてたがそういう二人なんだと思う。

砂漠 (新潮文庫)

砂漠 (新潮文庫)

書きあぐねている人のための小説入門 (中公文庫)

書きあぐねている人のための小説入門 (中公文庫)

「悪」と戦う

「悪」と戦う

考える人 2010年 08月号 [雑誌]

考える人 2010年 08月号 [雑誌]

スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)

スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)

グロテスク〈上〉 (文春文庫)

グロテスク〈上〉 (文春文庫)

ゼロの王国

ゼロの王国