想田和弘監督による観察映画第1弾「選挙」のDVDを観る。第2弾「精神」は映画館で観たのだが、こちらは観てなかった。
あらすじ(wikiより)
2005年9月の郵政民営化選挙の直後、切手・コイン商を営んでいた40歳の山内和彦は、ひょんなことから川崎市市議会補欠選挙の公募の面接に合格し、なんと自民党公認の候補者となった。しかし、山内は政治に関してはまったくの素人で、東京都出身の山内にとっては川崎市宮前区は縁もゆかりも無い所で、まさに落下傘候補だった。他の民主党・共産党・市民派(神奈川ネットワーク運動)の3候補はベテランぞろいだが、民主党との議席数は拮抗しており、自民党としてはなんとしてもここは勝ちたいと思っている。
三バン(看板・地盤・鞄(知名度・組織・お金))も無い山内だが、「補欠選挙」ということで地元の国会議員や市議会議員、そして彼等の支持者たちの手厚い支援を受ける。山内はドブ板選挙を展開し、片っ端から保育園やバス停などにいる人にも声をかけ、地域の運動会や祭りにも行き、「電柱にもお辞儀作戦」にでて、妻も含めて必死の選挙活動を行うが・・・。
まあ最近選挙があったばかりで民主の大勝っていうその前には自民が大勝してっていう、なんか「ひぐらしのなく頃に」みたい細部や設定が違うけど同じことのやり直し繰り返しをしているみたい。だけど、現実世界は時間が一方的に流れるので「ひぐらしのなく頃に」みたいに何千回とか同じ夏をハッピーエンド、解決までやれない。
パラレルワールドや繰り返しの物語がやけに増えたのはたぶん多くの人がバブルや95年に起きた出来事を止めれなかったとか、ここではない何処かじゃなくて、こんな自分じゃなかったこんな世界じゃなかったって想いが強いからなんだろう。
ノンフィクションの世界では繰り返しもやり直しも残念ながらできない。でも、人は同じ過ちを繰り返す。
「選挙」を観る限りでは、山内さんが所属する自民党内部の雰囲気、投票日に接戦になって、民主やるなあみたいな余裕とか、そういうものが結局の所、09年における総選挙で大敗をしてしまうことに繋がったのだろうなあって。
「精神」もだったけどこの観察映画は音楽があえて付けられてないのでひたすら日常を、これだと選挙っていうあんまり触れた事のない世界で、もう一方は心療内科での患者や関係者の日常なんだが、油断すると睡魔にやられてしまう。
山場とか音楽による盛り上がりないからといって監督の意志がないわけじゃない。編集という行為は嫌でも監督の視線だから、現実に近いけどやっぱりできるだけ現実よりなフィクションになってしまう。ドキュメンタリーはノンフィクションってわけじゃない。ドキュメンタリー≒ノンフィクション。
次の観察映画は「演劇」の現場みたい。
「精神」
http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20090712
「ほぼ日」ディア・ドクターのすてきな曖昧 糸井重里×西川美和監督
http://www.1101.com/nishikawa/index.html
「ほぼ日」名物というか、糸井さんが気になったら公開した後でもDVD発売してけっこうたっても特集しちゃうっていうやつ。前は「フラガール」だったかな。
「森達也×糸井重里トークショー「『マジョガリ』ガリ」を考える」
http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20090402
↑このイベントの時に言われてたけど「自分が今興味あることが最先端だっ!」っていう。周りの空気感とかどうでもいいっていうね、まあ糸井さんはそれを発信できるメディアがあって、多くの人が見るから影響力もすごいのがあるんだけど。
西川さん誰かに似てんだよなあ、知り合いの誰かに、誰だろう・・・。
「ディア・ドクター」
http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20090728
仲俣さんのブログ「海難記」(http://d.hatena.ne.jp/solar/20090903)の「高原基彰『現代日本の転機』を読む。」を読んだ。なんかすげえ読みたくなった。、今度読もう、でも難しそうだけど。
深夜に本屋に行くと『ホリエモン×ひろゆき 語りつくした本音の12時間 「なんかヘンだよね・・・」』ってのが出てて、これは面白そうだなって思った。元ライブドア社長と元2ちゃんねる管理人のネット時代寵児の対談本。
前に「本人」に堀江さんの文章というか載ってて、それで初めて彼の意見と言うか思想を知って、この人本当に賢い人なんだなって思った。でだいぶ興味をいまさら持ったんだけど。なんか出る杭は全速力で潰そうっていう力にやられたのかなって思ったりもするけど、賢い人同士が騙し合いしてたら凡人にはどうにもわからない、理解できないんだろう。
でも、フォントがデカイので一気に読めそうな本なんだけど、たぶん1時間ぐらいで読める。
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現代日本の転機 「自由」と「安定」のジレンマ (NHKブックス)
- 作者: 高原基彰
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「なんかヘンだよね…」 ホリエモン×ひろゆき 語りつくした本音の12時間
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