Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

radiohead@国際フォーラム 10/08

likeaswimmingangel2008-10-09

 雨が降って、軽く地震があって、夕方歩いて渋谷まで。ブックファーストにてcharlieこと鈴木謙介氏の新刊新書「サブカル・ニッポンの新自由主義ー既得権批判が若者を追い込む」を買ってJRに乗って有楽町まで揺られながら。


 電車の中で本を鞄からとり出して読み始める。まえがきの最初にはアナ「OK」からー鈍行ながらも 僕らは希望往きの列車に乗り 後悔の駅で途中下車さ の一文が引用されていた。読み始める、ここ数年だろうか新書も読むようになったりして、小説以外だと、たぶんニートという言葉が出始めた時にニートの本が出て僕も読んだりしてたんだけど、僕が知らない言葉が多すぎて理解できてないことが多い、今になって興味を持ったりしたことは自分で知ろうとするか勉強しないとダメなんだと思う。ロストジェネレーションもベーシックインカムプレカリアートも友達から聞いて知った言葉だ。


 僕らよりも少し下の就職して正社員になった連中がフリーターやニートは努力もしないからだとその有り様なんだとバカにするようだったら、怒りを通り越して哀しいと思った。年下の正社員に使われるフリーターは多い、フリーターはこれからもそこから抜け出し辛い環境があるから、きっとその関係の中でこじれて起きる事件はこれから増えていくのだろう。悲しみが怒りに飛び火した時に真っ先に向かう矛先は社会じゃなく目の前の年下の正社員であっても何の不思議もない。


 今就職してる若い世代は会社に一生勤めて会社に守ってもらいたいと思う人が多いらしい、安定したいんだって、ほんとに昭和に先祖帰りしてるんだな。僕は家系的に会社勤めの人がいないので、会社に勤めるという発想が沸かないと言うかリアリティがないけど。


 まあ、有楽町駅を下りてフォーラムに歩いて行くとチケット譲ってくださいの紙を持ってる人が多数いた。そうだよね、だってワールドツアーの最終日だから数年間は観る事はできなくなる可能性が高いから。


 ホールA近くのベンチで引き続き、新書を読んでいたら目の前に三人組の男が現れ、一人がGLAYのボーカル・TERUだった。一応確認の為にイヤフォンを外して声も聴いたが間違いなかった。昨日はアジカンのゴッチやテナーとかいたらしいのに。


 その後、仕事終わった友人と合流してホール内に。
 前座はイスに座ってのんびり観る。それにして五千人入るらしい国際フォーラムのホールAデカイ、そして何よりも埼玉スーパーアリーナに比べて音が断然にいい。席は8列目の左側でエド側だった、なんでジョニー寄りじゃないんだとは思ったが肉眼でメンバー余裕で観れるし。


 公演後に奪取したセトリ↓「Go slowy」が「There There」に変更。



 2、3曲目の「airbag」「just」が連続で来た時点で来てよかったと本気で思った。「in limbo」「bullet proof」と中々聴かない曲もね。
 「optimistic」は凄すぎた、そして「paranoid android」は狂喜乱舞の状態に会場がなっていた。


Radiohead 5-14-2008 Optimistic(このワールドツアーの映像、セントルイスだけどステージの作りは同じ)


Radiohead - Paranoid Android (live in St. Louis)(同様)



 凄く時間が早く進んでるように感じた。アンコール2での二曲目はセトリだと「Go slowy」だけど実際には「There There」をした。最後の締めは前日にも披露されたファーストアルバムから「blow out」だった!


 はっきり言うけど「blow out」には何の思い入れもない、まあ「creep」やるよりもいいかなって気持ちだったけど、今のradioheadの演奏力で「blow out」したら凄いカッコいいし激しい。しかし始まった瞬間にはもう終わりなんだろうなって思った。
 照明が青と白でキレイだったし、ロックバンドとして世界でもトップクラスのバンドがそこにいて、ワールドツアー最後の音を鳴らし響かし楽しんでいた、会場内の空気は振動し、そこにいる全ての記憶の中に吸引されて現在が過去へ、今を記録ではなく、記憶していた。そして音は鳴り止む。余韻だけを残して、非日常から日常へ戻されて。


 終わって前の方でセトリをもらおうと友人と粘ってみると二人とももらえてしまった。




 ピアノにかけられたのはフリーチベットの布だった。


 帰りに渋谷で飯を食べて歩いて家まで帰り、すぐにバッグを持って世田谷郵便局へ不在だったために受けとれなかったものを受け取りにチャリンコを漕ぐ。ついに来ましたよ、古川日出男「聖家族」!!!!





 古川さんからのサイン本ですよ、発売前に挑戦者募集で読んでコメントするともらえるという。しかも僕の名前を聖家族のように大きさを変えて書いてもらってる、よかった三文字で、様いらないですと思ってしまいました。で、古川日出男って本の横に書いてあるし、iPodを横に置くとこの本がどのくらいの厚さかわかりやすいでしょ、うん長い、ひたすらに長いっす。


 それにしても「聖家族」は圧倒的に物語ってて、古川さんは文字の獣だと思わざるおえないのだが、この作品は素晴らしくて恐ろしい、だって、


 胎内のリズムと呼応する過去、未来、現在だから。