Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『チャッピー』


 昨日25日、『水道橋博士のメルマ旬報』vol.62配信されました。連載「碇のむきだし」は短編「まどろむ」です。写真モデルは兎丸愛美さんです。兎丸さんは発売中「フォトテクニックデジタル」6月号で作品モデルされてます。そちらは書店でぜひ。
https://bookstand.webdoku.jp/melma_box/page.php?k=s_hakase



 異邦人たちの想像力で収まる街になった新宿。でTOHOシネマズ新宿で『チャッピー』をば。初めてのIMAXのスクリーンでこんなにデカいんだ!と驚いた。



町山智浩 ニール・ブロムカンプ作品『チャッピー』を語る http://miyearnzzlabo.com/archives/23720






監督/ニール・ブロムカンプ
キャスト/シャルト・コプリー(チャッピー)、デブ・パテル(ディオン・ウィルソン)、ニンジャ(ニンジャ)、ヨーランディ・ビッサー(ヨーランディ)、ホセ・パブロ・カンティージョ(ヤンキー(アメリカ))、ヒュー・ジャックマン(ヴィンセント・ムーア)、シガニー・ウィーバー(ミシェル・ブラッドリー)、ブランドン・オーレ(ヒッポ)



第9地区」「エリジウム」のニール・ブロムカンプ監督が、「第9地区」同様に南アフリカヨハネスブルグを舞台に設定し、成長する人工知能を搭載したロボットをめぐる物語を描いたオリジナルのSF作品。2016年、南アフリカヨハネスブルグでは、テトラバール社の開発した警察ロボットが配備されて注目を集めていた。ロボット開発者のディオンは、自ら考え、感じる人工知能(AI)を独自開発し、スクラップ寸前の1台のロボットに密かにAIをインストールしようとする。しかし、その矢先にストリートギャングに誘拐されてしまい、AIをインストールして起動したロボットは、ギャングの下でチャッピーと名付けられ、ギャングとしての生き方を学び、成長していく。そして、ディオンのライバルでもある科学者ヴィンセントにチャッピーのことが知られ、その存在を危険視するヴィンセントによって、チャッピーは追い詰められていく。ブロムカンプ監督の盟友シャルト・コプリーが、モーションキャプチャーによってチャッピーを演じた。デブ・パテル、シガニー・ウィーバーヒュー・ジャックマンが共演。(映画.comより)



 この映画よいわ〜。たぶん、最後辺りでなんか微妙に編集してカットしたやろみたいなシーンあったけどその辺りが公開前に監督に無断で編集したかカットした辺りじゃないだろうか。おそらく血が出たり人が殺されるようなシーンだからR指定受けるのをふせぐためにカットだろうけど、正直本筋にはあまり影響しないけどこの手の映画でこの監督の作品観に来るのは年齢層上だからR-指定でいいだろうし監督に何にも言わずに嘘ついて監督にツイッターで聞かれて嘘がバレるということをやらかしたソニーかコロンビアの映画宣伝はマジでダメだなと思うけどね、そのせいで観に行こうと思っていた映画好きが観ないって感じになってしまったのは本当に残念。この映画を観たら余計に思った。映画会社の宣伝ってもっとうまくやればいいのに、くだらないことして客を減らして信頼を失うとか愚の骨頂だと思う、いい映画だから余計に。
 このニール・ブロムカンプ監督は『第九地区』からやってることずっと同じ、黒い羊を巡る冒険とでも言える。それほんと大好物。創造者と創作物の関係についてもいろいろ考えさせられる。


チャッピー 気になるラッパー女優 ヨーランディ・ヴィッサー http://www.stresscinema.com/archives/1378
 ニンジャとヨーランディは音楽してるらしいけど見た目とかマジで最高。ほんとうに存在感がありすぎでよかった。


 『第九地区』『エリジウム』『チャッピー』とニール・ブロムカンプ監督はやっている事が、物語構造は基本同じなのでどれか好きならば三作品好きってことになる。ただ同じような構造でも進化は螺旋階段を上るようなものなので同じ位置にいるように見えても高さはずいぶん変わっている。
 『第九地区』と『チャッピー』のラストに関してはほぼ同じだし、主人公が異物になる、交わってしまうという点、これはチャッピーが読んでいた黒い羊そのものである。ある時に進化(?)して現状の状態から変わってしまわないといけなくなるという終盤戦、もうこれは英雄神話と同じように英雄が一度死んで生まれ変わるのと同じ、ただ生まれ変わる時に前と同じ姿ではないということ、だけどそこにあるのは限りなくアイロニーめいたメタファー。こういうの大好き。


 今年の上半期は『バードマン』『チャッピー』『ラブ&ピース』が僕のベスト3(順不同)な感じ。