Spiral Fiction Note’s diary

ライター&Webサイト編集スタッフ。「水道橋博士のメルマ旬報」で「碇のむきだし」、「BOOKSTAND」で「月刊予告編妄想かわら版」、「PLANETS」で「ユートピアの終焉ーーあだち充と戦後日本の青春」を連載中です。

移動すること

 今年は『リアル鬼ごっこJK』文庫版出たし(担当編集者と揉めたけど)、園監督『東京ヴァンパイアホテル』の脚本にクレジットしていただいた。その脚本のギャラで初めてアメリカに行って3ヶ月滞在されていた(UCLAで日本文学を短期で教えられていた)古川日出男さん夫妻に会いに行った。トランプが大統領になったアメリカに行きたいというのもあった。チャールズ・ブコウスキーの墓参りにも行けたのはファンとして嬉しかった。アメリカに行って数日後に古川さん夫妻と待ち合わせをしてUCLAに行って、『耳なし芳一』の完全にモードに入り込んだ古川さんの朗読を観てしまった、空間が別のものになっていた。言葉が意味を超えて境界線の先にそこにいた人たちを連れて行ったのを僕は目撃した。その日に詩人の管啓次郎さんにお会いして(正確には管さんの教えられている生徒の発表するイベントがメインで、その発表の合間に朗読があった)、翌日は管さんと彼の知人の方々と古川さん夫妻に僕というメンバーでジョシュア・ツリー国立公園にドライブして行った。僕が来ることを伝えてくださっていたので一緒に連れて行っていただいてほんとうに貴重な経験になってありがたかった。
 公園自体に行くのも距離すごかったし、公園が東京都よりもデカいとか、そこにある巨石とか何者かものスケールが初体験だった。それも含めて初めてのアメリカはほんとうに広いしデカいなっていう子供みたいなことを思ったし、肌身で感じることと体がそこにあるということの意味は大きくて、やっぱり「移動」するというキーワードが僕にとっては大事になっていくんだろうなと思った。そのノリで高知県平家物語朗読セッションに行ったりもした。


 週刊ポストでの「予告編妄想かわら版」の連載も始まった。漫画本の原稿も寄稿もしたし、大塚英志さんや宇野常寛さんに声をかけていただいて新刊のインタビューをさせてもらったりして、自分でも思っていなかった形でのお仕事もあった。というかSNSの繋がりでは仕事に繋がらないのに、そうじゃないとこからお仕事をもらうというのは不思議な気がする。ということは、まあ、そういうことだ。
 バイトは年始には11月末で辞めるのは決めていたのでその通りに。どうすんの?みたいな心配の声もいくつかかけてもらったりしたけど、そういう人が仕事をくれるわけでもないので、なんとかやっていくってことと優先すべきことを自分できちんとコントロールしないといけないなと思う。3月末ぐらいまではSNS冬眠して、長い文章はブログに書いて詩とかはnoteに書いてみようと思ってる。


今年の小説ベスト10(新刊のみ)
1・大塚英志『木島日記 もどき開口』
2・古川日出男平家物語 犬王の巻』
3・今村昌弘『屍人荘の殺人』
4・スティーヴ・エリクソン『ゼロヴィル』
5・木原音瀬『ラブセメタリー』
6・窪美澄『やめるときも、すこやかなるときも』
7・樋口毅宏『アクシデント・レポート』
8・滝口悠生『高架線』
9・伊坂幸太郎『AX』
10・宮内悠介『カブールの園』