『Entitlement』

　今日の『情熱大陸』は園子温監督が登場！ 画像は『グレイテスト・ヒッツ・テラヤマ』のやつだけど園さんもそういう番組で追われて放送されるような存在なんだな、スゴいなあ。映画もだけど園さん自身の魅力や破壊力だったり既存のものを越えていくような境界線の向こう側を見せれる人だから。
　でも、古典映画とか幼少期から観まくってるからわかった上でやられているというのもあって、ただ何にも知らない人が園さんの影響を受けてもたぶんそこの教養の差みたいなが圧倒的に出るだろうな。園さんチルドレンみたいな影響を受けた映画監督とかが出てくるとしてもそれは園さんの質とはかなり違う人たちになるんだろうか。

　オムニバス小説『きみのために棘を生やすの』の最初に収録されている窪さんの『朧月夜のスーヴェニア』読むと真智子と同じ時代を生きてきた祖母が浮かんできて、祖母の人生については前にたくさん聞いたけど祖父と会う前の恋愛だとかそういうのは聞いたことないなあ、と思った。あと浅野いにお短編『きのこたけのこ』浮かんだのは戦争というものの空気を書いているしそれがしっかりと伝わってくるから。
　この間、お米送ってもらった時に一緒に祖母が書いておくってきた手紙に満州事変、支那事変、大東亜戦争があって若い男は戦地にいき、なにもかもなかったと。
　９３まで生きるとこれまでのことを振り返ると夢の中みたいで不思議だって。そういう祖母と真智子さんがなにか重なった。
　昨日『朧月夜のスーヴェニア』読んで、今日朝出勤する時に渋谷通るから青い戦闘服がいっぱいいてさ、それ見ながら僕はやっぱりどこか気持ち悪くて『朧月夜のスーヴェニア』と岡田利規著『三月の5日間』が浮かんで、熱狂的で嫌なものに巻き込まれるならば淫らで生々しい情欲に溺れたいなと思った。

ラザレット

毛深い闇

きみのために棘を生やすの

わたしたちに許された特別な時間の終わり (新潮文庫)