Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『海を駆ける』


 テアトル新宿にて、今日はTCGカードサービスデーだったので千円。ディーン・フジオカファンがやはり多いのか四、五十代の女性が多かった印象。僕は深田監督の前作『淵に立つ』がすごかったので観たかった感じ。
 『弧狼の血』に出てた広島弁の薬局のお姉ちゃん役の阿部純子さんが、今作でも従姉妹で出てたけどよかった。ラウが不思議なことを起こしても説明はしないとか人々がそれを当たり前のものとして受け入れている、マジックリアリズムをやっていて気持ちがいい。深田監督の前作同様にかなり好きだな。あと、太賀めちゃくちゃよくないですか。自らのアイデンティティに関するとこの何気無いけど、従妹に対しての気持ちが仕草でわかる感じとか。
 答えを欲しがったりする人はたぶんダメな作品だろう、答えとかラウの正体とかなんにも明かさないからね。でも、そういうものじゃん、世界って。わからないことが重なり合って成り立ってる。不思議なことは起きるし、悲劇も起きている。ラウの佇まいだけで絵になる作品だが、こういう作品が日本だけではなく海外が舞台で作れることも大きなことだと思う。